３１年度までに全校で位置付け　小学校英語専門教師配置事業―札幌市教委

（市町村 2018-01-05付）

　札幌市教委は、小学校英語専門教師配置事業について三十一年度末までに英語専門教師を全校に位置付けるため、取組を進めている。外国語活動の授業充実に向けた取組を、中心となって推進する英語専門教師を各学校に位置付けるもの。三十一年度の小学校全二百一校での位置付けに向けて、三十年度は研究推進校十校で学習指導要領改訂の趣旨を踏まえ、これからの小学校外国語活動の在り方を検討するとともに、その成果を各学校へ普及・啓発するなど、取組を進めることとしている。

　同事業は小学生が英語を通じて言語や文化について体験的に理解を深め、発達段階に応じたコミュニケーション能力を身に付けることができるようにするため、英語専門教師を各学校に位置付けるもの。三十一年度までに小学校全校での位置付けを目指している。

　英語専門教師の役割は、外国語活動にかかわる指導計画の作成や専科指導、外部人材活用、校内研修・研究などを推進すること。対象者は「外国語（英語）教諭普通免許を有する者」「札幌市教委が実施した小学校外国語活動推進中核教員養成研修を受講した者」「学校長が英語専門教師としてふさわしいと判断する者」のいずれかで、各学校が所属する職員を英語専門教師として位置付けることとしている。

　二十八年度から事業をスタート。研究推進校十校が英語専門教師の在り方など各学校の参考となるモデルケースを開発したほか、その内容を交流するなど研究を進めてきた。

　二十九年度は研究推進校を十校指定。外国語活動の授業充実に向けて英語専門教師の役割や効果的な活用方法などを記した「札幌市小学校における英語教育推進のすすめ」を活用し、各学校における英語教育のコーディネーターの在り方のほか、移行期間における英語教育の在り方を研究している。

　また、ことし三月上旬には、札幌市教育研究推進事業の小学校外国語活動研究部が開く研修会において、同事業の研究推進校が移行期間の教育実践について発表する予定。このほか、教育課程編成の手引作成委員会で作成した教育課程編成の手引をもとに、移行期間の教育課程について説明するなど、研修会を通して各学校が移行期間における校内体制づくりやカリキュラム作成に向けた充実を図る。

　三十年度は研究推進校十校で学習指導要領改訂の趣旨を踏まえたこれからの小学校外国語活動の在り方を検討するほか、その成果を各学校へ普及・啓発するなど、三十一年度まで全校での位置付けに向けて取組を進めていく。

　また、市教委はこれまで三年間、各小学校における外国語活動推進の中核となる教員の英語指導力向上を図ることを目的に、札幌市小学校外国語活動推進中核教員養成研修を実施。三十年度以降は新たな研修を計画するなど、教職員の外国語教育指導にかかわる資質向上も図っていく。

(市町村 2018-01-05付)