上川町の30年度教育行政執行方針 上川小・上川中にCS導入 外国語指導助手を1人増員
(市町村 2018-03-15付)

上川町教委中野俊和
上川町教委・中野俊和教育長

 【旭川発】上川町教委の中野俊和教育長は、二日開会の町議会第一回定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。三十年度から学校運営協議会を上川小学校・上川中学校に導入し、学校と地域が連携・協働して学校・子どもたちを応援していく環境をスタートさせる。外国語指導助手について、現在、JETに一人の増員を要請中で、小学校の外国語授業の対応や幼児から高校生までの外国語教育の充実に努めることなどを表明した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育の振興

▽教育課程と学力向上

 学力向上については、全国学力・学習状況調査の結果などによる実態把握・分析を行い、指導方法の改善に努めるとともに、習熟度別や少人数指導、チーム・ティーチングなどきめ細かな授業を行うため、町独自の臨時教員を継続的に配置し、対応する。

 また、新学習指導要領の実施を見据え、小学校中学年からの外国語授業を前倒しして実施するほか、ICT環境の整備を図る。

 併せて、朝学習・読書活動・放課後学習などの継続や中高生に対する漢字・数学・英語などの各種検定奨励事業の充実を図る。

▽特別支援教育の推進

 教育支援委員会においては、就学時に限らず、就学前からの教育相談など支援体制を構築し、就学後も一貫性のある適切な助言などの教育支援を行う。

 さらに、日常的に学校や幼稚園、保育所などとの連携を密にし、支援や指導体制の充実を継続的に図る。

▽国際化社会への対応

 外国語指導助手については、三十年度一人の増員をJETに要請中であり、小学校の外国語授業の対応をはじめ、幼児から高校生までの外国語教育の充実に努める。

 交流事業については、本年度はカナダ、ロッキー・マウンテン・ハウス町から生徒を受け入れ、交流事業を継続し、豊かな国際感覚と世界的視野に立ち、主体的に行動できる人材育成を推進する。

▽体力の向上と健やかな身体の育成

 全国体力・運動能力、運動習慣等の調査結果による実態把握・分析に基づき、小中連携による一貫した指導対策の強化を図る。

 食育の推進については、子どもたちに望ましい食習慣を身に付けさせるため食に関する指導の充実を図るとともに、地場食材の使用に努める。

 なお、三十年二月に完成した新給食センターでの給食提供については、二学期八月からを予定。今後とも、安心・安全でおいしく栄養バランスのとれた給食を提供する。

▽教育環境の整備

 小・中学校における教材備品や一般備品の購入については、計画的に進める。

 保護者負担の軽減を図るため、小学六年生・中学三年生への修学旅行費助成事業や小・中学校の児童生徒の給食費の無償化を継続し、子育て環境の向上を図る。

 さらに、学校と地域が連携・協働して学校・子どもたちを応援していく環境を目指して、学校運営協議会(コミュニティ・スクール)を小学校・中学校に導入する。

 小・中連携については、目指す子ども像に基づき義務教育九年間の指導を行う中で、望ましい学習習慣や生活習慣を定着させるために一層の充実を図る。

 また、連携型中高一貫教育については、これまでの経過を踏まえながら、中高六年間のキャリア教育を中心に系統的に展開されるよう引き続き支援する。

▽安全確保・いじめ・体罰防止

 学校においては、いじめ防止、早期発見・対処方法など、組織的な対応を定めている基本方針に基づき定期的にアンケート調査などによる実態把握に努め、いじめの疑いがある場合には、特定の教職員が抱え込むことなく、組織的かつ速やかに対応するよう努める。

▽教職員の研修促進

 学校教育の成果は、直接の担い手である教職員の資質・能力に負うところが極めて大きいことから、引き続き町教育研究会などへの支援や校内研修の充実、各種研修会・研究会への積極的な参加を促す。

 特に、児童生徒の学力向上が求められていることから、道外の先進地に引き続き教員と事務局職員を派遣する。

▽高校教育の推進

 上川高校については、連携型中高一貫校として、さらに魅力ある学校づくりを推進するため、引き続き支援する。

 また、二間口確保施策として、近隣中学校の訪問活動や一人十万円の入学準備金・通学費などの助成を引き続き実施する。

▼社会教育の振興

▽生涯学習の推進

 学校・家庭・地域社会が相互に連携し、町民一人ひとりの主体性や意欲を尊重するとともに教育・文化・スポーツ活動の推進に努め、「いつでも・どこでも・だれでも」が心豊かに学ぶことができる住民ニーズに応じた幅広い事業を推進する。

 そのため、二十九年度に策定した第九次町社会教育中期振興計画に基づき、関係団体などとの連携・協働による各種講座や教室、つどい、大会の実施と指導者の養成に努める。

 特に、本年度は、社会教育の専門的知識・技能を修得するための社会教育主事講習に職員を派遣する。

 さらに、教育相談や生涯学習通信『L,S(エルズ)』などによる情報提供を行い、町民のニーズに応える。

▽幼児・少年期社会教育の推進

 家庭教育の支援として、未就学児の保護者を対象に家庭教育学級を開設し、子育て支援センターとの連携を図る。

 少年期においては、子ども会リーダー研修会、自然体験学校、チビッ子チャレンジランキングなどを実施する。

 学習習慣の定着と学ぶことの楽しさや大切さを体得してもらうため、夏と冬の長期休業中に小学生を対象とした上川ジャンプアップひろばを引き続き実施する。

 また、学童保育センターの児童を対象とした体験型学習・放課後かみかわ教室、「早寝・早起き・朝ごはん」を意識した生活習慣の習得と自ら行動できる力や集団生活での協調性を養うかみかわ通学合宿、中学生を対象に学習支援事業として地域未来塾を開催する。

 学童保育センターについては、引き続き上川小学校内に開設する。

(市町村 2018-03-15付)

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