教育課程に関する調査―道中 道徳の教科化を重点に 研修時間や人材不足が課題(関係団体 2017-11-13付)
道中学校長会(古谷雅幸会長)は、二十九年度教育課程に関する調査結果を取りまとめた。道内の中学校五百八十六校を対象に調査。学習指導要領実施の際の重点的な取組として、九二%が「特別の教科 道徳」と回答しており、三十一年度の全面実施に向け各校で準備を進めている状況が裏付けられた。また、新学習指導要領の趣旨や今後の方向性を理解するための研修会に重点を置いている状況がみられた。新学習指導要領実施に向けた課題には「ねらいや趣旨、内容についての基本的な理解が不足」「研修の時間確保が困難」「教職員の意識改革が必要」「人材が不足」が挙げられた。
調査は、学習指導要領の実施に関する本年度の道内各中学校の取組状況を把握し、課題を明らかにするとともに、実践を進める上での資料とするために実施。
隔年実施に変更したため、二年ぶりの調査となった。
対象は道内の中学校五百八十六校。ことし五~七月に実施した。
調査結果をみると、学習指導要領実施の際の重点的な取組(複数回答)に「特別の教科 道徳」を挙げた学校が前回二十七年度調査と比べ七ポイント増の九二%となり、三十一年度の全面実施に向け、各校で準備を進めている状況が示された。八〇%が「主体的・対話的で深い学び」と回答しているほか、「研修会」が前回調査の三七%から六六%へと急増しており、道中では「新学習指導要領の改訂に伴い、趣旨や今後の方向性の理解のための研修会に重点が置かれている」と分析している。
学力向上の取組(複数回答)は「チャレンジテストの活用」が八八%で、前回調査同様最も高い。「放課後、長期休業時の補習」が八二%、「習熟度別学習」が加配あり・加配なしを合わせ七〇%で、個に応じたきめ細かな学習指導が推進されている。このほか、独自の学力向上プランづくりなど、各校で様々な工夫を凝らし取り組んでいることが分かった。
放課後の時間確保に向けた取組(複数回答)は「諸会議の精選」六八%、「行事の内容と準備期間の見直し」六二%、「行事の精選」四四%など。
新学習指導要領実施に向けた現状と課題(記述式)では、現状として「校内研修などで職員への周知を図り、理解を深めている」「〝特別の教科 道徳〟について研修している」などの回答があった。課題には「ねらいや趣旨、内容についての基本的な理解が不足」「校務多忙による研修の時間確保が困難」「教職員の意識改革が必要」「小規模校や若年層が多いなど人材が不足」が挙げられた。
地域などの外部人材を活用している学校は九一%。活用している主な場面や形態は、防災教室や食育教室、ふるさと教育、進路学習など道徳・総合的な学習の時間・特別活動の講師のほか、音楽や美術、保健体育、国語など教科の外部講師・指導者・補助員と多岐にわたる。道中は「新しい時代に求められる資質・能力を子どもたちに育むため、外部人材を積極的に活用し、社会と結び付いた授業から主体的に学ぶ態度を育む必要がある」と考察している。
教科などの授業で地域の企業・施設などを活用している学校は九三%。活用している企業・施設として、商店七二%、消防署四八%、工場四四%、市役所(区役所、役場)四二%、図書館三一%、高校・大学・専門学校三七%などを挙げた。
(関係団体 2017-11-13付)
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