どさんこ☆子ども全道サミット―道教委 基本方針への参画に意欲 いじめ防止へ意見出し合う(道・道教委 2017-10-24付)
高校生の実行委員が中心になって運営した
道教委は二十一日、江別市内の道立教育研究所と全道の道立高校十四校とをネットで結び、二十九年度「どさんこ☆子ども全道サミット」を開いた。「いじめの防止に向けて、学校や周りの大人に求めること~私たちが望む〝学校いじめ防止基本方針〟」をテーマに協議。学校や大人に対し「相談しやすい環境をつくってほしい」「少しの変化にも気づいてほしい」などの声が出された。学校の基本方針がつくられていることを初めて知った子どももおり「子どもの意見を取り入れてほしい」と方針作成に積極的に参画する機会や周知を求める意見が出された。道教委は、これらの意見を「道いじめ防止基本方針」改定版に反映させる考え。
昨年度までのサミットは、設定したテーマに基づき協議した結果を「行動宣言」として取りまとめ、全道に発信してきた。
本年度は、道いじめ防止基本方針の改定作業が進められていることなどを踏まえ、サミットの内容を変更。子どもたちがいじめに対する考え方やいじめの防止について意見交換し、寄せられた意見を基本方針改定版に反映させることとした。
全道の小・中学校、高校、特別支援学校、義務教育学校、中等教育学校合わせ二百四十五校から約六百七十人の子どもたちが参加。道研(本部会場・石狩地区会場)と道立高校十四校(地区会場)を「ほっかいどうスクールネット」で接続して開いた。
サミットは、実行委員の高校生を中心に運営し、まず、グループ交流。いじめに対する考え方や各学校のいじめ防止対策について意見交換した。
続いて、学校教育局参事(生徒指導・学校安全)の吉村教賢主幹が講話。道いじめ防止基本方針で示されているいじめの定義、学校・教職員・保護者の責務、地域の役割を解説した。道内すべての学校が学校いじめ防止基本方針を作成していることも説明。「いじめをなくすために、自分たちが何ができるのかを考えながら、それぞれの学校の基本方針に意見を加えてほしい」と呼びかけた。
協議に入り、講話を聞いて新たに気づいたことをグループごとに交流。子どもたちからは「学校に基本方針があることを初めて知った」「相手が嫌な思いをしていたら、いじめだということが分かった」などの声が出された。
さらに「いじめの防止に向けて学校や周りの大人に取り組んでほしいこと」「学校いじめ防止基本方針の取扱い」について協議した。
学校や大人に取り組んでほしいこととしては「相談しやすい環境をつくってほしい」「一人のときに助けてほしいので、声をかけてほしい」「少しの変化にも気づいてほしい」などの意見が寄せられた。
学校いじめ防止基本方針については「分かりやすく、なじみやすいものにしてほしい」などと内容に関する意見や、「子どもの意見を取り入れてほしい」「何年かごとに、子どもたちの手で更新していけるようにしてほしい」「より多くの人に認識してもらうため、公表する機会を設けてほしい」などと方針作成に積極的に参画する機会や周知を求める意見が出された。
これらの意見を受け、川端雄一学校教育局参事(生徒指導・学校安全)が講評。「寄せられた意見を道いじめ防止基本方針の見直しに役立てたい」と述べたほか、「皆さんが地域や学校に戻ったとき、きょうの内容を友達に伝えてほしい」と呼びかけた。
サミット会場には、道教委の中村隆信委員が訪れ、「子どもたちが積極的に自分の考えを発表しており、よい仲間、よい学校をつくろうという意欲が感じられた」「発達段階の異なる子どもたちの心の交流があり、いじめという行為について深く考えるよい機会となった」などと感想を話していた。
(道・道教委 2017-10-24付)
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