【解説】少年非行・児童虐待などの状況

（解説 2018-03-12付）

　警察庁が八日に発表した「二十九年における少年非行、児童虐待および子どもの性被害の状況」によると、児童虐待・児童ポルノ事件の検挙件数・人員は、統計開始以来、最も多かったことが明らかになった。

　刑法犯少年の検挙人員は、前年比四千七百十九人、一五・〇％減の二万六千七百九十七人。十四年連続で減少した。

　学職別では、高校生一万二百九人が最も多く、以下、中学生六千二百二十一人、有職少年四千九百二十八人など。罪種別では、窃盗犯が一万五千五百七十五人で最多。そのうち、非侵入窃盗が一万六十二人と三分の二を占めた。

　児童虐待の検挙件数は、五十七件、五・三％増の一千百三十八件、検挙人員は、六十三人、五・七％増の一千百七十六人で統計開始以来最多。被害児童数は、六十人、五・四％増の一千百六十八人で、そのうち五十八人が亡くなった。

　態様別の検挙状況は、暴行や傷害など身体的虐待が九百四件、強制わいせつなど性的虐待が百六十九件、保護責任者遺棄など怠慢・拒否が二十一件、暴力行為など心理的虐待が四十四件。検挙された一千百七十六人のうち、実父が四百八十八人、実母が三百四人だった。

　児童ポルノ事件の検挙件数は、三百十六件、一五・一％増の二千四百十三件（うちファイル共有ソフト利用二百六十八件）、検挙人員は、百七十二人、一一・二％増の一千七百三人と統計開始以来の最多となった。

　態様別では、単純製造や盗撮製造など製造事件が一千四百十四件、提供・公然陳列事件が七百九十八件、所持等事件が二百一件。検挙を通じて新たに特定された被害児童数は、九十七人、七・四％減の一千二百十六人（男子二百六人、女子一千十人）だった。

(解説 2018-03-12付)