【解説】子どもに対する前兆事案―１１月末

（解説 2017-12-18付）

　道警本部は、十一月末現在の「子どもに対する前兆事案」届出受理状況をまとめた。件数は一千三十二件で、前年同期比百四十八件増加した。

　前兆事案とは、子ども（十三歳未満）を対象とする性犯罪などの凶悪犯罪の前兆とみられる声かけやつきまといのこと。

　十一月は、三十四件減の七十件を受理。一月からの累計は、百四十八件増の一千三十二件となった。

　態様別では「声かけ」が四百二件で最も多く、全体の三九％を占めた。以下、「つきまとい」が百六十九件で一六％、「容姿の撮影」が百二十一件で一二％、「痴漢、身体接触」が百二十件で一二％など。

　発生時の子どもの状況は「登下校時」が四百七十一件で四六％、「遊戯中」が百八十一件で一七％、「習い事・友人宅・買い物などへの行き帰り」が百三件で一〇％など。

　発生時間帯は「午後三時台」が二百九十五件、「午後四時台」が二百十四件、「午後二時台」が百八十六件となっており、下校時間帯の午後二～四時台で六八％を占めた。

　発生場所は「道路（通学路を含む）」が七百三十二件と最も多く、全体の七一％だった。

　発生時に子どもがとった行動では、自宅や学校、近くの家、店などに「逃げる」が四一％を占めた。

　道警本部では、不審者に遭遇したとき、防犯ブザーや大声で近くの大人に知らせること、また、身の危険を感じたとき、近くの店や家に避難するよう子どもに指導することを求めている。

　十一月中、事案発生から三十分以内に警察に通報があった案件は全体の三三％にとどまった。早期通報によって、警察官を現場に急行させられることから、子どもから不審者の話を聞いたとき、速やかに通報するよう呼びかけている。

(解説 2017-12-18付)