札幌市教委が市立高校教育研修会　大分豊府高、函館西高　事例発表　AL先進校から学ぶ

（市町村 2017-12-25付）

大分県立大分豊府高校の佐藤茂教頭らが実践発表

　札幌市教委は十五日、札幌市教育センターで市立高校教育研修会を開いた。市立高校、市立中等教育学校後期課程の「総則」「総合的な学習の時間」「特別活動」の担当教諭など五十五人が参加。大分県立大分豊府高校の佐藤茂教頭、函館西高校の藤島尚子教頭による事例発表を通して、高校教育の改善と充実を図った。

　研修会は、道内外のアクティブ・ラーニング先進校の事例発表を通して、授業改善を含む指導と評価の一体化に向けた情報などを提供し、高校教育の改善および充実を図ることがねらい。

　この日、廣川雅之教育課程担当課長があいさつ。新学習指導要領を踏まえ「これからは、学びの本質である主体的・対話的で深い学びが求められる」と強調。「組織的に取り組み、授業改善していくことが必要」とし「本研修会を今後の教育活動のさらなる改善に生かしてほしい」と呼びかけた。

　続いて、大分豊府高の佐藤教頭が「学校教育改革に向かう高校における思考力・判断力・表現力を育成するための指導方法の工夫改善」と題し実践発表。思考力・判断力・表現力を図る自校の取組について、従来型の講義中心的授業形態から、生徒の主体的な活動や言語活動の充実に向けた授業改善を行ったこと、評価基準を明確化していったことなどを報告した。

　また、学校経営計画や教育目標から、生徒に付けたい力や教科・科目の付けたい力を明確にし、各教科のカリキュラムを作成するなど、資質・能力を育むカリキュラム・マネジメントを実施したことを提示。「シラバスやルーブリック（単元評価計画）に従い、全員が同じ歩調で授業改善を行った」と話した。

　このほか「五教科のみならず、すべての教科を活用する力を育成していく」ため、組織力を強化するとともに、人材育成にも力を入れ「チーム学校」として取り組んでいることや、自校におけるアクティブ・ラーニングなどについて話を進めた。

　このあと、函館西高の藤島教頭が「函館稜北高校における国立教育政策研究所の指定事業“課題解決に向けた主体的・協働的な学び推進事業”の実践から現在まで」と題し、以前赴任していた函館稜北高における実践を発表した。

(市町村 2017-12-25付)