【解説】市町村の生涯学習推進体制

（解説 2017-09-22付）

　道教委は、二十八年度生涯学習推進体制整備状況の調査結果を取りまとめた。ことし三月、百七十九市町村を対象に実施した。

　生涯学習の推進に関する宣言を行っている市町村の割合は、前年度比一・一ポイント増の八・四％。生涯スポーツの推進や健康づくりなどに関する宣言を行っている市町村は一・七ポイント増の二九・六％となった。

　生涯学習推進に関する附属機関・外部組織などの設置状況をみると「社会教育委員の会議」九八・九％、「スポーツ審議会」六二・六％、「文化審議会」三五・二％、「生涯学習審議会」一三・四％など。

　教育委員会、首長部局、団体などの生涯学習活動の取組状況は「子どもに対する自然体験、ボランティアなどの体験活動の機会」が九六・一％、「読書環境の整備や読書活動を支援する人材の育成などの取組」が九五・〇％と特に高かった。一方、「アウトリーチ型の家庭教育相談・子育て相談」は六九・三％にとどまった。

　生涯学習推進上の課題は「住民の生涯学習に対する意識やニーズの把握」について「極めて重要」「重要」と回答した割合が九七・二％と最も高く、「学校・家庭・地域の連携の促進」九二・八％、「住民に対する生涯学習の普及・啓発」九二・七％、「生涯学習指導者やリーダー的人材の養成」九〇・五％などと続いた。

　住民の課題意識と学習機会の提供の相関関係をみると「高齢化社会」「防災」「食」「環境」「安全・安心な生活」に関しては住民の課題意識が高く、かつ、学習機会の提供が多い分野となった。「国際理解」に関しては、学習機会はあるものの、住民の課題意識は低かった。

　また「障がい者福祉」「人権」は住民の課題意識が比較的高いものの、学習機会の提供状況が少なく、「消費生活」「男女平等参画」は住民の課題意識、学習機会の提供のいずれも低い結果となった。

(解説 2017-09-22付)