北肢研が第54回研究大会開く 公開授業や講演など実施 身に付けた力の検証を(関係団体 2017-11-27付)
80人が参加し、授業改善の方策などを考察した
【釧路発】道肢体不自由教育研究協議会(=北肢研、松井由紀夫会長)は二十一日から二日間、白糠養護学校で第五十四回肢体不自由教育研究大会白糠大会を開いた。約八十人が参加。研究主題「教育課程によって子供が身につけた力を検証する学習評価の充実に向けて~社会に開かれた教育課程の実現と改善の視点から」のもと、公開授業やポスター発表、講演などを通して、社会に開かれた教育課程の在り方や授業改善の方策について考えを深めた。
北肢研は、研究主題のもと、授業を通して子どもたちに身に付けさせたい力がどこまで高まったのかという評価の軸を重視。子どもたち一人ひとりが「達成したカリキュラム」を集約し、それに基づいて自校の子どもたちに共通して必要な指導を検討する視点も求められているととらえ、望ましい教育課程やカリキュラム・マネジメントの在り方について研究を進めてきた。
開会に当たり、松井会長(手稲養護校長)があいさつ。新学習指導要領で「よりよい学校教育を通じてよりよい社会をつくる」ことを学校と社会が共有する必要性が示されたことを話し、「各校で必要な学習内容をどう学び、どのような資質・能力を身に付けられるようにするのか教育課程で明確に示すべき」と指摘。「各校での取組が相互の刺激となり、さらなる教育の高まりを目指してほしい」と呼びかけた。
続いてあいさつに立った会場校・白糠養護の菅原康之校長は「昨年十二月の中教審答申で示された各教科等の特質に応じた物事をとらえる視点や、考え方に対する人間の思考の枠組みがどのようにできるのか」と問い、肢体不自由教育が今後の教育を考える上で重要な役割を担っていることを示唆。「仰向けの姿勢の子どもがどのように身体をまとめ、上体を起こし、手を使い、ものを操作してどのように関係の枠組みをつくるのか、立ち上がることで三次元的な行動空間をどのように自分のものにし、人間としての枠組みを形成するのかなど、子どもの行動の中に示されている」と説明し、大会の中で指導のヒントをもち帰るとともに参加者同士の交流を深めるよう求めた。
釧路教育局の鈴木淳局長と白糠町教委の中岡美緒指導室長が来賓あいさつ。このうち、鈴木局長は肢体不自由特別支援学級・特別支援学校の在籍者が減少している一方、医療的ケアを受ける児童生徒は増加している状況にふれ「幅広い実態の子どもに対する指導の工夫、多種多様な教育的ニーズへの対応など様々な課題があり、これまで以上に学校間で情報共有し、より高い専門性に基づく教育が必要」と述べた。
このあと、ポスター発表を行い、個別の指導計画の工夫、授業力を高める校内研修、キャリア教育などの実践が示された。続いて、白糠養護の小・中・高等部の三授業を公開。小学部の生活単元学習「収穫祭をしよう」では、お祝いの演奏を行ったり、収穫したサツマイモの大きさを比べたり、輪になって踊ったりしたほか、参観者と握手やハイタッチなどで収穫の喜びを分かち合った。
中学部一年生の国語「ぼくのきもち、きみのきもち」では、ひらがなの並び替え、なぞり書き、登場人物の気持ちを考える活動などを行った。
高等部で模擬販売
高等部の作業学習で、白養販売会に向けた模擬販売を展開。接客の仕方やマナーを守って自分から人とかかわることをねらった。
午後からは分科会、研究発表を行い、二日目は文部科学省初等中等教育局特別支援教育課の山下直也課長補佐が「特別支援教育の現状と改善の方向性」と題して講演した。
(関係団体 2017-11-27付)
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