道徳科実施に向け指導資料作成―道教委 質的転換へ確実な準備を 授業づくりのポイント提示(道・道教委 2017-11-15付)
道教委は、各学校が「特別の教科 道徳」の実施に向けた準備を確実に進めることができるよう、学校教育指導資料『〝特別の教科 道徳〟の充実に向けて』を作成、配布した。児童生徒の発達段階に応じ、答えが一つではない道徳的な課題を一人ひとりが自分自身の問題ととらえ向き合う「考え、議論する道徳」へ質的変換を図る必要性を強調。そのための授業づくりや授業実践例を示した。道教委では、資料を活用し、学習指導要領改正の趣旨を踏まえた道徳教育の充実を図るよう呼びかけている。
文部科学省は二十七年三月、学習指導要領の一部改正を告示。「特別の教科 道徳」が小学校で三十年度、中学校で三十一年度から全面実施されることとなった。
道教委が作成した学校教育指導資料『〝特別の教科 道徳〟の充実に向けて』では、各学校において、学習指導要領改正の趣旨を踏まえた道徳教育の充実に向け、準備を確実に進めることが求められているとして、そのためのポイントを示した。
これまでの道徳の授業は「単に読み物の登場人物の心情を理解させるだけといった型にはまったものになりがち」などの課題が指摘されていたことから、その改善のため、児童生徒の発達の段階に応じ、答えが一つではない道徳的な課題を一人ひとりの児童生徒が自分自身の問題ととらえ向き合う「考え、議論する道徳」への質的転換を図る必要性を指摘。
その質的転換が、道徳科における「主体的・対話的で深い学び」の実現につながることを解説した。
道徳科の授業づくりの手順として、①ねらいを検討する②指導の重点を明確にする③教材を吟味する④学習指導過程を構想する―を例示した。
学習指導過程の構想に当たって、特定の価値観を児童生徒に教え込むような展開とならないよう「児童生徒が道徳的価値にかかわる事象を主体的に考えたり、児童生徒同士の話し合いを通してよりよい生き方を導き出したりするなどの展開を工夫することが必要」とした。
併せて「深い学び」を実現するための問題解決的な学習や、道徳的行為に関する体験的な学習、読み物教材の登場人物への自我関与が中心の学習を展開する小学校一年と中学校三年の授業実践例を示した。
このほか、文部科学省Webページ「道徳教育アーカイブ~〝道徳科〟の全面実施に向けて」、道道徳教育推進会議が作成した北海道版道徳教材『きた ものがたり~北海道の先人の生き方に学ぶ』を紹介し、活用を呼びかけた。
道教委は、各教育局長や道立特別支援学校長、市町村教委教育長などに対し、十三日付で義務教育課長名通知と資料を送付。資料を活用して、学習指導要領改正の趣旨を踏まえた道徳教育の充実を図るよう求めた。
(道・道教委 2017-11-15付)
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