紋別高が課題研究発表会開催 ホタテ貝殻使用し浄水器など 3年間の集大成を披露!(学校 2017-12-25付)
研究の内容と成果を発表した
【網走発】紋別高校(新山雄士校長)は十五日、同校で二十九年度課題研究発表会と併せて専門高校Progressiveプロジェクト推進事業(道教委指定)研究成果発表会を開いた。総合ビジネス科と電子機械科の三年生が、ホタテ貝殻を使った浄水器の開発や地元・紋別のPR方法など、これまでの研究成果を披露した。
専門高校Progressiveプロジェクト推進事業は、道教委が二十七年度から研究校八校を指定し推進している。同校では「オホーツク地域資源の再利用方法の検証およびリサイクル装置の開発~ホタテ貝殻資源の活用」を研究テーマに設定。二十三年に発生した東日本大震災を教訓に、被災者支援のために「自分たちに何かできることはないか」と生徒たちが考えたことがきっかけ。地元の特産品であるホタテの貝殻を再利用した雨水浄水器を開発することとした。
発表会には、研究協力者や保護者も駆け付け、一・二年生と一緒に三年生の発表を聞いた。内容は、鉄を使った折り紙の制作、地元の食材を使ったコロッケの開発、紋別の知名度アップへのPR活動、ホタテ貝殻を使った浄水器の開発など。両科合わせて全十二班の生徒たちが三年間にわたる研究の内容と成果を、映像を交えて発表した。
このうち、電子機械科のホタテの貝殻を再利用した浄水器の開発は、科学実験班と粉砕機・水質浄化システム開発班の二班体制で行った。北見工業大学や紋別市水産加工業組合と連携し共同研究を推進。科学実験班は貝殻粉末の成分分析・検証や水質浄化効果の検証など、開発班は水質浄化システムの作製と粉砕機による粉砕方法の実験などに取り組んだ。
また、水産加工施設の見学、工業試験場で貝殻の成分分析や粉砕装置の性能試験運転・検証、浄水実験装置の製作・検証なども実施。その結果、飲料水のレベルには達しなかったが、洗濯などに使用できるまでの水質の確保に成功した。
生徒たちは、大学や水産加工組合などとの共同研究が大いに勉強になったと報告するとともに、装置の改良に向けて意欲を示していた。
講評で北見工業大学の菅野亨准教授は「きょう発表した思いや精神を大切にしてほしい」とアドバイス。道教委高校教育課の八丁正樹指導主事は「課題研究を通して、見通しをもって計画することの大切さや、課題とは何かを考えるよい機会になったと思う。これからの時代は答えのない課題にどう取り組むかといった力が求められている」と述べた。
なお、ホタテ貝殻を再利用した浄水器の開発に当たった電子機械科の生徒たちは、来年一月に旭川市内で開かれる工業クラブ大会に出場することになっている。
この記事の他の写真
浄水器のろ過装置部分
貝殻の粉砕機
(学校 2017-12-25付)
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