30年度宗谷管内教育推進の重点―宗谷局が管内公立学校長会議 未来へ責任果たす宗谷教育 社会に開かれた教育課程実現
(道・道教委 2018-04-17付)

公立学校長会議、宮岡局長
宮岡局長は学校マネジメント機能の強化を求めた

 【稚内発】宗谷教育局は十日、宗谷合同庁舎で管内公立学校長会議を開催した。小・中・高校、特別支援学校の校長六十二人が出席。宮岡孝博局長が宗谷管内教育推進の重点について説明。本年度の教育推進のテーマを「未来への責任を果たす宗谷の教育の創造」とし、六つの柱と対応する十一の重点推進項目を掲げた。宮岡局長は「学校運営の改善に向けて保護者や地域と学校経営方針を共有し、社会に開かれた教育課程の実現に努めてほしい」と学校マネジメント機能の一層の強化を呼びかけた。

 宮岡局長の説明内容はつぎのとおり。

【はじめに】

 管内においては、これまで「未来への責任を果たす宗谷の教育の創造」に向けて、学校が地域社会と連携・協働し、社会とのつながりの中で学ぶ「社会に開かれた学校」づくりに努めるとともに、管内が一体となって、ふるさと宗谷を愛し、地域の発展に主体的に貢献する子どもを育成してきた。

 校長の皆さんには、てっぺん宗谷の地の豊かな自然や文化などを積極的に活用し「地域とともにある学校づくり」を進めるとともに、管内が一丸となって第五回宗谷管内教育研究大会稚内大会を成功に導くなど、学校が組織としての機能を発揮し、管内教育の充実・発展に多大な貢献をしていただいていることに心から感謝申し上げる。

▼管内教育推進のテーマ

 現在、情報化やグローバル化といった社会的変化が加速度的に進展しており、私たちには、急激な変化の中で高度化・複雑化した諸課題に対応する教育の創造が求められている。

 このような中、将来の変化を予測することが困難な時代に身を置く子どもたちが自らの夢を切り拓き、自立して生き抜いていけるよう、学校は、確実にその基礎となる力を培い、豊かな学びと成長を保障する場であるとともに、地域コミュニティの拠点としての機能を発揮していくことが期待されている。

 道教委では、新しい北海道教育推進計画を策定し、三十年度から三十四年度までの方向性を示した。本年度、この計画に示された六つの目標に基づき、管内の状況を踏まえた五年間の管内教育推進のテーマの六つの柱を新たに設定した。

 はじめに、柱について説明する。

 柱Ⅰ「子どもの育ちの基盤となる学校づくりの推進」について。

 学校は、学習指導要領を踏まえ、「社会に開かれた教育課程」の理念に基づき、教職員はもとより、学校段階間、学校と社会との間の相互連携を促すなど、教育の質の向上に向けて連携・協働していくことが大切である。

 そのため、管理職が強いリーダーシップを発揮し、マネジメントを機能させた学校改善を図るとともに、組織の一員としての教員の資質・能力の向上を図る必要がある。

 このことを重視し、様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓く子どもの育ちの基盤となる学校づくりを推進するため、柱Ⅰとして設定する。

 柱Ⅱ「持続可能な社会の創り手としての資質・能力の育成」について。

 急激に変化する社会を生き抜くためには、新しい社会に対応する力だけではなく、変化の背景や本質を見抜き、主体的に社会に参画していく力を育成することが大切である。

 そのため、法令や学習指導要領等を踏まえた教育課程を編成するとともに、確かな学力の育成に向け、主体的・対話的で深い学びを実現するカリキュラム・マネジメントを確立する必要がある。

 このことを重視し、学ぶことへの関心・意欲を高め、学習内容を確実に習得させ、持続可能な社会の創り手となる資質・能力の育成を進めるため、柱Ⅱとして設定する。

 柱Ⅲ「主体的に考え判断する心の育成」について。

 これからの時代においては、人生や社会の在り方を創造的に考えることができるよう、豊かな心や人間性を育むとともに、よりよい社会の実現に向けて、多様な価値観の存在を認識し、自ら考え、他者と対話し協働することが大切である。

 そのため、適切な道徳教育の指導計画のもと指導の充実を図り、基本的な倫理観や規範意識を身に付けさせるとともに、ふるさとへの愛着、思いやりや美しいものに感動する心など、豊かな心を育む必要がある。また、いじめの防止や不登校解消に向け、学校が総力を挙げて取り組む必要がある。

 このことを重視し、子ども一人ひとりの感性を高め、主体的に考え判断する豊かな心の育成を進めるため、柱Ⅲとして設定する。

 柱Ⅳ「豊かな人生の基盤となる体の育成」について。

 体力はあらゆる活動の源として、健康の維持のほか、意欲や気力の充実にも大きくかかわることから、体力の向上、健康の確保を進めることが大切である。

 そのため、生涯にわたって健康を保持増進し、豊かなスポーツライフを実現するため、意図的に計画に基づく指導の充実を図り、体力・運動能力を向上させる必要がある。

 このことを重視し、運動やスポーツに親しむ機会の拡充を図り、豊かな人生を創造する基盤となる健やかな体の育成を進めるため、柱Ⅳとして設定する。

 柱Ⅴ「健やかに育てる教育環境づくりの推進」について。

子どもの健やかな成長には、学校だけではなく、家庭や地域社会が教育の場として十分な機能を発揮することが大切である。

そのため、すべての教育の出発点である家庭教育への支援、地域と学校が連携・協働し、一体となって子どもたちを育成する体制を充実する必要がある。

 このことを重視し、学校、家庭、地域がそれぞれの役割と責任を果たし、子どもたちを健やかに育てるための教育環境づくりを推進するため、柱Ⅴとして設定する。

 柱Ⅵ「宗谷らしい生涯学習社会を築く環境整備の推進」について。

潤いある生活と活力ある地域づくりを推進するためには、生涯を通じて積極的に学び、その成果を生かせる環境をつくることが大切である。

 そのため、地域の実態に即した学習環境づくりや学習成果を活用する仕組みづくりなど、生涯学習社会の構築に向けた社会教育の充実を図る必要がある。

 このことを重視し、生涯学習に対する意識の高揚を図り、多くの住民が参画する豊かな生涯学習社会を築く環境整備を推進する。

 なお、管内においては、学校マネジメント機能の強化を一層図っていただくことを重視し、北海道教育推進計画では、目標5に示されている学校づくりを柱Ⅰに据えている。

 この六つの柱に基づき、本年度、十一の重点推進項目を設定し、オール宗谷で確実に取組を推進していきたいと考えている。学校、市町村教委、教育局が軌を一にした取組を力強く進めたいと考えているので、理解と協力をお願いする。

それでは、本年度の宗谷管内教育推進の重点について、六つの柱から申し上げる。

【柱Ⅰ 子どもの育ちの基盤となる学校づくりの推進】

 柱の一つ目「子どもの育ちの基盤となる学校づくりの推進」における重点推進項目の一点目は「学校運営の改善」である。

 各学校では、複雑化・多様化する課題を解決し、子どもに必要な資質・能力を育むため、管理職のリーダーシップのもとで、教職員がそれぞれの力を発揮し、伸ばしていくことができる学校づくりが求められている。

 管内においては、学校評価を通して自校の課題の明確化し、連携・協働した取組を推進しているものの、ショートスパンでの検証改善サイクルの確立や、地域や保護者に学校の取組の方針を示した教育実践が十分ではない状況もみられる。

 このことから、地域や子どもの実態を踏まえた包括的な学校改善などが解決していく課題である。

 そのため、具体の方策として「地域や子どもの実態を踏まえた明確な方針に基づく包括的な学校改善の推進」などに重点的に取り組み、学校運営の改善に向け、検証改善サイクルを確立した取組を組織的・計画的に進めるとともに、保護者や地域住民と学校経営方針を共有し、「社会に開かれた教育課程」の実現を図る取組の推進に努めるようお願いする。

 二点目の重点推進項目は「教員の資質・能力の向上」である。

 学習指導要領の改訂を踏まえ、教員には、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善など、新たな課題に対応できる力量を高めることが求められている。

 管内においては、校内研修などでワークショップの手法を取り入れたり、すべての小・中学校で授業公開を行ったりするなど、教員の指導力向上の機運が高まってきている状況がみられる。

 しかし、二十九年度の全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙調査の中で「授業の内容がよく分かる」と回答した子どもの割合が中学校国語を除き、全国・全道を下回っており、研修の成果が日常の授業改善に結び付いていない状況がみられる。

 また、教職員の服務規律の保持については、日ごろから意識の高揚を図っていただいているが、昨年度も、重い懲戒処分事案が発生しており、憂慮すべき状況となっている。

 このことから、実践的指導力など、教員として身に付けるべき資質・能力の育成などが解決していく課題である。

 そのため、具体の方策として「教員育成指標を踏まえ、教員として身に付けるべき資質・能力の育成を図るプランの作成」などに重点的に取り組み、困難な課題に同僚と協働し、地域と連携して対応できる教員や社会からの尊敬・信頼を受ける教員の育成に努めるようお願いする。

【柱Ⅱ 持続可能な社会の創り手としての資質・能力の育成】

 柱の二つ目「持続可能な社会の創り手としての資質・能力の育成」における重点推進項目の一点目は「確かな学力、これからの時代に求められる資質・能力の育成」である。

 変化の激しい社会を生きていくため、子どもたち一人ひとりの可能性を伸ばし、確かな学力を身に付けることができるよう、基礎的・基本的な知識および技能の習得と、思考力、判断力、表現力などの育成、主体的に学習に取り組む態度の涵養を目指す教育の充実が求められている。

 管内においては、二十九年度全国学力・学習状況調査の学校質問紙調査において、PDCAサイクルを確立して教育課程を編成した学校が小学校で改善傾向である一方、中学校で減少しており、確かな学力を身に付けさせるための組織的な取組が十分とは言えない状況がみられる。

 高校では、「道高校学習状況等調査」における「学習習慣」の項目において、「家庭学習を一度もしない週がある」と回答した生徒が、六〇%を超える状況にある。

 このことから、各種調査などに基づく子どもの実態を踏まえた適切な教育課程の編成などが解決していく課題である。

 そのため、具体の方策として、「法令や学習指導要領、子どもの実態を踏まえた適切な教育課程の編成」などに重点的に取り組み、確かな学力の育成に向け、教職員が一体となった取組を組織的・計画的に進めるとともに、保護者や地域住民とともに、家庭学習の習慣化を図る取組の推進に努めるようお願いする。

 二点目の重点推進項目は「特別支援教育の充実」である。

 小・中学校等において、特別支援学級の在籍者や通級による指導を受けている児童生徒が増加しているほか、通常の学級においても、特別な教育的支援を必要とする児童生徒が一定程度在籍しており、乳幼児期から学校卒業後までの切れ目のない一貫した指導や支援を行う必要がある。

 また、新学習指導要領においては、特別支援学級に在籍する児童生徒や通級による指導を受ける児童生徒については、子どもの実態を的確に把握し、個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成し、効果的に活用することが求められている。

 管内においては、学校間や就学先への引き継ぎにおける「個別の教育支援計画」の活用や、教育的ニーズと必要な支援について、本人・保護者との合意形成を一層適切に図らなければならない状況もみられる。

 このことから、個別の教育支援計画と個別の指導計画を活用した早期からの教育相談・支援の充実などが解決していく課題である。

 そのため、具体の方策として、「個別の教育支援計画と個別の指導計画に基づく切れ目のない一貫した指導や支援の実施」などに重点的に取り組み、関係機関と連携し、子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた教育の充実に努めるようお願いする。

【柱Ⅲ 主体的に考え判断する心の育成】

 柱の三つ目「主体的に考え判断する心の育成」における重点推進項目の一点目は「道徳教育の充実」である。

 幼児期の教育を含め、小学校、中学校、高校を通じて、人格の完成および国民の育成の基盤となる道徳性を育てる道徳教育の充実を図ることが求められている。

 また、新学習指導要領の移行期間であることを踏まえ、「考え、議論する道徳」への質的転換を図る授業改善が必要である。

 管内においては、新学習指導要領に基づく道徳教育の充実が図られ、全体計画に基づく教育活動全体を通じた道徳教育の推進が進められている。

 一方で、二十九年度全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙調査において、「学校のきまり(規則)を守っている」と回答した子どもの割合が全国を下回っているなどの状況がみられる。

 このことから、「考え、議論する道徳」への質的転換を図る授業改善などが解決していく課題である。

 そのため、具体の方策として「地域や子どもの実態を踏まえた適切な道徳教育の全体計画および道徳科の年間指導計画の作成」などに重点的に取り組み、物事を多面的・多角的に考え、他者とのかかわりについて考えを深める指導の充実を進めるようお願いする。

 二点目の重点推進項目は「いじめの防止や不登校児童生徒への支援の取組の充実」である。

 いじめは、どの児童生徒にも生じ得るという認識に立ち、ささいな変化や兆候を見逃さず、緊張感をもって積極的に認知することが求められている。

 また、不登校は、早期からの支援が重要であるという認識に立ち、要因を的確に把握し、学校関係者や家庭、関係機関が情報共有し、組織的・計画的に取り組むことが求められている。

 管内においては、積極的ないじめの認知によるいじめの早期発見が進んでいる一方で、いじめの解消率が減少している状況がみられる。

 また、二十九年度全国学力・学習状況調査の児童生徒質問紙調査において、「いじめは絶対に許さない」と回答していない児童生徒がみられるほか、不登校児童生徒の出現率も増加している。

 このことから、子どもの主体性を生かしたいじめ根絶の取組や不登校児童生徒への指導の充実などが解決していく課題である。

 そのため、具体の方策として、「いじめ根絶に向け子どもの力を生かした取組と積極的に認知し解消する組織的な取組の実施」などに重点的に取り組み、いじめの未然防止、早期発見・早期解消に向けた組織的な取組を充実するようお願いする。

【柱Ⅳ 豊かな人生の基盤となる体の育成】

 柱の四つ目「豊かな人生の基盤となる体の育成」における重点推進項目は「体力・運動能力の向上」である。

 体力は、健康の維持のほか、意欲や気力など精神面の充実にも大きくかかわっていることから、子どもたちが運動やスポーツの楽しさや喜びを味わい、生涯にわたって豊かに実践していくことができるよう、学校における体育・保健に関する指導の一層の充実や、学校、家庭、地域が連携した運動習慣の定着や生活習慣の改善のための取組が求められている。

 管内においては、二十九年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の体力合計点が、昨年度と比較して改善傾向にある一方で、中学校の男子を除き、体力合計点が全国平均を下回っている状況がみられる。

 このことから、検証改善サイクルを確立した体力向上の取組などが解決していく課題である。

 そのため、具体の方策として、「運動習慣の確立をねらい、検証改善サイクルを位置付けた全体計画に基づく体力向上の取組の実施」などに重点的に取り組み、子どもたちが積極的に心身の健康の保持増進を図り、生涯にわたる健康で活力ある生活に向け、指導の充実に努めるようお願いする。

【柱Ⅴ 健やかに育てる教育環境づくりの推進】

 柱の五つ目「健やかに育てる教育環境づくりの推進」における重点推進項目の一点目は「学校と地域の連携・協働の推進」である。

 学校が抱える課題は複雑化・困難化しており、学校と地域が目標やビジョンを共有し、一体となって子どもたちを育んでいくため、学校と地域がパートナーとして連携・協働した組織的・継続的な取組が求められている。

 管内においては、すべての市町村で、学校支援活動が行われるとともに、放課後子供教室など子どもの活動拠点づくりが確立されている。今後、一層連携した取組を推進するために、保護者や地域住民が学校運営に参加するコミュニティ・スクールの導入や、地域学校協働活動の推進の取組が必要である。

 このことから、コミュニティ・スクールなど地域が積極的に子どもの成長を支える体制の構築などが取組を進めるための課題である。

 そのため、具体の方策として「コミュニティ・スクールなど、地域が積極的に子どもの成長を支える体制の構築」などに重点的に取り組み、地域社会を構成する一人ひとりが主体的・自主的に子どもたちの教育に携わり、連携・協働できる体制整備に努めるようお願いする。

 二点目の重点推進項目は「家庭教育支援の充実」である。

 近年、核家族化や少子化等の家族形態の変化などを背景に、子育ての悩みや不安を抱えたまま保護者が孤立してしまうなど、家庭教育が困難な現状が指摘されている。

 管内においては、すべての市町村で家庭教育「学びカフェ」や子どもの検診時における学習機会の提供が行われている。今後は、学習機会の内容や、家庭教育や子育てに関する情報提供を充実させる必要がある。

 このことから、子育てに関する学習・相談機会の充実などが取組を進めるための課題である。

 そのため、具体の方策として「関係団体等と連携した家庭教育や子育てに関する学習・相談機会の提供」などに重点的に取り組み、学校、家庭、地域が一体となって、子どもたちの成長を支える活動の充実に努めるようお願いする。

【柱Ⅵ 宗谷らしい生涯学習社会を築く環境整備の推進】         

 最後に柱の六つ目「宗谷らしい生涯学習社会を築く環境整備の推進」における重点推進項目の一点目は「生涯学習の振興」である。

 地域社会においては、年代や職業、障がいの有無などを問わず様々な状況や立場の人々が生涯学習を通して、変化に対応できる知識や技能を身に付け、地域の課題解決や様々な地域活動等に参画していくことが一層重要となっている。

 管内においては、すべての市町村で生涯学習社会の構築に向けた取組を行っている一方で、地域づくりの担い手育成を目的にした事業が十分とは言えない状況がみられる。

 このことから、宗谷のよさを活かした学習機会の提供などが取組を進めるための課題である。

 そのため、具体の方策として「地域づくりをねらい、宗谷のよさを生かした学習機会の提供」などに重点的に取り組み、地域コミュニティの活性化に努めるようお願いする。

 二点目の重点推進項目は「社会教育の振興」である。

 少子高齢化・人口減少の進展や個人の価値観の多様化など、社会を取り巻く環境の変化によって、学習の成果を地域づくりの実践につなげる社会教育の担い手が減少し、地域コミュニティの機能低下が指摘されている。

 管内においては、社会教育主事や図書館司書の研修が行われている一方、市町村によっては社会教育主事や地域のリーダーなど、社会教育指導者の配置や育成が十分ではない状況もみられる。

 このことから、社会教育指導者の意識や専門性を高める研修の充実が取組を進めるための課題である。

 そのため、具体の方策として「社会教育指導者の資質向上や地域課題の解決に向けた活動の担い手を育成する取組の実施」に重点的に取り組み、社会教育の充実に努めるようお願いする。

【結び】

 以上、本年度の宗谷管内教育の推進に当たり、「オール宗谷」で特に力を入れて取り組んでいただきたい重点推進項目と具体の方策について、申し上げた。

 本年三月に高校学習指導要領が示されるとともに、この四月からは小・中学校で移行措置が始まるなど、学校教育は大きな転換期を迎えている。

 変化が激しい現代社会にあって、現在の子どもたちが成長し、生きていく社会は、複雑で予想することの難しい未来が待ち受けているが、こうした変化を前向きに受け止め、よりよい社会と幸福な人生を自ら創り出していく力を身に付けさせることは、教育の使命である。

 これからの学校教育においては、子どもたちに、様々な社会的変化を乗り越え、よりよい人生とよりよい社会を築くための資質・能力を確実に身に付けさせる必要があり、学校を変化する社会に位置付け、社会との連携・協働による「社会に開かれた教育課程」を実現することが大切であると考える。

 校長の皆さんには、子どもの教育を学校教育で完結するのではなく、社会の情勢や地域の実情を踏まえ、社会とのかかわりの中で求める子ども像を明確にした学校経営の推進をお願いする。

 教育局としても、子どもたちが、生まれ育った地域に誇りと愛着をもち、互いに支え合いながら、たくましく生きていく力を身に付けていくために、「自立」と「共生」という北海道教育の理念のもと、本年度の宗谷管内教育推進の重点を校長の皆さんと共有しながら、「連携・協働」をキーワードとして、教育委員会や学校はもとより、関係機関など多くの人と、これまで以上に連携しながら、職員一丸となって管内教育の充実・発展に全力で取り組んでいくので、今後とも、理解と協力をお願い申し上げる。

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稚内教育局公立学校長会議図表
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(道・道教委 2018-04-17付)

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