札幌市教委が市立小中規模適正化基本方針策定 検討対象―小学校は6学級以下優先 適正規模下回る全校が対象に(市町村 2018-05-01付)
札幌市教委は四月二十六日、新たな札幌市立小中学校の学校規模の適正化に関する基本方針を策定した。学校の小規模化による教育面・学校運営面の課題を解消し、子どもにとってよりよい教育環境を整備することを目指すもの。新方針では、適正な学校規模を下回るすべての学校が規模適正化の検討対象となることを明記した。また、市教委が示すたたき台となる案をもとに検討を行うことなどを盛り込み、学校規模適正化の加速化を図る。
市では、学校の小規模化が進行したことなどから、十九年に基本方針を策定。しかし、少子化の継続が見込まれることや、小規模校の増加が学校規模適正化の取組速度を上回っていることなどから、方針の見直しに着手した。
昨年六月、札幌市立小中学校適正配置審議会を設置し、①学校規模適正化の検討対象を拡大する②少子化に伴う小規模校の増加に対応するため、学校規模適正化の取組を加速させる③その他、学校を取り巻く情勢の変化と基本方針の適応を図る―の三点の方向性のもと、議論を重ねてきた。
方針では、市の児童生徒数の推移や学校規模の推移をグラフで紹介。昭和六十年をピークに児童生徒数が減少し続け、小学校では十一学級以下、中学校では五学級以下の小規模校が増加したことを示している。現在の課題として「少子化に伴う小規模校の増加」「検討期間の長期化と参加者負担の増大」を挙げた。
適正な学校規模については、現行方針を引き継ぎ「小学校十八~二十四学級、少なくとも十二学級」「中学校十二~十八学級、少なくとも六学級以上」と設定。今後、小学校は「現在十二学級未満または十二学級未満となることが見込まれる学校」、中学校は「現在六学級未満、または六学級未満となることが見込まれる学校」のすべてを学校規模適正化の検討対象校とする。
また、これまでは概ね五年ごとに策定する地域選定プランにおいて決定した地域のみが規模適正化を検討していたが、「現在および将来の学級数」「通学区および地理的条件」といった観点を考慮しながら、順次取組地域を設定することとした。特に、六学級以下となる小学校と三学級以下となる中学校は優先的に検討する。
取組の進め方については、地域ごとに設置する学校規模適正化委員会で、市教委が示す取組に関する案をもとに検討を行うことを明記。市教委が案を示すことで、議論の迅速化と委員の負担軽減を図る。
このほか、学校施設について、児童会館などとの複合化を検討していくほか、学校の改築または改修時期にも配慮しながら規模適正化の取組地域を設定する観点を盛り込んだ。
方針は、教育制度の変更や市民ニーズの変化などの社会情勢を踏まえながら必要に応じて見直しを行っていく。
(市町村 2018-05-01付)
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