道教委の第4回全道代表高校長研 「いじめの認知」を重視 北村学校教育局長あいさつ概要(道・道教委 2018-02-08付)
キャリア教育の充実など3点にふれた
道教委主催の二十九年度第四回全道高校長研究協議会(六日、道庁別館)における、北村善春学校教育局長のあいさつ概要はつぎのとおり。
◇ ◇ ◇
現在進められている高大接続改革については、国や関係機関での具体的な動きも出てきており、高校次期学習指導要領については、本年度末には告示予定とのことである。
各学校においては、このような動きを適宜情報収集の上、自校の実態を踏まえて、すでに準備を進めていただいているものと理解している。道教委では、現在の北海道教育の課題や国の動向なども踏まえ、三十年度から三十四年度までの五年間を見通した施策項目を示した新しい教育計画の策定を進めている。
このように、次年度は、まさに、これからの時代を拓く学校教育がスタートする一年となるので、本日は、次年度の教育計画にも反映していただくよう、各担当から説明させていただく事項が多くあるが、私からは、特に、三点について話したい。
▼キャリア教育の充実
第四次産業革命と言われ、技術等が日々変化し、働き方も変わってきている今日の社会やその先の社会の中で、社会的・職業的に自立し、たくましく生きていくために必要となる課題解決能力やコミュニケーション能力のほか、主体性や協働して物事に取り組む態度などを、学校が地域社会等と協働しながら、育てるとともに、生徒一人ひとりのキャリア発達を促すことが一層求められている。
こうしたことから、道教委では、学校と地元の自治体や企業等とが協働して、地域の喫緊の課題を解決するための研究テーマを設定し、生徒が当事者意識をもちながら、地域とともに解決に取り組む新規事業を現在、知事部局と連携して要望している。
本事業は、学校が主体的に計画したプランを道教委に提案し、それを道教委と知事部局で審査し、決定していく形で行いたいと考えているので、各学校が、これまでの地域とのかかわりを基盤に、学校教育の質を一層高めるような気持ちで、積極的に活用していただきたいと考えている。
▼いじめ問題への対応
道教委では現在、「北海道いじめ防止基本方針」の改定作業の大詰めを迎えており、改定した基本方針については、今月中には通知したいと考えている。
今回の改定では、様々な項目を見直しているが、特に重視する項目の一つに、「いじめの認知」を挙げている。
文部科学省でも「いじめの認知件数が多い学校は、いじめの初期段階のものも含めて積極的に認知し、その解消に向けた取組のスタートに立っている」と、極めて肯定的に評価している。
また、先月末、いじめの防止等を議題に行われた北海道総合教育会議において、柴田教育長から「道内における認知率が、全国平均に比べ低いことから、各学校において積極的ないじめ認知が進むよう、いじめの認知の必要性・重要性についてあらためて周知する必要がある」旨の発言があった。
各学校においては、これらのことを踏まえ、いじめであるかどうかを判断することよりも、まずは、いじめと疑われるものすべてに対応することを再確認していただくとともに、年度内には、改定内容を踏まえて自校の基本方針を見直し、すべての教職員がその内容を理解することはもとより、基本方針に基づいた具体的な取組ができる段階にまで至るよう、校内体制の整備をお願いする。
併せて、生徒や保護者への周知についても、確実な方法で実施していただくようお願いする。
▼学校における働き方改革
道教委が、昨年度行った教育職員の時間外勤務等にかかる実態調査の結果では、前回調査や国の教員勤務実態調査と比較して、改善はみられるものの、一月当たりの時間外勤務が長いなどの課題が明らかになっていることから、教員が授業や授業準備等に集中し、健康で生き生きとやりがいをもって勤務しながら、学校教育の質を高めることができる環境づくりに向けて、さらなる取組の充実が喫緊の課題となっている。
こうした状況を踏まえ、道教委では、本年度内に、業務改善の方向性を示した学校における働き方改革「北海道アクション・プラン」を作成することとしている。
作成に当たっては、道立高校の約三分の一に当たる六十七校の管理職や教員と意見交換を行うほか、部活動関係者会議での議論も経るなど、実効性ある取組に向け、市町村教委や学校との連携を図っていきたいと考えており、皆さんの協力に感謝する。
今後においても、学校、家庭、地域、行政が密接に連携し、保護者や地域住民の理解を得ながら、教員が本来担うべき業務に専念できる環境の整備に努めていきたいと考えているので、今後通知させていただく「アクションプラン」の内容を踏まえて、校内の業務改善等を行いながら、時間外勤務縮減の取組を一層推進していただくようお願いする。
以上三点について話したが、道教委としては、今後とも、高校長協会と緊密な連携を図りながら、本道の高校教育における課題の解決に全力で取り組んでいくので、理解と協力をいただくようお願い申し上げる。
なお、道立高校の学校経営支援については、本年度、学校経営の支援を行う主幹を新たに配置するほか、各教育局の次長の同行訪問なども取り入れながら、その充実に取り組んできたが、現在、本年度の取組を検証し、次年度の体制を検討している。
今日、学校においては、これまでの教育課題に加え、新たな課題への対応が求められており、道教委としては、校長先生の経営力を高めることはもとより、学校経営を支援する体制の整備も重要と考えている。決定次第、知らせることとしているので、承知おきいただきたい。
(道・道教委 2018-02-08付)
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