2校1団体1個人が受賞 釧路局 29年度管内教育実践表彰
(道・道教委 2018-03-15付)

 【釧路発】釧路教育局は、二十九年度釧路管内教育実践表彰の受賞者を決定した。学校教育では、コミュニティ・スクールを生かした実践によって釧路市立中央小学校、校種間のつながりを大切にした教育活動などが評価された阿寒高校の二校、社会教育では、釧路ジュニアジャズオーケストラと釧路市PTA連合会長の住尾盛氏が受賞した。あす十六日以降、各学校などで受賞者に表彰状を授与する。

 受賞者の功績概要はつぎのとおり。

◆学校教育

▼釧路市立中央小学校(大山稔彦校長)=「コミュニティ・スクールを生かした実践~地域とともにある学校づくり」

 二十七年度から「次代の釧路を考えられる子ども」の育成を目指し、コミュニティ・スクールの指定を受け、地域コーディネーターを中心とした体制整備や地域の人材および施設の活用など、学校と地域が力を合わせて子どもの成長を支える学校づくりに努めている。

 特に、地域と連携した登下校の見守り活動やラジオ体操の取組などを通して、子どもの安全・安心な生活の保障や健全育成を図るとともに、学校支援ボランティアを活用して、朝の活動における読み聞かせや放課後の学習指導に取り組むなど、子どもたちの確かな学力や豊かな情操の育成に大きな成果を上げている。

 また、地域の教育資源の活用や関係機関などとの連携を図り、地元の商店街などにおける職場体験や、農協や漁協等との協力による食育指導を実施するなど、地域の特色を生かした多様な体験活動等の実践は、高く評価されている。

▼阿寒高校(植村泰雄校長)=「地域性・広域性を生かした実践~幼小中学校との連携と地域に根ざした教育活動」

 二十年度から、阿寒町四校(幼小中高)連携事業に取り組み、地域が一体となる校種間のつながりを大切にした教育活動を積極的に推進するとともに、地域を一つの柱とした「丹頂プラン」に基づいた学校経営による地域に貢献する人材の育成に努めている。

 特に、地域巡検などの体験活動を取り入れた環境教育など、ESD(持続可能な開発のための教育)の実現に向けた教育活動は、二十七年一月にユネスコスクールの認定を受けるとともに、台湾への海外見学旅行を通じた国際理解教育の取組においても、将来を担う人材を育成する上で大きな成果を上げている。

 また、二十五年度から文部科学省の指定を受け、北海道の広域性を踏まえ、小規模校の教育水準の維持向上を図るため、遠隔授業システムを活用した授業による単位認定の在り方などについての研究開発に取り組む実践は、高く評価されている。

◆社会教育

▼釧路ジュニアジャズオーケストラ(代表者・成澤祥明氏)=「幅広い世代で取り組む音楽活動を通した芸術文化の振興に貢献」

 十一年度から音楽活動を通した地域の文化発展を目指し、日本を代表する音楽家と共演するコンサートを毎年開催するとともに、二十年度からは、釧路ジュニアジャズオーケストラと改め、釧路管内における芸術文化の振興に努めている。

 特に、二十年度以降は、中学生やオーケストラOBでもある高校生・社会人によるビッグバンドを編成し、幅広い世代が互いにコミュニケーションを取りながら演奏技術を研鑚するとともに、自己表現の楽しさや演奏する感動が体験できる発表を行っており、生涯を通じた文化活動の推進に寄与する大きな成果を上げている。

 また、青少年が文化活動へ参加する機会を創出し、地域住民が音楽に親しみ、音楽を愛する心を育てることを目的として、釧路市内にある複数の中学校・高校の百八十人を超える生徒がお互いに交流しながら演奏をつくり上げて発表する実践は、高く評価されている。

▼住尾盛氏(釧路市PTA連合会長)=「地域ぐるみで子どもを育てる体制づくりの促進に尽力」

 二十四年度からの六年間、釧路市PTA連合会長として釧路市内の家庭や地域社会を取り巻く様々な課題の解決を図るため、学校・家庭・地域が連携・協働しながら、地域ぐるみで子どもを育てる体制づくりの促進に努めている。

 特に、家庭におけるスマートフォンやインターネットの利用などに関する今日的な課題に対しては、使用する時間や時間帯などについての統一的な家庭のルールを作成するとともに、民間団体とも連携して普及・啓発するなどして、子どもたちの望ましい生活習慣の定着に向け、PTA主体の取組として大きな成果を上げている。

 また、いじめ問題に対しては「いじめは絶対に許さない」という強い意志をもち、釧路市PTA連合会として子どもたちや家族、教職員が果たすべき役割について提言を行い、広報紙によってすべての保護者に周知した実践は、高く評価されている。

(道・道教委 2018-03-15付)

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