道教委 CS協議会・道東ブロック 制度の適切な理解図る
(道・道教委 2017-11-01付)

CS協議会
針ヶ谷主幹がCSの制度内容などについて説明した

 【釧路発】道教委は十月二十六日、釧路教育研究センターでコミュニティ・スクール協議会(道東ブロック)を開いた。十勝・釧路・根室・オホーツク管内の教委職員、学校職員、学校運営協議会委員など百二十一人が参加。説明や講話、実践発表、協議などを通して、制度の適切な理解やコミュニティ・スクール(CS)の効果的な運用、地域との連携・協働体制の確立などについて学んだ。

 はじめに、道教委義務教育課子ども地域支援グループの針ヶ谷一義主幹がCSの制度内容、国の動向および本道の状況、本道における導入の成果などについて説明。

 針ヶ谷主幹は、CSが求められる背景として、①児童生徒数の減少によって、学校がなくなり地域コミュニティが衰退②多様な主体がスピード化・複雑化し、先を見通すことが困難③いじめや不登校、教員の勤務負担の軽減―など、学校が抱える課題の複雑化・困難化などを挙げ、 地域総がかりで子どもたちを育む仕組みづくりの必要性を指摘した。

 その上で、教育委員会の役割として「学校運営協議会規則をつくる」「組織と体制をつくる」「熟議によって、目標を共有する」ことを挙げ、具体的な実践事例を紹介。また、地教行法第四七条の改正にふれ、変更点を確認するとともに、学校と地域の効果的な連携・協働と推進体制について解説した。さらに、本年七月に実施した道CSアンケートをもとに、CS導入の成果として「教育課程の改善・充実が図られた」「学校が活性化した」など、課題として「地域住民への制度内容や取組の周知」「コーディネーターとなる人材の確保と育成」などを挙げ、さらなる学校・家庭・地域の連携による取組の充実を呼びかけた。

 最後に、「CSとは、学校が地域の声を聞く仕組み、地域が学校を応援する仕組みである」とまとめた。

 続いて、道CSアドバイザーで、伊達市教委の櫻井貴志参与が「地域とともにある学校づくり~コミュニティ・スクールの導入に向けて」と題して講話。

 櫻井氏は、学校や教員の仕事が拡大、多様化している現状を指摘しながら「CSは地域住民が学校運営に参画し、学校を応援する仕組み」とした上で「あくまでもツールであり、設置が目的ではない」と強調した。

 また、CSを効果的なツールにするためには、「無理せず、これまでの取組を生かすこと」「目標達成型ではなく、現状を生かした目標設定にすること」「子どもを育てる当事者になること」などを挙げ、伊達市における学校支援の例を示した。

 参加者からは「熟議を何回実施しているか」「地域コーディネーターはどのような人になってもらっているか」など活発な質問が出されていた。

 このあと、釧路市教委や壮瞥町教委の実践発表、部会別協議を行い、参加者は理解を深めた。

(道・道教委 2017-11-01付)

その他の記事( 道・道教委)

第2期道スポーツ推進計画骨子素案―30~34年度 スポーツ王国実現目指す 幼少期からスポーツ機会充実へ

 道は、第二期道スポーツ推進計画骨子素案をまとめ、一日に札幌市内かでる2・7で開かれた第二回道スポーツ推進審議会で報告した。三十~三十四年度の五ヵ年を計画期間とするもの。「スポーツ王国北海道...

(2017-11-06)  全て読む

学びの集大成を発表 道キャリア教育サミット―道教委

道教委キャリア教育サミット発表  道教委は十月三十一日、ホテルライフォート札幌で「小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業」の集大成となる道キャリア教育サミットを開いた。研究指定校の児童生徒が小中高連携による体系的なキャリア...

(2017-11-02)  全て読む

釧路局が学習会 釧路市昭和小・学校力向上総合実践事業 道教育大・萬谷教授が講演 場面の中で英語を学ぶ

学校力向上学習会萬谷隆一氏講演  【釧路発】釧路教育局は十月二十六日、釧路市立昭和小学校(鈴木美恵校長)で学校力向上に関する総合実践事業アドバイザー派遣事業「第一回学習会」を開いた。初任段階研修(二年次研修)を兼ねて開催。...

(2017-11-02)  全て読む

道教委が第2回教員育成協議会 年内にも「指標」策定へ キャリアステージに応じて

道教員育成協議会  道教委は十月三十日、札幌市内の道第二水産ビルで第二回道教員育成協議会を開き、北海道における「教員育成指標」について協議した。理想とする教員の姿である「求める教員像」と、その実現に向けた「キ...

(2017-11-01)  全て読む

輝かしい功績たたえる 29年度道文化賞贈呈式

道文化賞贈呈式  道は十月三十日、ホテルライフォート札幌で二十九年度道文化賞・文化奨励賞贈呈式を執り行った。書家で道教育大学名誉教授の辻井京雲氏ら三個人が道文化賞、美術家・美術教育家の澁谷俊彦氏ら二個人一団...

(2017-11-01)  全て読む

11月は心の教育推進強調月間 子の豊かな人間性育む フォーラム、研修会など開催

 毎年十一月に設定されている「北海道心の教育推進キャンペーン強調月間」が本年度もあすからスタートする。道、道教委、道警で構成する北海道心の教育推進会議(会長・柴田達夫教育長)が設定したもの。...

(2017-10-31)  全て読む

生徒指導上の諸課題調査―道内私立校 いじめ認知は微減の625件 不登校児童生徒13人減243人

28年度生徒指導上の諸課題に関する調査  道は、文部科学省がまとめた二十八年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」に関して、道内私立学校分の調査結果を公表した。いじめの認知件数は十三件減の六百二十五件。こ...

(2017-10-31)  全て読む

道・道教委が地域学校協働活動推進研修会道北会場 人材活用へ情報を交流 活動のさらなる充実目指す

地域学校協働活動推進研修会・石田主査  【旭川発】道・道教委は十月二十四日、上川合同庁舎で第二回道地域学校協働活動推進研修会(道北会場)を開いた。上川教育局と上川総合振興局保健環境部が所管。地域学校協働活動推進員やコーディネータ...

(2017-11-01)  全て読む

道学校保健審議会児童生徒の心の健康に関する調査 抑うつ、躁傾向の割合減少 自己効力感は学年上がるごとに低下

児童生徒の心の健康に関する調査報告書結果概要表  道学校保健審議会は『児童生徒の心の健康に関する調査報告書』を取りまとめた。児童生徒の「抑うつ傾向」「躁傾向」「自閉傾向」「自己効力感」「ライフスタイル」に関して、二十三年度に行った前回調査...

(2017-10-30)  全て読む

新しい「北海道総合教育大綱」 今月中めどに知事決定へ 第3回道総合教育会議で了承

道総合教育会議  道は二十五日、ホテルポールスター札幌で二十九年度第三回道総合教育会議を開き、新しい「北海道総合教育大綱」案を了承した。大綱案は、前回会議で示した素案に「人々の多様性を受け止め、協働しながら...

(2017-10-27)  全て読む