雪の学習研究会~冬もグラウンドで体育を 雪プロなど 屋外での体育授業公開 雪玉使ったゴール型ゲーム実施
(市町村 2018-02-02付)

雪の学習研究会
髙橋教諭は、的に雪玉を当てられると思う場所を明確にさせた上で、児童に得点できる作戦を考えさせた

 第十六回「雪の学習研究会~冬もグラウンドで体育しませんか!」が一月二十六日、札幌市立新琴似小学校(小笠原啓之校長)で行われた。学生や教諭など約六十人が参加。今回初めて屋外での体育の授業を公開し、雪を使ったゴール型ゲームを実施した。

 研究会は、身近な雪に関する教材研究や授業考案を行っている北海道雪プロジェクト(=雪プロ)、道教育大学、新琴似小が主催。雪の学習を普及することを目的としている。

 この日、はじめに同校四年二組の体育「ゴール型ゲーム〝スノーシューター〟雪合戦をもとにした易しいゲーム」(髙橋俊成教諭、児童数三六人)を公開。七時間扱いの五時間目で、本時の目標を「雪玉を操作しやすい場所を考えながら移動したり、友達に伝えたりしている」と設定した。

 ゲームでは、攻撃チームが四人、守備チームが二~三人に分かれる。縦二十㍍横十六㍍のコートの後方に、三角柱の的を設置。攻撃側は三角柱の左右の側面に雪玉を当てると得点となる。柱の正面に当てた場合は得点とならないので、回り込んで攻撃する必要がある。守備は攻撃側に雪玉を当てると〝行動不能〟にすることができる。試合時間は六分間で、制限時間内に何度か攻守交代する。

 前時までに、髙橋教諭は児童を六つのグループに分け「みんなが楽しめるように」という考えのもと、基本のルールを改良。攻撃時間や守備の人数・可動範囲、球数制限などが異なる三つのルールを作成させた。

 本時では、準備運動のあと「スキルアップタイム」と題して正しい投げ方を身に付けさせる運動や、雪玉を使った的当て、鬼ごっこを実施した。続いて、前時に三つのルールで交流戦を行ったことを振り返り、攻めづらいと感じた児童が多かったことを報告。その上で、的に「雪玉を当てられる」と思う場所に児童を移動させた。移動した児童に「ここに来られるような作戦を考えよう」と呼びかけ、グループ交流を実施。ホワイトボードを用い、二色のマグネットを守備・攻撃の人間と見立てて、攻める際の作戦を立てさせた。

 グループ交流のあと、三つのコートでゲームを実施。各コートで異なるルールに基づいてゲームを行い、考えた作戦を協力しながら実行する姿や、声をかけ合って笑顔で運動する児童の姿が見られた。

 髙橋教諭は各コートを回って声をかけ、積極的なプレーなどを価値付けしたほか、アドバイスを伝えることで得点しやすい場所を理解させた。

 ゲーム終了後に、本時の振り返りを実施。全体交流では、児童から「相手チームより作戦がうまくいった」「球数制限があったので、使い方を考えた」といった意見が出た。

 このあと、公開した授業を検証。また、雪プロに所属する教諭が雪に関する授業・指導法などを提案したほか、道教育大岩見沢校の森田憲輝教授が「冬の小学生の体力づくりを考える」と題して講演した。

 札幌市教委教育課程担当課の岩田悟指導主事は、授業について、グループ交流の際に「雪中での学習でも、ゴール型のゲームの特性に合わせた作戦を考えるといった主体的・対話的な活動があった」などと話していた。

(市町村 2018-02-02付)

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