3科目で全国差縮まる 29年度全国学力・学習状況調査―帯広市教委(市町村 2017-11-13付)
【帯広発】帯広市教委は、二十九年度全国学力・学習状況調査の結果を公表した。教科に関する調査結果をみると、小・中学校の全科目で全国平均を下回る結果となった。一方で、昨年度と比較すると小学校で国語A、中学校で国語Bと数学Bで全国平均との差が縮まったほか、現在の中学三年生が小学校六年生のときの平均正答率と本年度の平均正答率を比較すると、全国平均との差が国語Aを除いて大幅に改善した。これらを踏まえ市教委は「引き続き、学校・家庭・地域の連携を一層進め、地域総がかりで未来を生きる〝おびひろっ子〟を育んでいく」としている。
本年度の調査は、市内の小学校二十六校一千二百二十二人、中学校十四校一千二百七十九人を対象に実施した。
結果をみると、小学校では、四科目すべてで全国平均を下回った。また、昨年度と比較すると国語Aを除く三教科で全国平均との差がわずかに広がる結果となった。
中学校においても、四教科とも全国平均を下回る結果となった。一方で、昨年度と比較すると読解力や応用力等を問う国語B、数学Bにおいて全国平均との差が縮まり、改善の傾向がみられた。また、市教委独自の調査によると、中学校三年生の全国平均との差は、小学校六年生のときと比べ、国語Aを除く三科目で大幅に改善したことが分かった。
市内小・中学校における平均正答率のばらつきをみると、全国平均を上回った小学校は、国語Aで九校(前年度比一校増)、国語Bで九校(同二校減)、算数Aで六校(同三校減)、算数Bで四校(同二校減)となり、国語Aを除き、昨年度よりも減少傾向にある。
中学校では、国語Aで四校(同三校減)、国語Bで六校(同増減なし)、数学Aで七校(同一校減)、数学Bで六校(同二校減)となり、国語Bを除き昨年度よりも減少。
◆全国の平均を上回る領域も
各領域の平均正答率は、小学校をみると国語Aでは、四領域のうち「話すこと・聞くこと」、観点別で「話す・聞く能力」で全国との差が近かった。B問題では、三領域のうち「話すこと・聞くこと」、観点別では「話す・聞く能力」で全国平均を上回った。また、三領域のうち「読むこと」、観点別では「読む能力」において全国との差が大きい結果となった。
算数Aでは、四領域のうち「量と測定」、問題形式別では「選択式」で、全国との差が近い結果に。B問題においては、四領域のうち「図形」、問題形式別では「記述式」で全国との差が大きく開いた。
中学校をみると、国語Aでは、昨年度同様に四領域のうち「書くこと」、観点別では「書く能力」で全国平均を上回った。B問題では、観点別で「国語への関心・意欲・態度」、問題形式別では「記述式」で全国平均との差が近い結果となった。
数学Aでは、四領域のうち「図形」、「関数」の二領域において全国平均を上回った。また、観点別では「数量や図形などについて知識・理解」で全国平均と並んだ。B問題では、四領域のうち「関数」において全国平均を上回り「図形」において全国平均と並んだ。観点別では「数学的な技能」において全国平均を上回り、「数量や図形などについての知識・理解」において全国平均と並んだ。一方、問題形式では昨年度同様に「記述式」において、全国平均を大きく下回る結果となった。
◆1時間以上の勉強、全国平均下回る
質問紙調査では、「授業の最後に学習したことを振り返る活動を計画的に〝よく行った〟学校の割合」が小学校六一・五%(全国五二・五%)、中学校五七・一%(同四三・二四%)で小・中学校ともに全国平均を大幅に上回った。
一方で、「普段一日当たり一時間以上勉強する児童生徒の割合」については、小学校四七・一%(全国六四・四%)、中学校六五・四%(六九・六%)で全国平均を下回る結果となった。
結果を受け、市教委では、全国平均との差が縮まってきている科目があること、小六時と比べ中三時の平均正答率が改善傾向にあることを踏まえ「これまでの取組の成果が徐々に表れてきており、全体的には改善の方向に進んでいる」と分析。「引き続き〝授業改善〟と〝望ましい生活習慣の確立〟を柱に、学校・家庭・地域の連携を一層進め、地域総がかりで未来を生きる〝おびひろっ子〟を育んでいく」としている。
(市町村 2017-11-13付)
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