懲戒処分の指針を一部改正 標準例を20項目追加 救護義務違反など量定変更―道教委
(道・道教委 2017-11-10付)

 道教委は、八日付で「懲戒処分の指針」を一部改正した。処分の標準的な例として、器物破損、営利企業従事等制限違反など、新たに二十項目を追加。救護義務違反(ひき逃げ)、窃盗、死亡人身事故について、過去事例や想定事例に基づき、標準的な量定を追加した。また、わいせつ的な行為を、従来の「わいせつ行為」と合わせて防止するため、標準的な量定に「停職」を追加するなどの改正を行った。十二月一日以降に発生した事故から適用する。同日、道教委は各道立学校長、札幌市を除く各市町村教委教育長などに改正内容を通知。適用期日前に、職員すべてに周知し、教職員の不祥事根絶に向けて服務規律の保持に万全を期すよう求めた

 道教委の「懲戒処分の指針」は十七年十二月に定められ、社会情勢の変化などを勘案して十八年、十九年、二十四年に一部改正。

 道教委はこれまで、様々な機会を通じて教職員の服務規律の保持について注意を喚起してきた。

 しかし、依然として不祥事があとを絶たず、様々な種類の事故が発生している状況にある。また、従来の指針は、人事院や知事部局などの指針と比べ処分の規定例が少なく、近年は指針に規定のない事故事例が増加傾向にある。

 このため「懲戒処分を一層客観的かつ公平厳正に行う必要性が増しているとともに、標準的な例を幅広く示すことによる非違行為の未然防止を図る」との観点から、新たな例を追加するなどの見直しを行った。

 主な改正内容は、①標準的な例の追加②量定の改正③わいせつ行為の改正―の三点。

 ①に関しては、知事部局の指針に準じて器物破損や営利企業従事等制限違反、公金公物処理不適切、違法な職員団体活動、政治的目的を有する文書の配布など二十項目の標準的例を追加。

 ②に関しては、救護義務違反、窃盗、死亡人身事故について、過去事例や想定事例に基づき、標準的な量定を追加。救護義務違反の量定を、従来の「免職」から「免職または停職」に改めるなどした。

 ③に関しては、これまで信用失墜行為として処分してきたわいせつ的な行為を「わいせつ行為」と合わせて防止するため、項目名を「わいせつ行為等およびセクシュアル・ハラスメント」に変更。わいせつ行為等を行った教職員の標準的な量定を、従来の「免職」から「免職または停職」に改めた。

 また、セクシュアル・ハラスメントをしつこく繰り返し、相手が強度の心的ストレスの重積による精神疾患にり患した場合、「免職または停職」とすることを加えた。

 八日付で改正。十二月一日以降に発生した事故から適用する。

 道教委は八日付で、各道立学校長、札幌市を除く各市町村教委教育長などに対して、改正の趣旨、概要などを通知した。

 通知では、改正内容を職場研修などによって、所属職員すべてに対し適用期日前に確実に周知するほか、教職員による不祥事根絶に向けて服務規律の保持に万全を期すよう求めた。

(道・道教委 2017-11-10付)

その他の記事( 道・道教委)

道徳科実施に向け指導資料作成―道教委 質的転換へ確実な準備を 授業づくりのポイント提示

 道教委は、各学校が「特別の教科 道徳」の実施に向けた準備を確実に進めることができるよう、学校教育指導資料『〝特別の教科 道徳〟の充実に向けて』を作成、配布した。児童生徒の発達段階に応じ、答...

(2017-11-15)  全て読む

道・札幌市公立学校教員の志願者数 教員の魅力発信が必要 5ヵ年で862人減少、働き方改革推進を

リポート表  道・札幌市公立学校教員採用候補者の志願者数が、ここ数年減少傾向にある。三十年度道・札幌市公立学校教員採用選考検査の志願者数は五千四人で、二十六年度検査から八百六十二人減少。登録者数は一千四...

(2017-11-14)  全て読む

第6期道青少年育成審議会が初会合 審議対象事項の状況確認 条例改正素案、健全育成基本計画

道青少年育成審議会  道が設置する道青少年育成審議会は九日、道庁別館で二十九年度第二回審議会を開いた。第六期審議会の初会合で、委員十三人が出席。会長に北海学園大学大学院法務研究科教授の丸山治氏を選出したほか、「...

(2017-11-13)  全て読む

第1順位に鶴羽委員 道教委教育長職務代行者

 道教委は、八日に開いた二十九年度第二十二回教育委員会会議で、柴田達夫教育長が教育長職務代行者の指名について報告した。第一順位は鶴羽佳子委員で、第二順位は末岡裕文委員。いずれも十月二十九日付...

(2017-11-13)  全て読む

旭川美術館 プレミアム・コレクション開催 開館35周年記念し特別展 “木の造形”を中心に 30年1月14日まで

プレミアム・コレクション展示  【旭川発】道立旭川美術館は、特別展「開館三十五周年記念 プレミアム・コレクション」を開催している。同館が三十五年にわたり収集してきた六百八十六点のコレクションから「木の造形」を中心に選りす...

(2017-11-13)  全て読む

道いじめ問題対策連絡協議会 いじめ等根絶メッセージ入賞作品をパネルで紹介

いじめ等根絶メッセージ入賞作品展  道いじめ問題対策連絡協議会は七日から二日間、札幌駅前通地下歩行空間北一条イベントスペースで二十九年度「いじめ・ネットトラブル根絶!メッセージコンクール」入賞作品展示会を開いた。相手への思い...

(2017-11-10)  全て読む

道青少年健全育成条例の改正素案 保護者の義務など規定 スマホのフィルタリングで

 道は、「道青少年健全育成条例の一部を改正する条例」素案をまとめた。国が法改正を行い、スマートフォンで無線LANを通しインターネットにアクセスするなどの際、青少年有害情報フィルタリング有効化...

(2017-11-09)  全て読む

道立高校等通級指導の考え方案 原則、自校通級で実施 プロセス、教育課程など提示―道教委

 道教委は「道立高校等における通級による指導にかかる基本的な考え方」案を七日の道議会文教委員会で示した。来年度から始まる高校の通級による指導に向けて、校長の判断で実施する際の取扱いなど必要な...

(2017-11-09)  全て読む

寄付者に感謝状を贈呈 高橋知事がほっかいどう未来チャレンジ基金で

ほっかいどう未来チャレンジ基金感謝状  道は六日、道庁本庁舎で「ほっかいどう未来チャレンジ基金」寄付者への知事感謝状の贈呈式を行った。高橋はるみ知事が㈲キョウゴクの京極琢弥代表取締役に感謝状を手渡し「寄付を活用させていただき、北...

(2017-11-09)  全て読む

子どもの未来を考える会 中学生の職業意識向上を 道と市立専修学校が意見交換

子どもの未来を考える会専修学校の部  道は二日、私立専修学校関係者との意見交換会「子どもの未来を考える会(専修学校の部)」を札幌市内の吉田学園医療歯科専門学校で開いた。初めて実施したもので、高橋はるみ知事が札幌市内の道美容専門...

(2017-11-08)  全て読む