札幌市の30年度予算要求概要―教育関連分 ICT機器等に19・2億 ALT関係費は4・8億盛る
(市町村 2017-12-25付)

 札幌市は、三十年度の予算要求概要を公表した。一般会計総額は対前年度比二・〇%増の一兆百六十七億三百万円。教育関連事業では、新規事業として石狩管内の高校などに通う市内在住生徒に、通学に要する交通費のうち、一万三千円程度の基準額を超える額の半分を助成する高校等生徒通学交通費助成費に一億四百万円を計上した。また、全市立小学校の五・六年生における二十五人程度の算数少人数指導の実施と札幌市独自カリキュラムの整備をする算数にーごープロジェクト事業として、三億九千四百万円を積み上げている。このほか、ICT機器等導入費に十九億二千万円、七人増員するなどALT関係費に四億八千二百万円を要求している。

 札幌市の三十年度予算要求概要のうち、教育関連の主な事業はつぎのとおり(金額単位・万円)。

▼教育委員会

▽学校規模適正化推進費=一、〇〇〇―小規模化が進む学校の規模適正化の検討

▽教育の情報化推進費=一九二、〇〇〇―授業用タブレットPCなどのICT機器やデジタル教材の整備など

▽地域ぐるみの学校安全体制整備推進費=一、二〇〇―スクールガードリーダーによる学校の巡回指導など

▽読書チャレンジ・図書資源ネットワーク事業費=一五〇―各小・中学校への市立図書館蔵書貸出など

▽学校給食費=一二〇―学校給食の調理くずや残食の堆肥化およびその堆肥で育てた野菜の学校給食への提供ならびに教材園などでの栽培活動を通じた食育・環境教育の充実

▽家庭教育推進費=一、二〇〇―家庭教育の普及啓発強化、家庭教育学級の開設、講演会など

▽野外教育費=九四〇―林間学校など

▽地域活動推進費=八、五〇〇―学校図書館地域開放事業一一九校、サッポロサタデースクール三五校、知的障がい者のための教室事業四団体

▽青少年科学館活用推進費=一、一〇〇―理科授業プログラムの構築・プラネタリウム番組の制作、科学館の活用に関する基本構想の策定

▽学校新築費=二二三、一〇〇―石山緑小三階五、七七四平方㍍(普通一二教室、特別一〇教室、特別支援二教室)、屋内運動場一、三五八平方㍍。芸術の森地区新設小新築工事実施設計・校地粗造成

▽学校増築費=五二、九〇〇―桑園小四階八四六平方㍍(普通四教室、特別二教室)。あいの里西小三階五七六平方㍍(普通三教室)。円山小・札苗緑小・西宮の沢小の実施設計など

▽学校改築費=六二六、三〇〇―中央小五階八、九二七平方㍍(普通二四教室、特別一〇教室、特別支援二教室)。栄西小三階六、〇二七平方㍍(普通一三教室、特別一一教室、特別支援二教室)、屋内運動場一、三五八平方㍍。澄川小三階六、七四四平方㍍(普通一六教室、特別九教室、特別支援二教室)。東白石小三階六、二五七平方㍍(普通九教室、特別一一教室、特別支援二教室)。羊丘小三階六、一二七平方㍍(普通一三教室、特別一〇教室、特別支援二教室)。発寒西小四階八、四七九平方㍍(普通二五教室、特別一一教室、特別支援二教室)。中の島小・中央中のグラウンド造成。新陽小・発寒南小・栄中の実施設計など

▽学校基本設計費=七、四〇〇―本町小、二十四軒小

▽武道場整備費=四四、五〇〇―新琴似中外構など。上篠路中・前田中新築など。新陵中・北野台中・常盤中の実施設計など

▽学校給食施設整備費=四四、六〇〇―栄南小給食棟増築、みどり小実施設計

▽学校用地取得費(新規)=二三、九〇〇―本町小近隣・芸術の森地区新設小

▽特別支援学級整備費=二、五〇〇―小学校二八校(うち初度調弁のみ二三校)、中学校一一校(うち初度調弁のみ七校)

▽施設改修等整備費=六一五、三〇〇―緊急整備(小学校延べ一〇七校、中学校延べ六二校、高校二校)。トイレ洋式化改修一九校、煙突改修三五校三九本

▽リニューアル改修費=三一八、四〇〇―小学校基本設計五校、実施設計一校、工事五校。中学校実施設計四校、工事五校

▽学校規模適正化関係改修等整備費=五七、〇〇〇―上野幌南地区新設小改修、上野幌・青葉地域北側地区新設小改修実施設計

▽義務教育児童生徒遠距離通学助成費=五、一〇〇―遠距離通学を行う児童生徒へ通学定期代を助成

▽高校等生徒通学交通費助成費(新規)=一〇、四〇〇―遠距離通学を行う高校生等へ通学定期代の一部を助成

▽初任者研修関係費=五、八〇〇―初任者研修によって授業を行えない教職員の代替要員および校内で初任者研修を行う非常勤講師を配置

▽高校改革費=二、九〇〇―進路探究学習の推進、市立高校合同説明会、大通高の外部人材活用など

▽学校教育指導費=三、〇〇〇―学校支援体制の充実など

▽外国語指導助手関係費=四八、二〇〇―一一四人(増員七人)

▽不登校対策費=八、五〇〇―市内六ヵ所の適応指導教室において、学校復帰に向けた児童生徒を支援

▽算数にーごープロジェクト事業費=三九、四〇〇―全市立小学校の五・六年生における二五人程度の算数少人数指導の実施と市独自カリキュラムの整備

▽特別支援教育費=三、六〇〇―特別な教育的支援を必要とする児童生徒の教育の推進

▽学びのサポーター活用費=一八、五〇〇―特別な教育的支援が必要な子どもに学校生活上の支援を行うため、学びのサポーターなどを配置

▽スクールカウンセラー活用費=二二、五〇〇―いじめや不登校などの課題に対応するために臨床心理の専門的知識を有するスクールカウンセラーを配置

▽スクールソーシャルワーカー活用費=二、五〇〇―学校や関係機関と連携し、問題を抱える子どもや家庭を早期に支援できるよう、スクールソーシャルワーカーの体制を強化

▽読書チャレンジ・子どもの読書活動サポート事業費=六九〇―学校図書館の活用を促進し、児童生徒の読書活動の関心を高めるため、専門的知識を有したアドバイザーや図書館の環境整備などを担うボランティアの派遣など

▽運動部活動外部人材活用費=二、四〇〇―顧問の確保が困難で、運動部の継続または新設が難しい中学校に対し、部の運営と技術指導を行う外部顧問、特別外部指導者を派遣

▽札幌らしい特色ある学校教育費=一、九〇〇―自立した札幌人の育成を目指すため、雪・環境・読書の三つのテーマに沿った事業や学校の夢づくり支援事業を実施

▽相談支援パートナー事業費=九、二〇〇―不登校の子どもや家庭に対して、きめ細やかな支援を行う相談支援パートナー、担当区の小学校の不登校支援についての指導助言などを行う相談支援リーダーを配置

▽進路探究オリエンテーリング事業費=七三〇―専修学校・各種学校と連携し、夏休み期間中に、中学生対象の職業体験講座を実施

▽観察・実験アシスタント事業費=一、二〇〇―小学校における理科の学習の観察・実験活動の充実を目的とし、外部人材を観察・実験アシスタントとして活用

▽いじめ対策自殺予防費=一、一〇〇―教職員への研修、関係機関との連携協力会議の開催、緊急対応ガイドブックの活用

▽課題探究的な学習モデル研究費=四、六〇〇―中等教育学校において、IBカリキュラムや情報通信機器を活用した課題探究的な学習モデルを研究

▽学校図書館司書配置費=四、二〇〇―生徒の読書活動の充実を図るため、学校司書を配置

▽教育センター運営管理費=五、三〇〇―発達に心配のある子どもの保護者からの相談に、より身近な地域で迅速かつ丁寧に対応できるよう、教育センター外における地域相談を実施

▽幼児教育センター関係費=五、一〇〇―幼児教育の水準向上を図るための各種事業や、市立幼稚園九園で預かり保育を実施

▽奨学金支給費=一〇、二〇〇―奨学金支給者数一、三〇〇人

▼中央図書館

▽読書チャレンジ・子どもの読書活動推進費=七二〇―図書館デビュー事業、進路探究オリエンテーション事業など

▽読書チャレンジ・図書資源ネットワーク事業費=二二〇―各小・中学校への市立図書館蔵書貸出など

▼消防局

▽ジュニアバイスタンダー育成費=一、〇〇〇―小・中学生を対象にした救命に関する指導の強化および指導に必要な資器材の購入

▼子ども未来局

▽少年団体活動促進費=一二、八〇〇―少年リーダーの養成などを通じて少年団体活動の促進や支援

▽子どもの貧困対策推進費=一、二七四―困難を抱える子どもや家庭を早期に把握し必要な支援に結び付けるため、各区に配置する支援員による相談支援

▽子どもの体験活動の場支援費=三、三〇〇―旧真駒内緑小の跡施設を活用し、子どもが主体的に体験活動を行う場を提供

▽少年国際交流費=六四〇―シンガポール少年交流事業受入一四人、姉妹都市少年交流事業ノボシビルスク市に派遣一〇人

▽「新・さっぽろ子ども未来プラン」改定費=五三〇―教育・保育および地域子ども・子育て支援事業に関する需給計画の改定にかかる調査など 

▽放課後子ども教室等事業費=一、四〇〇―四ヵ所

▽児童会館整備費=五三、三〇〇―整備工事七ヵ所、実施設計八ヵ所など

▽ミニ児童会館整備費=二、一〇〇―面積拡充一ヵ所

▽私立学校教材教具等整備補助金=九、一三二―小学校一校、中学校七校、高校一九校

▽若者の社会的自立促進費(新規)=五一〇―教育格差解消に向けて、高校中退者などを対象とした学習相談および学習支援

▽私立保育所等補助金=二八九、二〇〇―国の定める基準を上回る保育士等を配置する保育施設に対する補助など

▽私立幼稚園等補助金=六六、一〇〇―特別な教育的支援を要する幼児の保育にかかわる教員の人件費や、教材教具・管理用備品の購入費等を補助

▼市民文化局

▽小学校併設地域交流施設整備費=三二、〇〇〇―小学校の改築に合わせて地域交流施設を併設

▽アイヌ伝統文化振興費=二、六五〇―交流センターイベントの開催、小中高生団体体験プログラムアイヌ民族の伝統的生活にかかる講座など

▽博物館活動センター事業費=九三〇―博物館活動センターを拠点とした博物館活動諸事業、クジラ化石クリーニング業務

▽仮称・札幌博物館整備推進費=三〇〇―整備基本計画の策定に向けた調査・検討

▼スポーツ局

▽スポーツ普及振興費=二、五六〇―市立小中学校などのスキー学習などへの地域スポーツ指導者やインストラクターの派遣、歩くスキー、カーリング普及事業など

▽アスリート活用事業費=一、二〇〇―市立中学校運動部活動へのアスリート派遣やオリンピック選手等を活用したスポーツイベントなどの実施

▽プロスポネットSAPPORO連携費=一五〇―プロスポーツチームと連携した観るスポーツの推進

▽さっぽろっ子ウインタースポーツ料金助成費=八〇〇―小学三年生を対象としたスキー場を利用する際のリフト料金およびスケート場を利用する際の貸靴料金に対する助成

▽ウインタースポーツ塾事業費=一、三〇〇―小学生を対象としたウインタースポーツ教室

(市町村 2017-12-25付)

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