30年度十勝管内教育推進の重点―十勝局が管内小・中校長会議 十勝らしい学びの実現へ 子どもたちに幸福な人生を
(道・道教委 2018-04-16付)

十勝管内小・中学校長会議・大橋
大橋局長は不退転の決意で学校経営にまい進するよう求めた

 【帯広発】十勝教育局は十一日、幕別町内の十勝教育研修センターで三十年度管内小・中学校長会議を開いた。大橋則之局長が本年度管内教育推進の重点を説明し、推進の重点として「社会で活きる力の育成」「豊かな人間性と健やかな体の育成」など五点を提示。十勝らしい一人ひとりの学びを実現するため「十勝教育の日」の趣旨を生かした取組を推進するよう求めたほか、次代を担う子どもたちが幸福な人生を歩んでいくことができるよう、不退転の決意で学校経営にまい進するよう要請した。

 管内における教育推進の重点はつぎのとおり。

【国・道の教育施策の動向】

 これからの社会は、IoTやビックデータ、人口知能をはじめとする急速な技術革新やグローバル化の一層の進展などによって、大きく変化することが予想され、次代を担う子どもたちには、こうした社会の変化に主体的に向き合いながら、自らの可能性を発揮し、未来を切り拓く力を身に付けていくことが求められている。

 こうした中、本年度は、新しい学習指導要領の移行措置期間となることから、各学校においては「社会に開かれた教育課程」の理念に基づいた教育課程を編成し、実施する必要がある。

 また、道教委では、子どもたちがふるさとへの誇りと愛着をもち、世界に視野を広げ、多様性を尊重し、ともに支え合いながら、将来の北海道を支えるたくましい人材に育っていくことができるよう、本道教育の基本理念や目標、施策の方向性等を定めた新しい教育計画を策定した。

 こうした国や道の動向を踏まえ「確かな学力、豊かな心、健やかな体の調和のとれた育成」「家庭や地域の協力を得た十勝らしい教育の充実」を管内教育推進の二つの基本的な考え方として、各市町村教委ならびに校長との連携を一層深め、教育施策を推進していく。

【十勝管内教育推進の重点】

▼社会で活きる力の育成

 公教育を担う学校には、子どもたちに社会で活きる力を確実に身に付けさせるため、学校全体で教育の質を向上させ、社会にはばたく力を身に付けさせることが求められている。

 学校全体で教育の質を向上し、社会にはばたく力を身に付けさせることができるよう、本年度、特に、取り組んでいただきたいことを二点申し上げる。

 一点目は「学校全体で教育の質を向上する」ことである。このことについて、二項目申し上げる。

 はじめに、「社会に開かれた教育課程の実現」について。

 よりよい学校教育を通じて、よりよい社会をつくるという目標を学校と社会とが共有し、連携・協働しながら学校教育の質を高めていくためには、社会に開かれた教育課程を実現する必要がある。

 教育局としては、義務教育指導監・義務教育指導班による継続的・計画的な指導助言、各学校の課題や要望に応じた指導主事による出前講座の実施、新学習指導要領の趣旨を踏まえた教育課程の編成・実施に向け『教育課程編成の手引』を活用した支援、教育課程の改善に向けて組織的な取組を促進するための組織力強化会議とミドルリーダー指導力向上研修会の開催などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各学校においては「学校の教育目標や教育課程の編成方針を地域や家庭と共有する取組」「〝主体的・対話的で深い学び〟の視点を大切にした授業改善の取組」「学校評価の複数回実施など、短いスパンとスピード感をもって学校運営を見直す取組」を推進するようお願いする。

 つぎに、「検証改善サイクルに基づく組織的な学力向上の取組」について。

 学力向上の取組を組織的に進めていくためには、子ども一人ひとりの学習状況を適切に把握し、指導の改善に生かすとともに、教育活動による成果を組織的に検証し、その姿を保護者と共有していく必要がある。

 教育局としては「検証改善サイクルによって学習規律や学習内容の確実な定着を図るなどほっかいどう学力向上推進事業の成果の普及」「管理職のリーダーシップのもと、全校が一つのチームとなって包括的な学校改善を推進する学校力向上に関する総合実践事業の成果の普及」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各学校においては「全国学力・学習状況調査やチャレンジテスト、NRTやCRT調査、定期テスト・単元テストなどを効果的に活用・分析し、取組の成果を子ども一人ひとりの姿で確認する取組」「学習内容を確実に身に付けさせるための少人数指導やTTによる指導の改善」「授業改善のための授業評価の活用」「学習習慣・生活習慣を確立するための学校の取組を家庭との共有」を推進するようお願いする。

 二点目は「社会にはばたく力を身に付けさせる」である。

 このことについて、二項目申し上げる。

 はじめに「地域の未来を担うグローバルな人材の育成」について。

 変化の激しい社会を生きる子どもたちには、これまで以上に地域の未来を担う人材を育成するという観点を明確にし、ふるさとへの誇りと愛情をもち、新しい時代を切り拓く資質や能力を身に付けた子どもを育成する必要がある。

 教育局としては「小学校外国語活動および外国語科の実施に向けた教員研修の実施」「English Challenge Testの作成と各学校における活用の働きかけ」「市町村が主催するイングリッシュミーティングなど英会話を体験する取組への支援」「北海道の自然や歴史、文化、観光などの理解を深める学習の推進」「小中高の学校間の連携と学びの接続を大切にしたふるさとキャリア教育の推進」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 教育委員会および各学校においては「イングリッシュミーティングなど英会話を体験する取組の推進」「〝北海道みんなの日〟を中心とした北海道や地域の歴史・文化等の学習の実施」「北海道版道徳教材〝きたものがたり〟の活用」を推進するようお願いする。

 つぎに「子どもの教育的ニーズに応じた特別支援教育の推進」について。

 子どもたちがよさや可能性を伸ばし、社会で自立していくことができるようにするためには、これまで以上に子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた指導の一層の充実を図るとともに、就学から就労まで切れ目のない一貫した指導や支援体制を充実させる必要がある。

 教育局としては「幼保・小との連携や特別な教育的支援を必要とする子どもたちの円滑な引き継ぎを行うための福祉と教育の連携の促進」「小学校から中学校、中学校から高校に進学する際の個別の教育支援計画を活用した確実な引き継ぎの実施に向けた指導助言」「特別支援教育にかかる適切な教育課程の編成についての指導助言」「特別支援教育コーディネーターおよび特別支援学級担任を対象とした研修会の実施」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各学校においては「幼稚園や保育所等と小学校、教育委員会、保健福祉部局が情報共有する引き継ぎの実施」「特別支援学級に在籍している子どもおよび通級による指導を受けているすべての子どもについて、合理的配慮を明記した個別の指導計画、個別の教育支援計画の作成」「通常学級に在籍している特別な教育的支援を必要とするすべての子どもについて、合理的配慮を明記した個別の指導計画の作成」を推進するようお願いする。

▼豊かな人間性と健やかな体の育成

 子どもたちの健やかな成長のためには、豊かな人間性を育むとともに、充実した人生を送るための基盤となる健康でたくましい体をつくることが大切である。

 豊かな人間性と社会性を育み、健康でたくましい体をつくることができるよう、本年度、特に、取り組んでいただきたいことを二点申し上げる。

 一点目は「豊かな人間性と社会性を育む」である。このことについて、二項目、申し上げる。

 はじめに「〝考え、議論する道徳〟の授業改善に向けた道徳教育の充実」について。

 豊かな人間性と社会性を育むためには、学校教育全体を通して道徳教育の充実を図ることが大切であり、特に、「特別の教科 道徳」が小学校では三十年度、中学校ではそのつぎの年度から全面実施となることを踏まえ、「考え、議論する道徳」への授業改善を推進する必要がある。

 教育局としては「道徳教育にかかる指導計画の整備状況の把握」「各時間の指導の概要や他の教育活動等における道徳教育との関連を示すなど道徳科(道徳の時間)の指導計画の改善や〝考え、議論する道徳〟への授業改善に向けた教員の授業力の向上、道徳教育推進教師の育成を図る研修会の実施」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各学校においては「学校の教育目標を踏まえた道徳教育の重点の見直しおよび新学習指導要領に基づいた指導計画の作成・改善に向けた取組」を推進するようお願いする。

 つぎに、「いじめやネットトラブル、不登校の未然防止、早期発見・早期解消の取組の充実」である。

 すべての児童生徒が安心して学校生活を送り、自己実現を図るためには、学校が家庭・地域との連携を深め、共通の認識をもって、いじめの未然防止の取組や児童生徒理解を進めていく必要がある。

 教育局としては「〝いじめを見過ごさない子どもを育てる〟をテーマとする十勝管内地域いじめ問題等対策連絡協議会の取組の推進」「十勝教育を考えるつどいにおけるどさんこ☆子ども地区会議や十勝いじめ根絶強化月間(十一月~十二月)と連動した市町村のいじめ防止の取組の推進」「教育相談やネットトラブルの未然防止などに向けた市町村の取組への支援」「スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの派遣」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各学校においては「道の基本方針を踏まえた学校のいじめ防止基本方針の見直しと対策組織の活用」「〝いじめについて考える〟授業や児童会・生徒会が主体となった活動等を位置付けたいじめ未然防止プログラムの改善・充実」「十勝いじめ根絶強化月間(十一月~十二月)の取組の推進」「インターネット上のいじめや不適切な行為を防止するための指導の充実」「関係機関と連携した不登校児童生徒の支援」を推進するようお願いする。

 二点目は「健康でたくましい体をつくる」である。

 健康でたくましい体をつくるためには、子どもたち一人ひとりが自分の体力の伸びを実感するとともに、その成果を保護者と共有していく組織的な体力向上の取組を推進するなど、心身の健やかな成長を促す教育を充実する必要がある。

 教育局としては「〝子どもの体力向上ボトムアップ事業〟の運動大好きプログラムの活用など、子どもたちの運動習慣の定着に向けたどさん子体力アップ強調月間(十月)の推進「小学校体育専科教員活用事業や子どもの体力向上ボトムアップ事業等の実践事例を活用した授業改善と教員研修の実施」「管内どさん子元気アップチャレンジ実践事例集の活用など、新体力テストの結果の分析を踏まえた一校一実践の取組の推進」「関係機関と連携したフッ化物洗口の実施にかかわる支援」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各学校においては「家庭や社会教育と連動して、子どもが日常的に運動に親しむ機会を増やす取組」「全学年での新体力テストの複数回の実施など、目標を設定した継続的な体力の向上の機会の設定」「自分の体力の伸びを実感できる体育・保健体育の授業改善」を推進するようお願いする。

▼学びを支える家庭・地域との連携・協働

 子どもたちが様々な人々とかかわり、多様な経験を重ねながら、たくましく成長していくためには、学校はもとより、家庭や地域社会が教育の場として子どもの学びを支えることが大切である。

 そのため、家庭や地域と連携して子どもの学びを支えることができるよう、本年度、特に、取り組んでいただきたきたいことを二点申し上げる。

 一点目は、「家庭と連携して子どもの学びを支える」である。

 子どもの学びを確かなものとするためには、学校教育と家庭が連携し、学習習慣や読書習慣、生活習慣を確立することが大切である。そのため、学校での取組の充実を図るとともに、家庭教育を地域で支援する社会教育を充実し、家庭の教育力を高める必要がある。

 教育局としては「望ましい生活習慣の定着に向けた子ども・地域生活習慣向上プロジェクトの推進と成果の普及」「どさんこアウトメディアプロジェクトの普及啓発」「子どもの学力・生活習慣改善研修会の開催」「家庭ふれあいキャンペーン〝とかち家族だんらんノーテレビデー〟の推進」「家庭教育支援者の養成とネットワーク化の推進」「道立図書館と連携した学校図書館活用促進事業の実施」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各教育委員会および学校においては、「ネット利用も含めた望ましい生活習慣の定着に向けた取組」「望ましい生活習慣を身に付けさせるための子ども・地域生活習慣向上プロジェクトの実施」「保護者が子育てや家庭教育について学んだり、相談や交流したりする取組」「学校司書の配置や地域人材との連携など、子どもの読書環境の充実を図る取組」を推進するようお願いする。

 二点目は「地域と協働して子どもの学びを支える」について。

 地域全体で子どもたちの成長を支えるためには、学校運営の改善・充実はもとより、地域の方々の幅広い参画が必要である。そのため、社会教育の充実を通して、地域の教育力を高める必要がある。

 教育局としては「コミュニティ・スクール導入推進のための推進協議会の開催と市町村のニーズに応じた支援」「学校と地域をつなぐコーディネーターを養成する研修会の開催」「家庭教育サポート企業等による教育支援活動への支援」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各教育委員会および学校においては、「コミュニティ・スクールの推進と教育大綱への位置付けや首長部局との連携の促進」「学校間の連携・地域連携を推進する校務運営体制の整備」を推進するようお願いする。

▼学びをつなぐ学校づくりの実現

 学校が保護者や地域住民の期待に応え、子どもたち一人ひとりの力を最大限に伸ばすためには、各校種間の連携・接続を図りながら、子どもの学びをつなぎ、信頼される学校をつくることが大切である。

 そのため、本年度、特に、取り組んでいただきたきたいことを二点申し上げる。

 一点目は、「子どもの学びをつなぐ」である。

 このことについて、二項目申し上げる。

 はじめに「校種間の学びをつなぐ取組の充実」について。

 子どもの学びをつなぐためには、学校段階の特徴を踏まえ、目指す子どもの姿を共有するとともに、指導方法や検証方法等の工夫・改善に努めるなど、校種間の学びをつなぐ取組を充実させる必要がある。

 教育局としては、「義務教育九年間で目指す子ども像の設定や中学校区における授業改善など小中一貫教育支援事業の成果の普及と市町村のニーズに応じた支援」「中学校区で学力向上の取組を推進する授業改善等支援事業の成果の普及」「春休みステップアップ問題を活用した小中連携の促進」「スタートカリキュラムの作成状況の把握および指導助言」「地域の子どもを育成するための道立学校と市町村教委との連携の促進」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各学校においては「幼稚園、保育所、認定こども園等と小学校が〝幼児期の終わりまでに育ってほしい子どもの姿〟を共有し、小学校におけるスタートカリキュラムの見直しと改善」「学校間の連携・地域連携を推進する校務運営体制の整備」「中学校区での学習規律や学習過程を共有する取組」を推進するようお願いする。

 つぎに「子どもの安全を確保する取組の充実」について。

 子どもが安全に、安心して学び続けることができるようにするためには、学校や地域における安全教育を充実させ、児童生徒が自然災害を正しく理解し、自らの的確な判断のもとで、危険を回避する能力を育成するなど、子どもの安全を確保する取組を充実させる必要がある。

 教育局としては「交通安全、防犯、防災にかかわる学校安全教室の開催と北海道実践的安全教育モデル構築事業の成果の普及」「道の危機管理対策課や市町村と連携した一日防災学校」の成果の普及」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 教育委員会および各学校においては「学校安全計画や危機管理マニュアル等の諸計画の見直しと改善」「安全マップの作成や防犯教室の実施など、子どもの危機対応能力を育成する取組」「関係機関と連携し策定した通学路交通安全プログラムに基づく取組の充実」を推進するようお願いする。

 二点目は「信頼される学校をつくる」である。

 このことについて、三項目申し上げる。

 はじめに「信頼の基盤となる服務規律の保持・徹底」について。

 管内では、教員によるわいせつ事故、体罰、交通違反、飲酒運転が疑われる事故など、学校教育の信頼を失う事案が依然として発生しており、不祥事をゼロにするため、一層の服務管理と服務規律の保持・徹底を図る必要がある。

 教育局としては「管内コンプライアンス会議(五月)を早期に開催し、年間を通した取組の徹底」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各学校においては「教育公務員としての自覚を促す指導の徹底、透明性の高い指導体制の確立など、不祥事の未然防止に向けた取組のための職場研修の継続的、反復的な実施」「教育活動上の課題や兆候を見逃さない管理職の取組と教職員相互のチェック機能の強化」「若手・期限付教員を対象とした研修会の充実」「学校職員人事評価制度を活用した個別指導の実施」を推進するようお願いする。

 つぎに、「十勝の教育を発展させる人材の育成」について。

 管理職の大幅交代期を迎えた中、今後の十勝教育の発展、将来の学校運営を担う優れた人材を育成するため、主任層を学校運営に積極的に参画させるとともに、学校における働き方改革を確実に推進する必要がある。

 教育局としては「中堅教員に対するスクールリーダーの研修会や女性管理職の育成と女性活躍を目指した研修会の計画的な開催」「ミドルリーダー層の教員を研修会等での発表者として積極的に活用」「市町村教委や校長会等と連携した働き方改革の推進」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 教育委員会および各学校においては「メンターチームを活用したOJTの推進」「学校閉庁日の設定など、働き方を見直す方策の積極的な検討」「社会の変化に対応した校務運営組織の積極的な検討」を推進するようお願いする。

 つぎに、「管内教育の活性化を図るブロック間異動の促進」について。

 管内教育の活性化を図るためには、人事異動の趣旨をより周知し、それぞれの教職員が新しい所属においても高い使命感をもって職務にまい進できるよう、適正な人事交流を推進する必要がある。

 教育局としては「十勝管内公立小中学校教職員人事推進会議を開催し、市町村教委と共通認識をもち、教職員構成の適正化に向けた方策等の協議」「〝公立学校小中学校管理職の他管交流の推進について(道教育長通知)〟による管理職の広域人事、道公立小中学校教職員広域人事実施要項および十勝管内公立小中学校教職員広域人事推進方針による教職員の広域人事の促進」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各学校においては「学校職員人事評価制度を活用した人材育成と教職員のキャリアアップの視点をもった人事異動の促進」をお願いする。

▼学びを活かす地域社会の実現

 学びを活かす地域社会を実現するためには、活力ある地域づくりを推進することが大切である。

 そのため、本年度、特に、取り組んでいただきたきたいことは「地域での多様な学びを推進する社会教育の充実」である。

 活力ある地域づくりを推進するためには、地域での多様な学びを推進する社会教育の充実を図り、生涯を通じて学び、その成果を活かせる環境をつくる必要がある。

 教育局としては「道民カレッジ連携講座への登録の促進」「子ども・地域生活習慣向上プロジェクトの推進と成果の普及」「地域人材や学習ボランティアを育成する地域課題解決に向けた地域住民の学習機会の支援」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各教育委員会および学校においては「道民カレッジ連携講座への登録やほっかいどう学検定ジュニア検定の受検の促進」「望ましい生活習慣を身に付けさせるための子ども・地域生活習慣向上プロジェクトの実施」を推進するようお願いする。

▼十勝教育の日の趣旨を生かした取組を推進する

 最後に、すべての重点に共通する取組として、十勝らしい一人ひとりの学びを実現するために、十勝管内の学校、家庭、地域、行政機関、教育団体等が一体となった「十勝教育の日」の趣旨を生かした取組の推進に努め、「十勝はひとつ子どもたちのために」の気運を一層高める必要がある。

 教育局としては「十勝教育を考えるつどいにおけるどさんこ☆子ども地区会議の充実」「家庭ふれあいキャンペーン〝とかち家族だんらんノーテレビデー〟の推進」などの取組を通して、各学校の取組を支援していく。

 各教育委員会および学校においては「学力向上にかかわる小中高連携」「いじめの未然防止にかかわる地域との連携」「体力向上にかかわる社会教育との連携」「ふるさとキャリア教育の推進にかかわる学校間、地域や企業、市町村との連携」「家庭や地域の教育力の向上にかかわる社会教育の取組」を推進するようお願いする。

【むすびに】

 本道が「北海道」と命名されて百五十年という節目の中、この地に生きる私たちには、先人が積み重ねた歴史を振り返り、託された貴重な財産を受け継ぐとともに、新しい価値を創造し、この先の未来に引き継いでいく責務がある。一校を預かる校長においては、次代を担う子どもたちが十勝の輝く未来を築き、幸福な人生を歩んでいくことができるよう、不退転の決意で学校経営にまい進されることを期待する。

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(道・道教委 2018-04-16付)

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