【解説】いじめなどの相談体制
(解説 2018-03-05付)

 文部科学省が設置したSNSを活用したいじめなどに関する相談体制の構築にかかるワーキンググループは「SNS等を活用した相談体制の構築に関する当面の考え方(最終報告案)」をまとめた。

 文科省は、三十年度予算案に、地方公共団体二十五団体のSNSなどを活用した相談体制の構築に必要な経費を計上。相談技法の改善とともに、全国への展開を検討している。

 最終報告案では、SNSなどを活用した双方向による相談の仕組みを中心に、実際に相談を受ける際に留意すべき点を整理した。

 SNSなどを用いた相談は、文字や絵文字などで気軽に伝えやすい一方、音声情報がないため、相手の心理状態が把握しにくいことを指摘。場合によっては児童生徒の了解を得た上で、音声通話に切り替えるシステムの活用を挙げた。

 また、若年層の言葉遣いや絵文字の意味を解釈できる「SNS世代」の学生を組み合わせた相談体制が効果的と指摘。試行実施した長野県では、大幅な相談件数の増加によって大量のマンパワーを要することになったことを踏まえ、AIの活用や最新のコールセンターの技術を参考にするなど、対応を検討する必要性を挙げた。緊急相談の場合、二十四時間子どもSOSダイヤルを自動応答機能などで分かりやすく伝えることが必要とした。

 情報発信の機能の活用に関しては、いじめへの対処方法、各地方公共団体におけるいじめ防止対策の取組など、情報コンテンツを提供することが効果的と指摘。

 このほか、スマートフォンを所有しない児童生徒のための環境整備の必要性を挙げ、相談に使用できるアプリを組み込んだ情報端末を貸与する、特定の場所に共通端末を設置して児童生徒に開放するなどの案を示した。

(解説 2018-03-05付)

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