専門高生が学習成果披露 産業教育の祭典さんフェア開催
(関係団体 2017-10-03付)

さんフェア・展示・演示・販売
道教委の柴田教育長、北村学校教育局長ら関係者が生徒たちの様子を見て回った

 三年に一度、専門高校の生徒たちが日ごろの学習成果を披露する「さんフェア2017」が九月三十日、新札幌サンピアザで開かれた。農業・工業・商業・水産・家庭(福祉)・看護の専門高校、総合学科校二十七校から生徒約百四十人が参加。新札幌サンピアザ「光の広場」で展示・演示・販売、サンピアザ劇場で意見体験発表会、duo―1で作品・研究発表をそれぞれ実施し、産業教育の価値を広く発信した。

 道産業教育フェア「さんフェア2017」は、道産業教育振興会主催、道・道教委・札幌市・札幌市教委後援。

 地域社会や産業界との連携のもと、次代の産業を担う人材育成を目指す産業教育の一層の充実・振興を図るとともに、特色ある教育活動の成果と魅力を広く道民に発表するもの。「人々との交流を深める産業教育フェア」「生徒の生きる力を育む産業教育フェア」を基本方針に掲げた。

 キャッチフレーズは「北の大地を担う!繋がれ!~心 with 産業」(札幌東商業高校流通経済科二年・廣瀬歩夏さんの作品)。農業・工業・商業・水産・家庭(福祉)・看護の専門高校、総合学科校の生徒が、日ごろの学習成果を発表した。

◆各部会が展示・演示・販売など

 新札幌サンピアザ「光の広場」では、農業・工業・商業・水産・家庭(福祉)・看護の各部会による展示・演示・販売等コーナーを設置した。

 農業のコーナーでは、イニシャル入り木製キーホルダー、馬のてい鉄を使った写真立ての制作教室、アスパラガス根株の線虫を減らす研究内容を展示。

 工業では、マイコンカーや電子工作教室を催したほか、鉄アレイ、ストラップ、木工品などの加工品を無料配布した。

 商業では、自校開発商品、企業とのコラボ商品を販売し、購入者を対象に気に入った商品のアンケート調査を実施。パソコン教室では、カレンダーや名刺制作体験教室を開いた。

 水産では、ロープワーク、モールス信号、缶詰の蓋閉め体験など。家庭では、焼き菓子や染織作品の販売、被服・保育の展示、紙芝居や絵本の読み聞かせを行った。看護では、血圧や骨密度測定のほか、脈拍を測定できる赤ん坊の人形を使った看護体験も行った。

 このほか、各部会や総合学科が学校紹介パネル展や学校紹介のパンフレットを配布した。

 会場には、道教委の柴田達夫教育長、北村善春学校教育局長らが訪れ、各コーナーを見学。柴田教育長は、真剣な様子で接客に臨み、日ごろの学習の成果を発揮している生徒たちをたたえ「素晴らしい取組であり、今後も継続してほしい」と話していた。

◆意見・体験発表大会

 サンピアザ劇場で開かれた意見・体験発表大会では、はじめに道教委高校教育課の山本明敏課長があいさつ。「自分の考えをしっかり発表し、学校や学科の枠を越えて交流を深め、これまでの学びに一層磨きをかける機会としてほしい」と期待した。

 続いて、生徒七人が意見や体験を発表。審査の結果、次世代リーダー塾などの体験から農業への考えを深め、農業を通して地域を活性化させる将来の夢を語った美幌高校生産環境科学科三年の石川匠君の発表が最優秀賞を受賞。また、優秀賞、努力賞にそれぞれ二人が選ばれた。

 講評では、審査員長を務めた道教委高校教育課の長谷川智人指導主事が「いずれの発表も素晴らしいもので、職業高校の学びの楽しさや成果、今後の目標を素直な気持ちで話してくれた」とし、各学科の特色を出した発表内容、表現、姿勢をたたえた。

 入賞者はつぎのとおり。=敬称略=

▼最優秀賞

▽美幌生産環境科学科三年・石川匠「全国の仲間はそれぞれの道へ、〝俺は農業をやる〟」

▼優秀賞

▽旭川工業電子機械科三年・長谷川真衣「工業女子は無限大」

▽置戸福祉科二年山﨑綺乃「ほんのちょっとの勇気」

▼努力賞

▽旭川農業食品科学科三年・村岡菫「製品に思いをのせて」

▽静内生産科学科三年・澤瀬大貴「馬文化を次世代へ~馬で町の活性化を目指して」

▽三笠食物調理科三年・鈴木保乃佳「新しいことに出会うこと」

◆作品・研究発表大会

 duo―1では作品・研究発表大会を開催。六校が発表し、審査の結果、二校が入賞した。講評では、丸谷淳二札幌厚別高校PTA会長が「自分たちが高校生だった時より、数段レベルが高い発表だった。皆さんが大人になれば、北海道、日本のレベルがより高くなるものと安心している」と述べた。

 入賞校はつぎのとおり。=敬称略=

▼最優秀賞

▽美幌農業科三年・大谷暢、二年・上原凌央「美高発!!循環型養豚経営の構築2016~土壌微生物還元による農地創造」

▼優秀賞

▽美唄尚栄農業科三年・尾形真依、斉藤乃亜「規格外アスパラを利用した特産品の開発」

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さんフェア・意見・体験発表
意見・体験発表大会
さんフェア・作品・研究発表
作品・研究発表大会

(関係団体 2017-10-03付)

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