全国体力・運動能力、運動習慣等調査―スポーツ庁 小中・男女とも過去最高値 全国との差縮小―29年度本道分(道・道教委 2018-02-14付)
スポーツ庁は十三日、「二十九年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査」結果を公表した。本道における実技調査の小中・男女の体力合計点は、依然として全国平均を下回っているものの、いずれも過去最高値を記録してその差を縮めた。全国平均を上回った実技は小学校男子の「握力」「立ち幅とび」「ソフトボール投げ」、小学校女子の「握力」「ソフトボール投げ」、中学校男子の「握力」。小学校八種目中、男女ともに六種目、中学校九種目中の男子七種目、女子四種目で全国との差が縮まった。特に、小学校男子の「立ち幅とび」が前年度に比べ大きく伸び、全国平均を上回った。道教委では、市町村教委や学校の取組が成果として現れているとし、学校・家庭・地域・行政が一体となった取組を一層推進するとしている。
同調査は、児童生徒の体力・運動能力の向上に関する施策の成果と課題を検証してその改善を図るとともに、体力・運動能力向上に関する継続的な検証改善サイクルを確立することなどを目的として実施しているもの。
小学校・特別支援学校小学部・義務教育学校前期課程の五年生、中学校・中等教育学校・特別支援学校中学部・義務教育学校後期課程の二年生を対象に、二十九年四月から七月末までの期間に実施した。
本道では、札幌市を含む全道の小学校一千四十三校に在籍する四万一千三十九人、同じく中学校六百二十三校に在籍する四万五百五十人を対象に実施した。
①握力②上体起こし③長座体前屈④反復横とび⑤二〇㍍シャトルラン(中学校は持久走との選択)⑥五〇㍍走⑦立ち幅とび⑧ソフトボール投げ(中学校はハンドボール投げ)―の実技に関する調査のほか、質問紙調査(児童生徒、学校、教育委員会)を行った。
実技調査における各種目の得点を合計した体力合計点(八〇点満点)をみると、小学校の男子が五三・五二点、女子が五四・四八点、中学校の男子が四〇・七〇点、女子が四六・一九点となり、いずれも過去最高値を記録。依然として全国平均値を下回っているものの、差を縮めた。
全国との比較では、小学校の男子が「握力」「立ち幅とび」「ソフトボール投げ」の三種目、小学校の女子が「握力」「ソフトボール投げ」の二種目、中学校の男子が「握力」で全国平均値を上回った。
全国との差を縮めた種目は、小学校が八種目中、男女ともに六種目。中学校が九種目中、男子七種目、女子四種目となった。
特に、小学校の男子で「立ち幅とび」が大きく伸び全国平均を上回った。
児童生徒質問紙調査では「運動やスポーツをすることが好き」と回答した児童生徒が前年度に続き、小中・男女ともに全国平均を上回った。
一方、「運動部(部活動)やスポーツクラブに入っている(所属している)」「家の人から運動やスポーツを積極的に行うことを勧められることがよくある」「授業の最後に、きょう学んだ内容を振り返る活動を行っている」と回答した児童生徒は依然、小中・男女ともに全国平均を下回った。
学校質問紙調査では、「児童生徒の体力・運動能力の向上のための学校全体の目標を、学年としての目標と別に設定している学校」「児童生徒の家庭に対して、子どもの体力向上にかかる説明・呼びかけなどを行っている学校」が前年度に続き小中ともに全国平均を上回った。
道教委は、三月下旬に北海道版の結果報告書をまとめる予定。
◆道教委・柴田教育長のコメント
二十九年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果に関する道教委の柴田達夫教育長のコメントはつぎのとおり。
◇ ◇ ◇
本道の状況は、各種目の得点を合計した体力合計点が小中・男女いずれも上昇するとともに、多くの種目で全国との差が縮まるなど、昨年度に引き続き、改善の傾向がみられる。
道教委では、これまで、全国調査における本道の子どもたちの体力合計点が全国平均を上回るという目標を掲げ、市町村教委や学校、家庭、地域と連携して、子どもたちの体力向上に向けた取組を進めてきており、本年度、目標の達成には至らなかったものの、市町村教委や学校における体力向上の取組が一定の成果として着実に現れてきているものと受け止めている。
今後も、本道の子どもたち一人ひとりに、生涯にわたって運動に親しむ資質や能力を育てるとともに、体力の向上を図るため、引き続き、学校・家庭・地域・行政が一体となった体力向上に向けた取組を推進していく。
教育関係者や保護者の方々はもとより、広く道民の皆さんの理解と支援をいただくよう、よろしくお願い申し上げる。
(道・道教委 2018-02-14付)
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