70人参加し公開授業研究会 9年間見通した実践へ 八雲町落部小中一貫教育―道教委指定(学校 2017-12-20付)
振り返りでは、野村教諭が数学とのかかわりを説明した
【函館発】本年度、道教委の小中一貫教育支援事業の指定を受けた八雲町立落部中学校(池田公貴校長)と落部小学校(見延誠一校長)は十一月下旬、落部中で小中一貫教育公開授業研究会を開いた。管内の教育関係者約七十人が参加。公開授業や講演を通して、九年間での一貫した教育の円滑な実現に向けて研鑚を積んだ。
この事業は、中学校区において、目指す子ども像の設定と学校関係者・保護者・地域住民間の共有、九年間を通じた教育課程の編成・実施など、地域の実情に応じた小中一貫教育導入の取組を支援することで義務教育の質の向上を図ることが目的。
落部中と落部小では、算数と数学で両校の教員が、音楽の授業では六年生の授業を中学校の音楽教諭がチームティーチングで指導する「乗り入れ授業」の実施を通して、九年間で連続性・系統性を生かす指導の在り方を探っている。
◆5年算数・図形、乗り入れ授業を公開
公開授業は、六年の音楽と五年の算数、中学一年の数学の三授業を公開。このうち、五年生(児童数二〇人、川股己育教諭)の算数「図形の角を調べよう」では乗り入れ授業を公開した。
本時は七時間扱いの三時間目。「三角形の内角の和が一八〇度であることをもとに、四角形の内角の和の求め方を考え、説明することができる」を目標に授業を展開した。
はじめに、前時までの授業を振り返り、どの形の三角形でも内角の和が同じであることを確認した上で、川股教諭が本時の目標を提示した。
続いて、プリントに示された内角の和を求める方法を個人思考したあと、友達のプリントを見て回りながら自分の考え方以外の求め方について意見交流した。そのあと、もう一度個人で考えた求め方を実物投影機で映し出し、全員に発表させた。
児童は「一本の線を引いて二つの三角形にする」「二本の対角同士で線を引き、四つの三角形から求める」などの考えを発表。川股教諭は、児童の発表内容を解説しながら「四角形の角の大きさの和は、三角形に分けて考えることができる」「角の和が三六〇度になる」の二点を確認し、理解を促した。
授業の振り返りでは、落部中の野村直樹教諭が数学の授業と、この日学んだ部分の共通点を説明。「中学校では、三角形や四角形の和は、理解していることが前提になっている」と話し、数学では今の知識を発展させて、より高いレベルの授業が展開されていることを説明した。
公開授業のあと、岩手県大槌町立大槌学園の松橋文明学園長が「小中一貫教育を推進するに当たって」と題して講演した。
(学校 2017-12-20付)
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