退職手当の削減に抗議 道高教組・道教組が声明(関係団体 2018-01-26付)
道高教組(國田昌男中央執行委員長)と道教組(川村安浩執行委員長)は二十四日、道教委との交渉結果を受け「退職手当削減に断固抗議するとともに、長時間過密労働の解消を求め教職員・家族の生活と教育を守るためにたたかいを強める」とする声明を発表した。退職手当の支給水準を国に準じて引き下げるとする道教委回答に対して「教職員の生活実態を顧みない不誠実な姿勢」と批判。また、教職員の働き方改善には「仕事を減らす」「人を増やす」ことでしか根本的な解決はないと訴えた。声明の概要はつぎのとおり。
◇ ◇ ◇
一月二十四日、道高教組・道教組は退職手当見直しに関する教育長交渉を行い、国追随の「退職手当削減」の全面撤回はもちろん、高年齢層の賃金水準改善や再任用職員の手当・任用改善、十七年間にも及ぶ道独自削減による損失補填、超勤解消など、課題解決が遅々として進まない状況を厳しく指摘し、諸要求実現を迫った。
交渉で柴田教育長は、国家公務員の支給水準引き下げと同様、「調整率」を現行の百分の八十七から百分の八十三・七とする回答を示した。三十五年間、高校に勤めた教員(教育職二級)では、八十一・三万円の削減に相当し、二〇〇六年給与構造改革や二〇一五年給与の総合的見直しによる月例給引き下げ、二〇一三年の大幅退職手当削減によって、すでに約七百万円も引き下げられており、決して容認できるものではない。全道教職員の生活実態を顧みない極めて不誠実な姿勢であり、断固抗議するものである。
一方、他の都府県が、本年度退職者からの手当削減実施に踏み切る中、実施時期は二〇一八年四月一日からと、本年度実施を見送ったことは、全道教職員の声を集めた「怒りのレッドカード」など、私たちの取組を踏まえた、任命権者としての最低限の姿勢が示されたものと受け止める。
私たちは引き続き、「号俸増設」「五十五歳昇給停止の廃止」「高年齢層や再任用者の賃金・処遇改善」などを求め、全道で働く教職員が意欲をもって働くことができるよう、任命権者としての責任を追及していく構えである。
教職員の深刻な超勤改善を主として追求した定員教育予算交渉では「アクションプランを年度内に作成し、時間外勤務の一層の縮減に庁内一丸となって取り組む」との回答を引き出した。過労死ラインを超える長時間過密労働を強いられている教職員が多くいる中で、超勤解消は待ったなしの課題であり、その取組が業務改善や効率化などに矮小化されては、実効ある解消にはなり得ない。教職員の働き方改善は「仕事を減らす」「人を増やす」ことでしか根本的な解決はない。
私たちは、「ゆきとどいた教育をすすめる教育全国署名」の取組を通し、子どもたちやすべての道民と共同のもと、少人数学級の早期実現はもちろん、教育の無償化などの諸要求実現と合わせ、今後とも全道教職員とその家族の切実な願いを結集し、教育の営みそのものを守り抜く取組を強めるものである。
(関係団体 2018-01-26付)
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