高・特校長会議の道教委所管事項説明 宇田教育職員局長 公平・公正な判定要請 給与への人事評価活用で(道・道教委 2018-05-15付)
特定健康診査等の受診・利用の促進などを求めた
【給与課所管事項】
▼学校職員人事評価の結果の給与への活用
昨年度が実施の初年度だったが、大きな混乱もなく実施された。この場を借りて、お礼を申し上げる。
上位区分の適用率については、概ね配分どおりとなったが、特に、初任層(若年層)職員について重点的に配分しているところ、適用率がやや低い結果となっている。
本年度の実施に当たっては、この点について、留意いただきたいと思う。
また、昇給区分の判定に関し、昨年度は導入に伴う経過措置があったが、本年度から基本形となるため、あらためて、手引きなどによって確認の上、作業をお願いする。
引き続き本制度の趣旨を理解の上、要綱などに則り、根拠をもって、公平・公正な判定を行っていただくよう、お願いする。
▼給与の独自縮減
退職手当の見直しによる人件費の歳出削減が見込まれることなどから、本年度末をもって終了することとなった。
これまで協力いただいたことについて、あらためて、お礼を申し上げる。
縮減率については、大規模校など管理職手当が三種の校長については、課長相当職として高い縮減率としていたが、他の校長との均衡を考慮して見直しを行い、本年度については、給料は一・五%の縮減、管理職手当は縮減を実施しないとしたものである。引き続き、協力をお願いする。
▼公務・通勤災害の防止
二十九年度の発生件数は、二十八年度に比べ増加している状況である。公務災害などにかかる給付費等の支給については、各都道府県の負担金によって地方公務員災害補償基金が運営しており、給付費などが増加すると、その負担割合が増加することから、厳しい財政状況の中で、負担金を減少させるため、災害防止は大きなポイントとなる。
災害の原因、種類としては、部活動や体育の授業の無理な動作や転倒による骨折、打撲・挫傷が約五割を占めており、また、障がい特性のある児童生徒による加害行為によるものも見受けられる。
あらかじめ対策を講じることや少しの注意を払うことで、そこまで大きな事故にならずに済んだのではないかと考えられるケースも多く見受けられる。
普段から職場環境を十分に把握し、災害防止に関する工夫や教職員の安全に対する意識を啓発するなど、災害のない環境づくりに努めるようお願いする。
【福利課所管事項】
▼道立学校職員等の健康づくり計画
道教委では、道立学校および事務局に在籍する職員の心身両面にわたる健康づくりを中長期的な視点に立って、継続的かつ計画的に進めていくため、ことし三月に道立学校職員などの健康づくり計画を策定した。
職員の健康づくりは、本人の自助努力に加え、事業者の行う健康管理の積極的な推進が必要であることから「道教委は、職務に起因する、あるいは密接な関連を有する健康障害を起こさない措置を講ずる」「職員は自分の健康は自分でつくるというセルフケアの考えを理解し、自ら行動する」「道教委は、職員のセルフケアを支援する」ことを計画の三つの基本方針と定め、この基本方針をもとに、生活習慣病の発症・重症化予防、心の健康保持増進、セルフケアの支援を職員の健康づくりの三つの柱とし、柱ごとに目標と今後の取組および指標項目を定め、すべての指標項目について改善を目指すこととしている。
計画期間は、三十年度から三十九年度までの十年間としている。
本年度から本計画に基づき、教職員の健康管理対策を計画的・継続的に推進していきたいと考えているので、協力いただけるようお願いする。
▼ストレスチェック制度
全道の教職員の精神疾患による病気休職者は依然として多く、メンタルヘルス対策の取組は喫緊の課題となっている。
このような状況のもと、道教委では、二十八年度から、すべての道立学校の教職員を対象に、ストレスチェックを実施している。
昨年度の受検状況についてだが、昨年度は実施期間後、受検率が低い学校に、未受検者に対して受検勧奨を行うようお願いしたが、道立学校全体で九五・五%の受検率で、二十八年度に比べ〇・七ポイント増加した。しかし、受検率が八〇%未満の学校が六校あった。
本制度は、教職員自身のストレスへの気づきを促すとともに、職場環境の改善につなげ、メンタルヘルス不調を未然に防止することを目的としており、教職員の心の健康の保持増進を図る上で、極めて重要な取組であると考えている。
本制度を効果的なものとするためにも、すべての受検対象者に対し受検するよう勧奨をお願いする。
▼道立学校職員などのメンタルヘルス計画
学校教育は、教職員と児童生徒との人格的な触れ合いを通じて行われるものであることから、教職員が心身ともに健康であることは、よりよい教育活動の推進につながることになる。
このような観点から、道立学校職員などのメンタルヘルス計画の中で、
①教育局から貸し出しを行っている研修用DVDを活用するなどして、年一回は職場研修を実施すること
②各学校において衛生委員会の活性化を図り、メンタルヘルス対策を推進すること
③メンタルヘルス・アクションプランを策定し計画的に取組を進めること
―などを示しているので、各学校においては、メンタルヘルス対策に一層の取組をお願いする。
なお、研修用DVDについては、昨年度末に九種類を追加しており、その中には職員自身のストレスへの気づき、対処といったセルフケアを解説したDVDも含まれているので、積極的に活用するようお願いする。
▼心の健康相談事業等
道教委と公立学校共済組合道支部では、ホテルライフォート札幌に心の健康総合相談室を設置している。
相談については、教職員本人やその家族、所属長を対象とした電話相談、面接相談や職員の同僚からの電話相談に応じており、面接相談については、専用室を設け、プライバシーに配慮したより相談しやすい環境を整備して相談に応じている。
相談に当たっては、精神科医師や保健師に加えて、教育行政の精通者を配置しており、心の健康にかかわる各種制度上の相談などにも対応している。
メンタルヘルス不調の予防のためにも本事業の周知と活用についてお願いする。
また、昨年度に引き続き、管理監督者を対象としたメンタルヘルスセミナーを空知・胆振・留萌・釧路の四ヵ所で開催することとしているので、メンタルヘルス不調の事例を抱える学校はもとより、ほかの学校においても積極的な参加をお願いする。
▼過重労働による健康障害防止対策について
道立学校職員の過重労働による健康障害防止対策については、四月二日付で通知を発出し、職員への周知をお願いしている。
道立学校職員の過重労働による健康障害防止対策取扱要領においては「直近一月に百時間を超えた者」「過去の二ヵ月間、三ヵ月間、四ヵ月間、五ヵ月間、六ヵ月間のいずれかの平均の従事時間が八十時間を超える者」「疲労の蓄積や健康上の不安がある者」について、医師による面接指導の対象としている。
過重労働対策は、長時間労働による健康障害を防止し、心身ともに健康で働くことができるよう、職員の健康管理を目的としている。
行政職員については、時間外勤務命令簿で把握できるが、教育職員の場合は、自己申告による時間記録表を作成することとなるため、面接指導の対象とはなっていても時間記録表を提出しなかったり、提出しても面接指導を希望しない状況があるかもしれない。
各学校においては、対策の趣旨を踏まえ、時間記録表の提出や面接指導の対象職員に対し、積極的に面接指導を受けるよう勧奨していただくようお願いする。
▼特定健康診査等の受診・利用促進
生活習慣病予防の徹底を図るため、四十歳以上の組合員および被扶養者に対し、メタボリックシンドロームに着目した特定健康診査および特定保健指導を実施している。
三十年度からは第二期データヘルス計画のもと、取組を推進していくことになるが、共済組合道支部における医療費および特定健康診査のデータからは、生活習慣病にかかる割合が多く、予防、早期発見、発症リスクの軽減対策を講じる必要があるという結果が出されている。
組合員については、特定健康診査の受診状況をみると、ほぼ一〇〇%の受診率となっており、特定保健指導の対象者には、食生活や生活習慣の改善に向けた指導として、職場で受けられる学校訪問型特定保健指導を導入するなどの取組を行い、利用の促進を図っている。
一方、被扶養者については、特定健康診査および特定保健指導、それぞれの利用者は少なく、二十八年度実績では、特定健康診査は三九・六%、特定保健指導は二・三%の利用率にとどまっている状況である。
被扶養者には、特定健康診査の無料の受診券、特定保健指導についても無料の利用券が活用できるようになっているので、ぜひ、被扶養者の生活習慣病の改善に取り組んでいただければと思う。
校長には、引き続き、職員や配偶者の特定健康診査の受診および特定保健指導の利用促進について、配意いただくようお願いする。
▼ホテルライフォート札幌の利用促進
教職員の宿泊施設として皆さんが利用しやすいホテルを目指し、本年度においても、教職員やその被扶養者などを対象とした宿泊、宴会・レストラン、婚礼などの利用補助事業のほか、各種イベントの実施など、利用促進に向けた取組を進めていく。
各種会議・宴会、部活動の遠征などの学校単位での利用も含め、積極的な利用をお願いするとともに、公務出張の際にも、利用補助ではないが、ホームページの専用サイトから予約をしていただくと、お得な料金で宿泊することができる。ぜひ、利用いただくよう、所属職員への周知も併せて引き続き、理解と協力をお願いする。
(道・道教委 2018-05-15付)
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