国際水準ＧＡＰ教育推進プロジェクト―道教委の新規事業　農業振興担う人材を育成　３校で指導方法など研究

（道・道教委 2018-03-27付）

　道教委は、新年度から国際水準ＧＡＰ教育推進プロジェクトを開始する。地域の農業振興を担う人材育成に向けて、研究指定校三校において国際水準のＧＡＰ認証取得や地域農産物の国際的な取引に関する指導方法などに関する実践研究を推進。関係機関、企業、大学などと連携し、東京五輪の食材調達、グローバルマーケットの進出に関する実践研究を行い、成果を全道に広く普及し、本道の農業教育の充実を図る。

　ＧＡＰ（Ｇｏｏｄ　Ａｇｒｉｃｕｌｔｕｒａｌ　Ｐｒａｃｔｉｃｅ）は、農業において食品安全、環境保全、労働安全などの持続可能性を確保するための農業生産工程管理の取組。

　認証規格の一つ「グローバルＧＡＰ」は、東京オリンピック・パラリンピックに提供する食材の要件の一つにもなっている。昨年十二月の農林水産省の発表によると、全国で認証を取得している高校は道内の岩見沢農業高校、士幌高校を含めて五校となっている。

　北海道ふるさと・みらい創生推進事業の一環として開始するこのプロジェクトは、将来の北海道における地域の農業振興を担う人材を育成するため、国際水準のＧＡＰ認証取得や地域農産物の国際的な取引に関する指導方法などに関する実践研究を行うもの。

　研究指定校として、「道北」「道央・道南」「道東・オホーツク」の三圏域から農業科を設置する道立高校各一校を指定。各校は、生徒に食品安全、環境保全、労働安全などの農業生産工程管理に関する知識・技術などを獲得させるため、国際水準のＧＡＰ認証取得に関する実践研究に取り組む。

　また、関係機関、企業、大学などと連携し、東京五輪の食材調達など、グローバルマーケットの進出に関する実践研究を推進。地域農産物の国際的な取引に関する指導方法などの改善・充実を図る。

　研究の推進に当たって、研究指定校は連携機関と全道的な連絡調整を行うためのＧＡＰ教育推進プロジェクト連絡会議を、インターネットを活用して遠隔で実施。実践的な専門家による講演会を開き、地域住民、関係機関などと生徒が意見を交換するワークショップなども行う。

　また、道教委は各年次の始まりと終わりに、道農業教育グローバル政策会議を開催。重点目標や計画の確認、実践研究の成果と課題などのまとめや検証・改善を行うとともに、専門的な見地から指導助言を行う。

　成果を広く全道に普及するため、研究二年次となる三十一年度に、道ふるさと・みらい創生推進事業フォーラムと併せてプロジェクトの中間成果発表会を実施。三十二年度には、道ふるさと・みらい創生推進事業ミーティングと同時に、プロジェクトの成果発表会を開く予定。

　ＧＡＰ認証の取得、取得に要する研修など、必要な経費については、道教委が予算の範囲内で措置。このほか、現地実習で使用するための情報端末の貸し出しも行う予定。

(道・道教委 2018-03-27付)