東川町30年度教育行政執行方針 「グローブ」を新教科に 学校給食で世界の料理提供(市町村 2018-04-06付)
東川町教委・林万里教育長
【旭川発】東川町教委の林万里教育長は、三月上旬開会の第一回定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。二十九年度に文部科学省の委託事業・研究開発学校制度の指定を受けた新領域「グローブ(Globe)」について、初等中等教育段階における国際教育の再構築などを目指し、三十年度から新教科としてカリキュラムに組み込み、町独自の国際教育を推進することを表明。食育のさらなる推進に向け、世界の料理を学校給食に提供する「給食で世界を旅しよう!」を展開していく。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【基本方針】
「ひがしかわから世界を見つめ、地域とつながり、未来を創造する人材の育成」
▼重点Ⅰ=ふるさと教育の推進
町の歴史や文化、先人の功績など東川のよさをしっかり学び、将来にわたってふるさとに対し誇りをもつことができる人材の育成を目指す。
▼重点Ⅱ=学力向上対策の推進
授業についていけない子を一人もつくらないという信念のもと、子どもたち全員の学力を保障し、将来の選択肢が広げられるよう、学校、家庭、地域、行政が一体となった学力向上の取組を進める。
▼重点Ⅲ=国際教育(研究開発学校)の推進
前年度、文科省の国際教育に関する研究開発学校の指定を受け、四年間で次期学習指導要領の実証的資料を提供する。大変意義深く、責任を伴う研究に取り組むものである。
テーマは「文化や価値観などの異なる人々とよりよい人間関係を構築できる資質・能力を育成するための、幼・小・中・高におけるグローバル化に対応した教育環境づくりを柱とした教育課程(カリキュラム)の研究開発」である。
三十年度からは、ローカル、グローバル、コミュニケーションで構成される「グローブ(Globe)」を新たな教科としてカリキュラムに組み込み、写真の町の地域資源を最大限に活用し、町独自の国際教育を推進する。
【主要施策】
▼就学前教育(乳幼児保育・幼児教育)の推進
資質能力の育成に当たっては、遊びを通しての総合的な指導によって一体的に育み、小学校との円滑な接続に努める。
さらに、プレスクール、スポーツ活動の一層の充実を図るとともに、絵本の読み聞かせを家庭や地域との連携によって推進する。
▼学校教育の推進
▽コミュニティ・スクール推進体制の構築
コミュニティ・スクールについては、二十九年度までに全小・中学校に導入済み。三十年度は事業をさらに発展させるために、文科省の教育委員会を対象にしたコミュニティ・スクール推進体制構築事業の指定を受け、地域とともにある学校づくり体制を構築する。
▽組織力・学校力の向上
チーム学校の確立については、スクールソーシャルワーカーや部活動指導員などの専門スタッフを配置して、学校全体で機能を発揮できる体制を整える。
▽個に応じたきめ細かな授業の推進
学習支援員、教育補助員、特別支援教育支援員などを配置し、児童生徒の実態に応じた習熟度や少人数による指導などのきめ細かな授業を実施する。
その取組として、①習熟度別および少人数指導(小・中学校)②放課後学習・ゆめスクール(小学校)と地域未来塾(中学校)③外国人子弟などに対する学習支援(小・中学校)④三十人学級による少人数指導(中学校)⑤放課後学習サポートの充実(中学校)―を実施する。
▽読書活動の推進
学校図書館の蔵書の充実を図るとともに、司書教諭および仮称・学校と創生館の図書館司書等が中心となり、本好きな子を育てる読書通帳の取組やブックトーク事業を積極的に進める。
▽食育の推進
東川小学校の体験農園(水田や畑)や果樹園などで子どもたちが自ら栽培にかかわった米や野菜などを、町内の幼・小・中学校の給食などの食材として活用する。
食材の購入と弁当づくり、さらにあと片づけまでを各家庭で子どもたち自身が行う弁当の日の充実を図るとともに、世界の料理を学校給食に提供する「給食で世界を旅しよう!」を三十年度から本格実施する。
▼学社連携の推進
町学社連携推進協議会が推進母体となり、コミュニティ・スクールと地域学校協働本部が車の両輪となって、地域全体で未来を担う子どもたちを育む。
今後においても、町地域交流センターを拠点として、コーディネーターや地域人材の応援をいただき、農業体験活動や食育授業、放課後子供教室、土曜学習、ゆめスクールや地域未来塾の補習授業、スキーや水泳のボランティア活動など、様々な学社連携事業を積極的に推進する。
(市町村 2018-04-06付)
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