【解説】「今年の漢字」１位は「北」

（解説 2017-12-15付）

　二十九年の世相を表す「今年の漢字」に「北」が選ばれた。

　「今年の漢字」は、日本漢字能力検定協会（本部・京都、髙坂節三代表理事）が国民に漢字の奥深い意義を再認識してもらう活動の一環として実施。毎年、年末に一年の世相を表す漢字とその理由を全国から募集し、最も応募数の多かった漢字を「今年の漢字」として選んでいる。

　二十九年も、十一月一日～十二月五日に募集。全国から十五万三千五百九十四票の応募があり、「北」が七千百四票（四・六三％）を集め一位となった。

　また、二位に「政」、三位に「不」、四位に「核」、五位に「新」、六位に「選」、七位に「乱」、八位に「変」、九位に「倫」、十位に「暴」がそれぞれ選ばれた。

　一位の「北」が選ばれた理由として、度重なる弾道ミサイルの発射や核実験の強行など「北」朝鮮の動向に脅威と不安を感じた年であったことをはじめ、七月に福岡県や大分県を中心とした九州「北」部で記録的豪雨による甚大な被害が発生したこと、「北」海道産ジャガイモの不作でポテトチップが一時、販売休止になったこと、大谷翔平選手の大リーグ移籍など「北」海道日本ハムファイターズに注目が集まったなどが挙げられている。

　二位の「政」は、議員の不祥事など「政」治家の問題が相次いだことや、アメリカのトランプ大統領来日など、国内外を問わず「政」治に大きな動きがあったこと。三位の「不」は、「不」穏な国際情勢や相次ぐ企業の「不」正などが理由に挙げられた。

　「今年の漢字」となった「北」については、「漢字の日」に当たる十二日、清水寺の森清範貫主が揮毫。清水寺奥の院の本尊・三面千手観世音菩薩座像に奉納する儀式を行った。

(解説 2017-12-15付)