道いじめ問題審議会が提言 全校挙げた相談体制要請 対策委中核に組織的対応を(道・道教委 2018-04-16付)
道いじめ問題審議会は、道立学校におけるいじめの重大事態が疑われる事案についての調査結果を取りまとめ、再発防止策を提言した。道教委が十二日に公表した。提言では、学校の取組として、すべての教職員がかかわる教育相談体制の整備をはじめ、いじめ防止対策委員会を中核とした組織的対応の徹底などを要請。教育委員会の取組として、学校いじめ防止基本方針の検証の促進などを挙げた。
二十九年、生徒とその保護者が部活動内で複数の部員からいじめを受けたと申し立てた。学校は、知事に対して重大事態発生にかかる報告書を提出。これを受け、同審議会は道いじめの防止等に関する条例に基づき、調査に動いた。
その結果、申立でいじめとされた四項目の行為のうち、三項目を「いじめに該当する」とした。
学校の対応については、いじめ防止対策委員会が年間計画に組み込まれていたが、実際には会議が開かれなかったことが組織的な対応の機能不全や遅れを引き起こした根本的な問題などと指摘した。
これらを踏まえ、再発防止のための方策を提言した。
学校が講ずる措置については、いじめを起こさない平素からの対応を徹底するため、教育相談体制の充実、生徒の心に響く実践的生徒指導の充実、教育相談・生徒指導の在り方に関する実践的研修の実施を挙げた。
生徒に対し、目をかけ、声をかけるなど具体的に実践し、すべての教職員がかかわる教育相談体制を整備する必要性を指摘。生徒の自発的・主体的成長を促すとともに、事例に基づいて教職員研修を行うことなどを挙げた。
いじめ防止対策委員会を中核とした組織的対応を徹底することをはじめ、保護者との連絡・連携の改善、外部専門家の積極的な活用など、いじめへの一貫した対応を充実することを求めた。
調査・指導などの記録や情報管理徹底を提言した。
部活動の閉鎖的な側面が背景にあったことも否めないとし、民主的運営の促進や顧問複数制の機能強化などの必要性を挙げた。
教育委員会が講ずる措置としては、各学校に対して学校いじめ防止基本方針の機能の検証を促進するなど、いじめを起こさない平素からの指導助言を徹底することを求めた。
いじめの解決に向けた早期からの教育委員会と学校との連携促進なども提言。
当該学校以外の各学校に対しても、遠隔地から入学した生徒へのきめ細かな支援、調査・指導などの記録や情報管理の徹底、部活動運営の改善に関して指導助言する必要性などを挙げた。
報告を受け、道教委の柴田達夫教育長はコメントを発表。「いじめは、いじめを受けた子どもの教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長および人格の形成に重大な影響を与えるだけではなく、その生命または身体に重大な影響を生じさせる恐れがあり、決して許されるものではない」との認識を示した。
今後については「審議会の提言をしっかりと受け止め、各道立学校に対し、いじめの早期発見などはもとより、このような事態が生じないよう、いじめの未然防止の取組を一層充実させ、児童生徒が安心して学校生活を過ごせるようあらためて指導していく」と表明した。
(道・道教委 2018-04-16付)
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