児童生徒の問題行動・不登校等調査本道分―文科省まとめ いじめ認知件数が大幅増 小中不登校は3年度以降最多(道・道教委 2017-10-27付)
文部科学省は二十六日、二十八年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」結果を公表した。本道の状況をみると、札幌市立を含む公立小・中・高校、特別支援学校のいじめの認知件数は前年度比二千二十五件増の七千五百六十二件。特に小学校で大きく増加し、道教委では「初期段階のものを含め積極的に認知・報告した結果」と分析している。不登校については、小・中学校の合計が四千九百九十五人となり、三年度以降最多となった。道教委は今後、自他を大切にする心、望ましい人間関係を築く力を育む取組のほか、「教育相談体制の充実、教員の生徒指導力向上、外部専門家や関係機関などとの連携の強化などの取組の一層の充実を図っていく」としている。
暴力行為、いじめ、不登校などの状況を調査・分析し、未然防止、早期発見・早期対応につなげるため、文科省が例年公表しているもの。本年度から、調査名を「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」に変更した。
道内分では、札幌市立学校を含む公立小・中学校、高校、特別支援学校など一千九百七十七校を対象に調査。
道内の公立小・中・高校における暴力行為の発生件数はいずれの校種も減少し、前年度比百八十七件減の九百八十二件となった。生徒間暴力が五百十件と最も多く、器物破損二百三十七件、対教師二百十七件などと続いた。
公立小・中・高・特別支援学校におけるいじめの認知件数は、二千二十五件増の七千五百六十二件。過去最多だった十八年度に次いで二番目に多い件数となった。小学校で一千六百九十九件増の五千百八十五件と大きく増加。道教委は「各学校種において、初期段階のものを含めて積極的に認知、報告した結果」と分析している。
いじめの解消状況については、本年度から「一定の解消が図られたが、継続支援中のもの」の調査項目がなくなった。公立学校全体で「いじめが解消しているもの」が九七・七%、「解消に向けて取組中」が二・〇%。
不登校の児童生徒の状況については、小学校が八十九人増の一千三十一人、中学校は三百十一人増の三千九百六十四人。小・中学校の合計は四千九百九十五人で、現行の調査が始まった三年度以降最多となった。中学校に進学後、大きく増加する傾向が続いている。
高校では、四十七人増の七百五十四人とやや増加。いずれの校種も理由は「不安」「無気力」が多い。
高校の中途退学については、百十四人減の一千五百三十四人。最少だった二十六年度に次いで少なかった。学年が進むにつれ減少する傾向が続いている。
道教委は、不登校児童生徒の増加を憂慮すべき状況と認識。児童生徒や保護者に対し、教育支援センターなど相談窓口の周知徹底、各学校において、保護者、関係機関などと連携して「児童生徒理解・教育支援シート」などを活用した組織的・計画的な支援の推進に向けた指導助言などの取組を進めている。
今後、自他を大切にする心、望ましい人間関係を築く力を育む取組を進めるとともに、教育相談体制の充実、教員の生徒指導力向上、外部専門家や関係機関などとの連携強化に関する取組の一層の充実を図っていくとしている。
(道・道教委 2017-10-27付)
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