29年度の体罰実態調査(札幌市除く)―道教委まとめ 調査で4件判明、計21件 厳正に対処し暴力根絶へ(道・道教委 2018-05-11付)
道教委は、道立学校・市町村立学校(札幌市を除く)における二十九年度の体罰にかかる実態調査結果をまとめた。体罰件数は前年度と比べ一件増の二十一件で、このうち調査で判明したのは四件。一方、被害を受けた児童生徒数は十三人増の三十四人と大きく増加。体罰が行われた場面は、「授業中」が十一件、「部活動中」が三件、「休み時間」が三件など。道教委は調査結果を踏まえ、指導資料『望ましい指導の在り方』などの活用、体罰事故防止に向けた研修の徹底などを呼びかけ、教員一人ひとりに体罰についての正しい認識をもってもらうための研修を確実に行っていくよう指導していく。
道教委は、二十四年度から毎年度、体罰に関する実態把握と体罰事故防止の徹底を図ることを目的に、調査を実施している。
二十九年度は、道立学校二百六十七校、市町村立学校一千三百六十四校の教職員、スクールカウンセラー、保護者、また、中学校、義務教育学校後期課程、高校、中等教育学校、特別支援学校中学部・高等部の生徒を対象に、体罰の有無などについてアンケート調査を実施。対象者約五十四万人のうち、約四十二万人から回答を得た。
全校種合わせた体罰の件数は二十一件。このうち、すでに道教委に報告があったものが十七件、教育委員会への報告がなく、調査で判明したものが四件だった。
体罰があった学校数は、前年度と比べ一校増の二十校。このうち、既報告分が十七校、今回判明分が三校となった。
一方、被害を受けた児童生徒数は十三人増の三十四人。うち既報告分が二十人、今回判明分が十四人。
体罰が行われた場面は、「授業中」が十一件、「部活動中」が三件、「休み時間」が三件、「その他(朝読書、給食の時間など)」が四件。
体罰の様態をみると、「殴る」が十五件と最も多く、「蹴る」二件、「その他(両肩をつかむ、ボールをぶつけるなど)」が四件。体罰によって傷害があったケースは三件増の五件(口の中を切った一件、あざができた二件、突き指一件、擦過傷一件)となった。
体罰の把握のきっかけ(複数回答)は、教員からの申告が十件、保護者からの訴えが六件、児童生徒からの訴えが五件だった。
把握した体罰二十一件のうち、九件(既報告分八件、今回報告分一件)は、二十九年度末までに処分を完了した。
体罰防止に関する校内研修やその他の取組などを通じて指導を行った学校の割合は、前年度に続き一〇〇%。それ以外に、体罰防止に関する勉強会などの取組を行った教職員の割合は三・三ポイント増の五〇・三%となった。
なお、外部指導者等による暴力行為はなかった。
道教委では、今回新たに把握した体罰に関して、既報告分も併せて詳細に事実関係を確認し、厳正に対処する方針。また、学校においては実態把握の結果を踏まえ、指導資料『望ましい指導の在り方』などを活用した複数回の校内研修の実施、事例研究など自ら考える内容を盛り込んだ研修の実施、処分を受けた教職員を対象とする再発防止プログラムを引き続き実施するなど、体罰事故防止を徹底する。
今回暴力の報告がなかった外部指導者、本年度から導入となる部活動指導員による暴力の未然防止に向けては、指導資料を活用した研修に取り組むとしている。
(道・道教委 2018-05-11付)
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