道・札幌市公立学校教員の志願者数 教員の魅力発信が必要 5ヵ年で862人減少、働き方改革推進を
(道・道教委 2017-11-14付)

リポート表
道内公立学校教員志願者等の推移(クリックすると拡大表示されます)

 道・札幌市公立学校教員採用候補者の志願者数が、ここ数年減少傾向にある。三十年度道・札幌市公立学校教員採用選考検査の志願者数は五千四人で、二十六年度検査から八百六十二人減少。登録者数は一千四百九十四人で、五年前と比べ五百二十八人増加した。志願者数減少の要因は、少子化による全体的な労働人口の減少、民間企業の募集時期の変更、学生の志向の変化、多忙な教職員のイメージなど様々で、道教育大学の関係者は、教育現場の働き方改革、教員の仕事の魅力を発信する必要性を指摘する。

◆登録者数は増加

 道教委が取りまとめたデータによると、三十年度道・札幌市公立学校教員採用選考検査の志願者数は五千四人で、二十六年度検査から八百六十二人減少。学校種別でみると、小学校が三百十人減の一千三百九十七人、中学校が三百十人減の一千五百七十六人、高校が百三十八人減の一千百四十二人、特別支援学校が百人減の四百五十六人などとなっている。

 一方、三十年度選考検査の登録者数は一千四百九十四人で、五年前と比べ五百二十八人増加。このうち、小学校は三百五人増の五百二人、中学校は十四人減の二百六十七人、高校が百五人増の二百六十人、特別支援学校は八十六人増の二百三十七人などとなった。

◆民間企業との競争に

 教員志願者数が減少している要因について、道教育大の関係者は、少子化による全体的な労働人口の減少のほか、民間企業の求人状況の変化、募集時期の変更を挙げる。経団連は、就活生の面接選考の開始時期を二十七年度に八月、二十八年度から六月に前倒しした。六月は道・札幌市公立学校教員採用候補者選考検査の第一次審査と重なる時期であることに加え、近年は人手不足から早期に内内定を出す企業も増えている。このため「教員と民間企業での就職、両方を選択肢に入れている学生が流れている可能性がある」と推測する。

 また、学生の志向の変化も指摘する。近年は、自身の適性を冷静に見極め、将来を考え直す学生が増えている傾向にあるとし「一番大きな転機は、大学三年の教育実習での学校現場の体験。あらためて教員を目指す強い気持ちをもつ学生の一方、自分には不向きと考え、進路を考え直す学生もいる」とする。

◆多忙なイメージ

 多忙な教職員のイメージも問題に挙げる。教員向けのガイダンスでも、忙しさの程度について質問する学生もいる。道教育大関係者は「大学としても、年々受検者数が減っていることに大きな問題意識をもち、指導に取り組んでいる。教育現場の働き方改革も重要だが、教員のやりがい、魅力を伝えていくしかない」と話す。

 受検者確保のための取組として、道教委は本年度、三十年度選考検査の募集期間を従来の十一日間から二十一日間へと拡大。道教委Webページや道政広報『みなさんの赤れんが』による周知、大学での説明会のほか、各道立美術館や道立青少年体験活動施設でのチラシ掲示などを行った。

◆志願者確保対策を

 道教委では「面接などで社会人としての基本的素養はもとより、教職に対する意欲、情熱、表現力、協調性などの観点から、教員としてふさわしい資質・能力を備えた人間かどうかを総合的に判断して登録している」と話している。

 毎年度、一定数の教員を新たに採用しなければならない中で、志願者数の減少は、採用側の選択肢が狭まることを意味する。本道の教育の質をより一層高めていくために、多くの優秀な若者に教員を志してもらう必要がある。そのための方策が今後の大きな課題となりそうだ。

(道・道教委 2017-11-14付)

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