【解説】道内児相の虐待相談対応状況

（解説 2017-09-12付）

　道の児童相談所における二十八年度児童虐待相談対応件数は、対前年度比六百七件増の三千二十七件と過去最高になったことが、道保健福祉部のまとめで明らかになった。

　児童相談所が受理した相談のうち、「児童虐待」または「児童虐待が危惧されるもの」として対応した件数を合わせたもの。道の児童相談所の対応件数は、前年度の一・二五倍。札幌市の児童相談所を合わせた全道の件数は、一・二四倍の四千八百二十五件と、こちらも過去最高となった。

　虐待の種別では、「心理的虐待」が四百九十三件増の二千五十三件、「身体的虐待」が九十七件増の五百十二件、「ネグレクト」が四件増の四百二十八件、「性的虐待」が十三件増の三十四件。

　相談の経路別では、警察署からの通報に基づく対応件数が四百三十九件増の一千八百六十九件。全体の約六割を占め、全体の件数増加の主な要因となった。市町村、医療機関、学校などの関係者からの通報による対応件数も増加した。

　主な虐待者は「実父」が一千五百十件で約半数を占め、以下、「実母」が一千三件、「実父以外の父（養父、母の内縁の夫など）」が四百二十件など。

　虐待の種別に、主な虐待者をみると、「心理的虐待」で「実父」が約六割を占め、実父による虐待の割合を押し上げている。

　その一方、「実母」が「身体的虐待」と「ネグレクト」、「実父以外の父」が「性的虐待」で最も多く、虐待の種別によって、異なる傾向がみられる。

　虐待を受けた子どもの年齢構成では、就学前の乳幼児が約四割を占めた。

　相談への対応結果では、在宅のまま保護者への助言や指示、カウンセリングなどを行う「面接指導」が約九割を占め、これまでと同様の傾向となっている。

(解説 2017-09-12付)