道中の29年度生徒指導に関する調査 不登校対策成果など整理 課題意識もった対応が重要性(関係団体 2018-02-06付)
道中学校長会(古谷雅幸会長)は、二十九年度『新・生徒指導に関する調査報告書』をまとめた。従来の調査を見直して新たに実施したもので、本年度は道内二十地区における不登校の状況、未然防止や各段階に応じた取組、成果と課題を整理。校長のリーダーシップのもと、全教職員が組織的に課題意識をもって対応することの重要性を挙げたほか、人員と時間の確保、小・中学校間の連携強化などを課題として挙げた。関係機関との連携では、医療機関やスクールカウンセラーなどの専門的な見解の必要性を指摘している。
道中は本年度、従来行ってきた「生徒指導に関する調査」を見直し、「新・生徒指導に関する調査」を実施した。
二十九年度は不登校、三十年度はいじめ、三十一年度はネットトラブルをテーマに、三ヵ年計画で調査する。全道各地の学校が抱える生徒指導上の課題に対し、校長がどのようなリーダーシップを発揮して課題解決に取り組んできたかを調べ、今後の学校経営の一助とする。
本年度まとめた報告書では、石狩地区など道内二十地区における不登校の状況、未然防止や各段階に応じた取組の内容、成果と課題を報告。また、文部科学省、道教委がまとめた不登校に関する調査結果を掲載している。
まとめでは、各地区の調査結果を踏まえ「校長のリーダーシップのもと、全教職員が組織的に課題意識をもって対応することが不登校の未然防止や改善を図る上で重要」と分析。
組織としての取組や方向性を統一することが生徒との信頼関係を構築する上で有効だったとし、不登校に関する研修が生徒のよさを引き出す指導への意識やスキルの向上につながったことなどを成果として報告。チーム学校としての対応や、市町村教委、適応指導教室、スクールソーシャルワーカーなど、関係機関と連携した取組の効果を伝えている。
課題では、対応するための人員と時間の確保、小・中学校間の連携強化、発達障がいなどの身体的な要因などに対する手立ての必要性などが挙がった。
また、家庭の教育力や保護者の意識が低い場合、対応に苦慮する場合が多いとしたほか「医療機関やスクールカウンセラーなどの専門的な見解が不可欠になってきている」と指摘した。
このほか、校長が学校のビジョンの明確化、管理職のリーダーシップについて意識する重要性を指摘。「学校の理念・ビジョンの明確化」「細やかな実態把握」「教員への動機づけ」「管理職の行動力・実践的指導力」の四テーマのもと、校長が果たすべき役割を挙げている。
(関係団体 2018-02-06付)
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