札幌市子どもの貧困対策計画案　居場所づくりの推進盛る　実態の理解促進へ研修も

（市町村 2017-12-15付）

　札幌市子ども未来局は、仮称「札幌市子どもの貧困対策計画」案をまとめた。子どもが生まれ育った環境などに左右されることなく、安心して過ごしながら、成長できる環境を目指すもの。新たな取組として、地域における子どもの居場所づくりの推進や、子どもとかかわりのある人に向けた子どもの貧困に対する理解を深めるための研修、啓発を行うことなどを盛り込んだ。

　二十六年一月に国が施行した「子どもの貧困対策の推進に関する法律」などの趣旨を踏まえ、子どもなどの貧困対策の観点から必要な施策をまとめた実施計画として策定するもの。計画期間は三十～三十四年度の五年間。

　計画案では、基本理念に「子どもが生まれ育った環境などに左右されることなく、毎日を安心して過ごしながら、夢と希望をもって成長していくことができる」などを掲げた。

　基本施策には、①困難を抱える子ども・世帯を早期に把握し、必要な支援につなげる②子どもの育ちと学びを支える③困難を抱える若者を支える④保護者の就労や生活基盤の確保⑤特に配慮を要する子ども・世帯を支える―の五点を掲げ、様々な取組を進めていくことを目指す。

　今回まとまった計画案には新規事業・取組として、子どもの貧困に対する理解を深めてもらうことを目的に、子どもとかかわる人を対象とした子どもの貧困についての研修や啓発のための取組を盛り込んだ。

◆高校中退者への学習支援を実施

　また、高校中退者などを対象に、高校卒業程度の学力の習得を目指す学習相談および学習支援を三十年度から実施する予定。学力格差の解消や高校中退者などの進学・就労に資することを目的としている。

　このほか、地域における子どもの居場所づくりの推進に向けた取組として、無料または安価な値段で食事を提供している〝子ども食堂〟の情報提供を行うほか、こども食堂を支援する機運醸成を図ることとした。

　今後は、市民からのパブリックコメントを経た上で、本年度中に計画を策定することとしている。

(市町村 2017-12-15付)