【解説】２９年度英語力調査―文科省

（解説 2018-04-13付）

　文部科学省は、二十九年度英語力調査の結果を公表した。

　無作為に抽出した全国の中学三年生約六万人（国公立約六百校）、高校三年生約六万人（国公立約三百校）を対象に調査した。

　ＣＥＦＲ（ヨーロッパ言語共通参照枠）のＡ１、Ａ２を中心に、聞く、話す、読む、書くことの四技能についてのレベルを調べた。

　中学三年生の英語力の傾向をみると、ＣＥＦＲ基礎レベルのうち、Ａ１上位以上は「聞くこと」が前年度比四・三ポイント増の二九・一％、「話すこと」が、一・九ポイント増の三三・一％、「読むこと」が三・五ポイント増の二八・八％といずれも増加。

　一方、「書くこと」に関しては、Ａ１上位以上が四・〇ポイント減少して四六・八％。無得点者は一一・〇％と四・六ポイント減少したが、一定割合存在している。

　質問紙調査とのクロス集計によって「与えられたテーマに関する簡単なスピーチ」「まとまりのある英語の概要や要点を適切に聞き取る」など言語活動を行っている学校の方が四技能の得点が高いことが分かった。

　高校三年生におけるＡ２レベル以上の割合は、前回調査を実施した二十七年度と比べ「聞くこと」が四・九ポイント増の三三・六％、「話すこと」が〇・一ポイント増の一二・九％、「書くこと」が〇・二ポイント増の一九・七％。「読むこと」は〇・八ポイント減少し三三・五％。

　全体として「話す」「書く」技能が低い。無得点者の割合もそれぞれ一八・八％、一五・一％と一定数おり、一昨年度と同様の傾向が続く。

　文科省では、聞いたり読んだりした内容を話し合うなどの統合的な言語活動を行っている高校の方が、生徒の四技能の得点が高いとしている。

(解説 2018-04-13付)