「教えて考えさせる」授業展開 岩見沢市の30年度教育行政方針(市町村 2018-03-16付)
岩見沢市教委・三角光二教育長
【岩見沢発】岩見沢市教委の三角光二教育長は五日、市議会定例会で三十年度教育行政方針を説明した。学校教育については、「教えて考えさせる」授業スタイルを展開し、日常授業の改善を図るとともに、「傾聴・受容・共感」による信頼関係に基づく学級集団づくりに努める。学校給食では、完成した新調理所の機能を活用するなど食育の充実に取り組んでいく。
教育行政方針の概要はつぎのとおり。
▼学校教育の推進
▽新しい時代に対応できる力の育成
子どもが自ら未来を切り開いていく上で必要な資質・能力を育成するために、主体的・対話的で深い学びを通して、確かな学力の定着を図っていく。そのため、「教えて考えさせる」授業スタイルを市内の小・中学校で展開し、日常授業の改善を図るとともに、学力向上の基盤となる「傾聴・受容・共感」による信頼関係に基づく学級集団づくりに努めていく。また、学校が企画・立案する学力向上に向けた取組などを積極的に支援していく。
高度情報化社会を担う人材を育成するため、ICTによる情報活用能力を高める教育活動を推進するとともに、「英語が話せる岩見沢の子ども」の育成に向けて、外国語指導助手を有効に活用し、外国語教育の充実を図っていく。さらに、大学の教員による出前授業や協力授業など、道教育大学岩見沢校との連携を図った教育活動を推進していく。
▽豊かな人間性と健やかな体を育成する教育の推進
子どもたちの自尊感情や自己有用感を育むピア・サポートの取組を展開するとともに、誰もが達成感のもてる授業づくりを推進していく。また、子どもたちの豊かな感性と想像力を育むため、体験活動や読書活動の充実を図っていく。
子どもに寄り添う積極的な生徒指導に努めるとともに、道徳教育を推進し、命を大切にする心や他人を思いやる心、美しいものや自然に感動する心、礼節や規範意識を育てる教育を充実し、豊かな人間性を育んでいく。
また、健やかな体の育成のために、すべての学年で新体力テストを実施し、体育の授業改善と、体力づくりの取組を通して、体力向上や運動の習慣化を推進していく。
子どもに望ましい学習・生活・運動習慣、食習慣などを身に付けさせるために、早寝早起き朝ごはん運動や家庭での五つの約束を基本とした取組を推進していく。さらに、薬物乱用防止教育や防災教育の充実を図り、自らの判断で自分の命を守ることのできる力を養っていく。
▽育ちと学びを支える教育環境の充実
市いじめ防止基本方針に基づく市いじめ問題対策連絡協議会等の組織や、教育支援センターの機能の充実を図り、いじめや不登校の問題をはじめ、悩み・不安をもつ子どもや保護者、学校を支援していく。
また、子ども一人ひとりの発達を保障する特別支援教育、将来の生き方や望ましい職業観・勤労観を育むキャリア教育を一層推進するとともに、学習塾との連携による土曜学習会、囲碁の授業、長期休業中の学び合い広場など、多様な学ぶ場と機会を提供していく。
教育研究所では、学力・体力の向上、教師力・学校力の向上、地域や大学との連携など、教育効果を高めることに重点を置いて調査・研究、養成・研修機能を強化していく。
児童生徒の減少が見込まれる将来において、適正な規模による学校教育が行われるよう検討していく。学校施設の耐震化は中央小学校の改築で完了するが、老朽化対策など施設設備の改修を行っていく。さらに、子どもたちの安全を守るために、児童見守りシステムの利用拡大を推進する。
▽信頼と期待に応える開かれた学校づくり
子どもたちに、未来を生き抜くために必要な資質・能力を育むため、学校・家庭・地域が連携・協働した教育活動の推進を支援していく。また、教育活動や学校運営の改善・充実を図るため、今後も保護者や地域住民の願いを反映させる学校関係者評価を推進していく。さらに、子どもの学びの連続性を大切にした教育活動を展開するため、各校種間での連携・交流を推進していく。
▽緑陵高校の教育の充実
市立高校として、地域のよさを学び地域社会の発展に貢献できる人材の育成を目指し、家庭や地域と連携を図りながら、創意工夫に富んだ質の高い教育を提供し、生徒の社会参画意識を醸成していく。また、普通科普通コース・スポーツ総合コース、情報コミュニケーション科それぞれの特色を生かして、選択幅の広い教育課程を編成・実施し、生徒の多様な進路に対応するとともに、未来を生きるために必要な資質・能力を育成する活力と特色ある学校づくりを推進していく。
▽学校給食の充実
新調理所においてHACCPに基づいた食品の衛生管理を徹底するとともに、新鮮で安全な地元産の食材を積極的に活用し、安全・安心で子どもたちが健やかに成長できる学校給食に取り組んでいく。また、新調理所の施設機能の活用を図り、子どもたちが食に関する正しい知識を習得し、望ましい食習慣を身に付けることができるよう食育の充実に取り組んでいく。
食物アレルギーについては、子どもの命と健康を守ることを最優先に、牛乳や主食での対応を家庭や学校と連携して実施してきた。新調理所においては、副食についてもアレルギー対応食を調理し、喜ばれる給食の提供に努めていく。また、市民が学校給食を身近なものとして感じ、理解を深めてもらえるよう、定期的な試食会や施設見学などに引き続き取り組んでいく。
▼子ども・子育て支援の推進
▽子ども・子育て支援の充実
子どもを預けたい人と預かることのできる人が会員となって支え合うファミリー・サポート・センター事業を新たに開始する。さらに、日常的に医療的なケアを必要とする子どもたちが安心して教育を受けることができるよう、学校などに看護師を配置し、すべての子どもがともに成長できる環境づくりに取り組んでいく。
▽子育て相談体制の充実
安心して子育てができる環境をつくるため、いわみざわ子育て支援センターに療育相談機能を加えて体制を拡充するとともに、誰もがいつでも気軽に相談や支援を受けられるよう、こども・子育てひろば「えみふる」の各部門および児童相談所等関係機関が連携・協力して、子育て相談体制の充実を図っていく。
▽放課後児童クラブの充実
子どもたちに遊びと生活の場を提供する児童館を運営するほか、留守家庭児童が利用する放課後児童クラブの対象学年を六年生まで拡大することに伴い、様々な体験活動をしながら過ごすことができる環境を整備し、子どもの成長を支え、子育てを支援していく。
(市町村 2018-03-16付)
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