道公立学校事務長会が新任者対象に資質向上調査 実務的な業務で多忙 コーチングスキル習得を(関係団体 2017-12-19付)
道公立学校事務長会(阿部雅一会長)は、新任事務長を対象に実施した「事務長の資質向上に関するアンケート」調査結果を取りまとめた。事務長が人員不足などによって、事務主任などが担当する実務的な業務にも携わらざるを得ないことに加え、未経験の分掌や管理職としての仕事もあり、日々業務に追われている状況が浮かび上がった。事務長として求められる能力に「決断力・判断力」、資質向上のために有効なものには「コーチングスキルの習得」を挙げる声が多かった。
調査研究部が「人材育成にかかる調査研究」の一環として九月に実施した。
対象は新任事務長三十三人(道立学校三十一人、市町村立学校二人)で回答率一〇〇%。
調査結果をみると、事務長になって初めて携わる仕事は「人事・服務」が最も多く、次いで「栄典」「教員免許関係」など。平均で四項目、最多で八項目と複数の項目を挙げた事務長が多く、校種や経験年数による顕著な差はなかった。調査研究部では「栄典や免許関係など、もっぱら事務長だけが行い、事務職員が経験してこなかった実務が相当数ある」と分析している。
◆人的体制が不十分
事務長の仕事を進める上で十分ではないと感じていることには、六割以上が「事務室内の人的体制」を挙げ、「校内の書類の整理」が続く。「校内の例規や質疑応答などの整備」「校内の財産や物品にかかる情報の整理」も多かった。
事務長になって、想像していた仕事と違うと感じたことでは「各種会議・打ち合わせにかなりの時間をとられる」「総括的な仕事がメーンになるイメージだったが、事務主任未配置ということもあり、実際はかなり実務的な仕事をこなさなければならない」「団体会計業務処理量の多さ。本来業務に支障を来すこともある」「想像と異なるだけではなく、実際に仕事内容が変質しているようだ」など、対外的な対応の多さや実務の膨大さ、過去と比べた状況の変化などを挙げる声が多かった。
管理職の立場になって大変だと思う点には、広い視野をもった状況把握や責任感・判断力が求められることなどへのプレッシャーを感じるとの回答が多くみられた。
◆事務主任の未配置に不安感
また、事務長になって特に困ったこと、不安に思っていることでは、事務主任の未配置や人員不足による業務多忙などが挙げられた。
事務長として求められる能力には、六割近くが「決断力・判断力」を挙げた。「コミュニケーション能力」「実務能力」との回答も多かった。
資質向上のために有効なものには、六割が「コーチングスキルの習得」と回答。次いで「学校組織マネジメントの研修」「コミュニケーションスキルの習得」が多く挙げられた。
求められる事務長像には、いざというときに頼りになり、話しやすく風通しのよい事務室をつくることのできる事務長、危機管理能力があり学校運営上も的確な判断ができ、実務能力も高い事務長など、人間的にも能力的にも優れていることを挙げる声が多かった。
調査研究部では、調査結果をもとに、新任事務長が人員不足による業務多忙に加え、未経験の分掌や管理職としての職務もあって日々仕事に追われ、余裕がもてない状況にあると分析。人材育成に向けた具体的な方策を検討していく考え。
(関係団体 2017-12-19付)
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