道教委が生徒指導留意事項通知 信頼関係基盤に指導を 福井県池田町の事案踏まえ
(道・道教委 2017-10-26付)

 道教委は、福井県池田町の中学生が自殺した事案を踏まえた生徒指導上の留意事項について、二十三日付で通知した。組織的な生徒指導などを求めた文部科学省通知を踏まえ、学校において、児童生徒理解や教職員と児童生徒との信頼関係を基盤とした適切な生徒指導を行うほか、教育局・市町村教委は、所管の学校の適切な生徒指導に向け、継続的に指導助言するよう求めた。

 ことし三月に発生した池田町の事案については、町教委などが九月に再発防止策を公表したほか、調査委員会が今月、事実経過や再発防止に向けた提言などを報告書にまとめた。

 文科省は二十日付で、都道府県教委や指定都市教委の指導事務主幹課長などに対して通知。今回の事案について「生徒指導上の不適切な対応、学校における組織的な対応の欠如といった諸課題」があると指摘し、生徒指導上の課題を踏まえた留意事項を示した。

 生徒指導の基盤は「児童生徒理解の深化とともに、教職員と児童生徒との信頼関係を築くことにある」と指摘。「児童生徒の特性や発達の段階を十分に考慮することなく、いたずらに注意や叱責を繰り返すことは、児童生徒を精神的に追い詰めることにつながりかねない」「児童生徒への共感的理解に努めつつ、指導方法や指導体制を継続的に工夫改善することが重要」「教職員による体罰や暴言など、不適切な言動や指導は許されない」と留意点を挙げた。

 さらに、教職員が一体となった組織的な生徒指導、就学前段階から高校段階まで学校種を超えた連携、校長のリーダーシップのもとでの組織的かつ迅速な対応、保護者や地域などとの連携が必要とした。

 一方、学校の設置者は、所管の学校で生徒指導が適切に行われているか、学校と情報を共有し、必要に応じて指導助言、援助を行う必要性を指摘。

 生徒指導上の不適切な対応などに起因する児童生徒の死亡事案が発生した際、学校と学校設置者は文科省の指針に従って背景調査を行う必要があること、遺族の心情を理解して丁寧に対応することが重要なことを示した。

 道教委が学校教育局参事(生徒指導・学校安全)名で発出した通知では、文科省通知を踏まえ、各学校において、児童生徒理解や教職員と児童生徒との信頼関係を基盤とした適切な生徒指導を行うなど、同種事案の再発防止を徹底することを要請。

 併せて、教育局・市町村教委は、所管の学校における生徒指導が適切に行われるよう、校長会などの様々な機会において、継続的に指導助言するよう求めた。

(道・道教委 2017-10-26付)

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