道教委が新しい教育計画策定 ふるさと想う力を育成 知事部局と連携し取組推進
(道・道教委 2018-04-03付)

 道教委は、本年度からスタートす北海道教育推進計画を策定した。北海道が目指す教育の全体像を示すもので、計画期間は三十四年度までの五年間。基本理念として「自立」「共生」を掲げ、「社会で活きる力」「豊かな人間性」の育成など六つの目標、三十の施策項目をまとめた。急激な社会の変化や人口減少など喫緊に取り組むべき重点として「ふるさとを想い、グローバルな視野でともに生きる力の育成」「学校・家庭・地域・行政の連携による、人口減少に対応するための教育環境の形成」を設定。多様化・複雑化する諸課題の解決に向け、知事部局と連携した取組を推進する。

 新しい教育計画は、四次にわたる道教育長期総合計画の理念を継承して策定。三十年度から五ヵ年を計画期間とする。本道の将来的な課題を踏まえ、目指す教育の全体像を示している。

 道総合教育大綱で示した「その先を切り拓く北海道人」を育成する理念を踏まえ、前計画に続き「自立」「共生」の教育理念を本道教育の柱とした。

 「社会で活きる力」「豊かな人間性」「健やかな体」の育成、「学びを支える家庭・地域との連携・協働の推進」「学びをつなぐ学校づくりの実現」「学びを活かす地域社会の実現」の六目標のもと、個別、具体的な三十の施策を整理し、計画的に取り組むことを示した。

 各施策項目には、三十四年度までに達成する目標指標を設定。項目「義務教育における確かな学力の育成」では、全国学力・学習状況調査で明らかになった課題を踏まえ、児童生徒が「授業の目標を意識して学び、振り返る活動を行うこと」「記述式の問題で最後まで解答を書こうと努力すること」「学校の授業以外に一日一時間以上勉強すること」を目指す。

 また、喫緊に進めるべき重点施策として①ふるさとを想い、グローバルな視野でともに生きる力の育成②学校・家庭・地域・行政の連携による、人口減少に対応するための教育環境の形成―を掲げ、知事部局との連携を推進して取組を進めるとした。

 重点①では、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善、グローバル化や科学技術、高度情報化の進展など、社会の変化に対応する教育を推進。産業構造の変化に対応できる人材の育成のため、企業・大学などと連携した取組を充実する方針を示した。

 また、ふるさと教育の充実とともに、英語学習に対する興味・関心の向上、豊かな国際感覚の育成を提示。子どもたちの体力向上に向け、学校における体育・保健授業の改善や体力向上の取組を一層推進するとし、学校・家庭・地域が一体となった運動機会の充実に向けた取組を支援するなどとした。

 重点②では、コミュニティ・スクールの導入、教員の時間外勤務の縮減、外部人材の活用など、学校における働き方改革の推進を設定。教員の資質・能力の向上に向けて、大学や市町村教委などと連携を図り、教員の養成・採用・研修の一体的な改革を推める。また、地理的条件などにかかわらず教員が研修機会を確保できるよう遠隔システムを活用するなど、研修を充実する。

 情報教育の分野では、ICTを活用した遠隔授業や交流学習などの取組を推進。家庭での学習習慣の定着や子育てに不安をかかえる保護者、いじめや不登校に悩む子どもと保護者へのサポートなど、家庭教育を支援する環境づくりに取り組む。

 幼児教育の充実のため、教員・保護者などを対象とした研修の実施、幼稚園、認定こども園、保育所と小学校との連携を促進する。

 計画の推進に向けて、広報・広聴活動の充実、点検・評価と次年度以降の施策への反映、関係機関との連携・協力の推進などを挙げている。

(道・道教委 2018-04-03付)

その他の記事( 道・道教委)

自立活動の事例紹介 道教委 通級指導リーフレットを作成

 道教委は、新入生・保護者向けリーフレット『道立高校等における通級による指導』を作成した。高校などにおける通級の指導の基本的な考え方や自立活動の事例を紹介。入学式やPTA総会などで配布し、周...

(2018-04-04)  全て読む

道教委が高校づくりに関する指針策定 3つの視点で具体的施策 33年度以降配置計画から適用

 道教委は「これからの高校づくりに関する指針」を策定した。今後の高校づくりの基本的な考え方と具体的施策を示すもの。活力と魅力ある高校づくり、経済社会の発展に寄与する人材を育む高校づくり、地域...

(2018-04-04)  全て読む

道家庭教育サポート企業等制度 累計締結数2359社に 最多は空知管内の328社―道教委まとめ

道家庭教育サポート企業等制度  道教委は、道家庭教育サポート企業等制度の協定締結企業数(累計)をまとめた。制度を開始した十八年度から徐々に増加し、二十九年度までに二千三百五十九社と協定を締結。職種別では、金融業が五百二十...

(2018-04-04)  全て読む

七重小の取組を紹介 つながる食育推進事業 道教委が実践報告書まとめる

つながる食育推進事業報告書  道教委は、文部科学省から委託を受け実施したつながる食育推進事業の実践報告書をまとめた。七飯町立七重小学校をモデル校として取り組んできた食育授業などの成果を報告。道教委は、資料を活用して栄養...

(2018-04-04)  全て読む

道教委が夜間中学等に関する協議会 生徒の就学機会を確保へ 需要把握目指し調査法など協議

夜間中学等に関する協議会  道教委は三月二十九日、道庁別館西棟で第二回夜間中学等に関する協議会を開いた。公立夜間中学の役割や期待される役割、幅広く需要を把握するための調査の在り方について協議。期待される役割として、中...

(2018-04-03)  全て読む

31年度入選における改善基本方針 道外入学者の受け入れ拡大 実施学校を早期決定へ

 道教委は、三十一年度道立高校入学者選抜における改善の基本方針を示した。道外入学者の受け入れ人数は、従来の推薦入学者の五%程度とし、道内の出願者に影響が出ない範囲で、推薦入学者選抜の合格内定...

(2018-04-03)  全て読む

道立図書館30年度市町村活動支援事業 津別町を重点運営支援 大量一括貸出は36市町村

 道立図書館は、三十年度市町村活動支援事業の実施市町村をまとめた。年間を通して重点的に支援を行う重点運営支援事業は、津別町に決定。運営相談事業は十三市町村、支援貸出事業の大量一括貸出は三十六...

(2018-04-03)  全て読む

6月からスタンプラリー アートギャラリー北海道―道教委新規事業

 道教委は六月から「アートギャラリー北海道スタンプラリー~アートでめぐる、北海道」を実施する。本年度から展開するアートギャラリー北海道事業の一環。連携施設のうち六十五館をめぐって集めたスタン...

(2018-04-03)  全て読む

アートギャラリー連携施設を紹介 道教委がマップ作成

アートギャラリー北海道マップ  道教委は、本年度から展開するアートギャラリー北海道の連携施設をまとめた「ミュージアム・ネットワークマップ」を作成した。全道の美術館、写真館、記念館など計六十九施設の位置をマップで示し、管内...

(2018-04-03)  全て読む

道のほっかいどう未来チャレンジ基金 海外経験を今後の糧に 1期生が知事に活動報告

ほっかいどう未来チャレンジ基金  道は三月二十二日、道庁知事会議室で、高橋はるみ知事とほっかいどう未来チャレンジ基金第一期生との懇談会(帰国報告)を行った。海外挑戦を終えて帰国した一期生のうち六人が参加し、髙橋知事に活動成...

(2018-04-03)  全て読む