道エネルギー環境教育研究大会 生きる力培う教育実践 札幌市稲穂中で授業、分科会など
(関係団体 2017-11-27付)

 道エネルギー環境教育研究委員会(榎並典昭委員長)は十七・十八日、札幌市立稲穂中学校などで、第七回道エネルギー環境教育研究大会札幌大会を開いた。約百五十人が参加。研究主題「“生きる力”を培うエネルギー環境教育の実践~持続可能な社会をめざし、自ら行動する力を育むエネルギー環境教育」のもと、公開授業や記念講演を通して主題に迫った。

 初日、稲穂中で行われた開会式では榎並委員長(稲穂中校長)があいさつ。「未来を生きる子どもたちが持続可能な社会のつくり手になることを期待し、足元から行動できる児童生徒の育成に資するため、意義ある大会となることを願う」と呼びかけた。

 続いて、研究部会の札幌市立白石中学校・森山政樹教諭が研究主題について解説。エネルギー問題、環境問題について正しい知識をもつ児童生徒の姿や、自らの判断に基づいて、地球規模で考え、足元から行動できる児童生徒の育成を目指すことを説明した。

◆稲穂中2年保健体育の授業公開

 全体会のあと、稲穂中で六授業を公開。このうち、稲穂中二年三組(生徒数三三人)の保健体育「水の利用と確保」は谷口専右教諭が指導。実験のテーブルを七つ用意し、様々な実験を通して節水や安全な水の利用について考え、限りある水への意識を深める授業を展開した。

 谷口教諭は授業の視点として、①飲料水のでき方と生活排水の処理について知る②七つのテーブルにおける観察・実験の実施③七テーブルごとの観察・実験・考察から気づいたことの交流―の三点とした。また、本時の学習課題を「上水道・下水道について学び、水のありがたみについて考えよう」と設定。

 はじめに、谷口教諭は前時までに学習した上水道と下水道の仕組みについて振り返り、「身の回りの水の存在に気づき、できることは何か考えよう」と呼びかけた。七つのテーブルで実験を行い、生徒に考察させて、その結果を文章にまとめさせた。実験では、節水シャワーと普通のシャワーの水量の比較、トイレットペーパーとティッシュペーパーの溶け方の比較などを行った。このうち、シャワーの水量の比較では、十秒間にそれぞれのシャワーから排出された水の量を比較し、節水シャワーは穴が小さいことによって水流を維持し、水量が減少する仕組みを伝え、節水と使いやすさのどちらを重視するか考えさせた。

 このあと、実験から分かったことを全体交流。谷口教諭は生徒の考えを、生活、健康、節水、安全の四つの観点から整理。身近な水の環境問題と自分の生活とのかかわりに気づかせ、水への見方や考え方を広げさせた。

 続く授業分科会では、谷口教諭の授業について「体験的な活動を取り入れた授業で生徒が意欲的に取り組んでいた」「小・中学校の接続を意識した授業を展開していた」などの意見が出た。

 二日目はホテルライフォート札幌に会場を移し、授業分科会の報告を行ったあと、帝京大学教職大学院の澁澤文隆教授が「エネルギー環境教育の現状と課題」と題し記念講演を行った。

(関係団体 2017-11-27付)

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