29年度体力・運動能力調査結果―帯広市教委 体力合計点 小学男子全国上回る 体力向上プロ立ち上げ検討
(市町村 2018-06-01付)

3面、表1
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 【帯広発】帯広市教委は、二十九年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査における市の結果を公表した。実施したテスト八種目の体力合計点において、小学校男子は二十七年度以来二年振りに、全国平均を上回った。一方、昨年度全国平均を上回った小学校女子と、中学校男子・女子は全国平均を下回る結果となった。質問紙調査の結果、「運動やスポーツをすることが好き」と回答した児童生徒の割合が高いことなどから、市教委は体力向上プロジェクトチームの立ち上げを検討し、健康に資する取組を充実させていく考え。

 市教委は、これまで二十一年度から国が実施してきた調査の結果を受け、児童生徒が積極的に運動に親しみ、体力・運動能力等の向上を図る教育活動や教育課程、指導方法の具体的な改善点などを明らかにしてきた。

 また、体力・運動能力等は食生活などの生活習慣とかかわりが深いことから、望ましい食習慣に関するリーフレットや食育レシピ集を作成し、児童生徒・保護者に配布するなど、啓発活動に努めてきた。

 昨年五月から七月までに小学五年生と中学二年生を対象に実施した今回の調査には、市内の小学校二十六校、児童数一千二百九十五人、中学校十四校、生徒数一千二百八十三人が参加。

八種目(中学校は“持久走”か“二十㍍シャトルラン”のいずれかを選択するため九種目)のデータと質問紙調査および学校質問調査の結果を集計した。

 実技に関する調査結果をみると、小学校男子において、二〇㍍シャトルランを除く七種目で全国平均を上回り、体力合計点も全国平均より一・一三ポイント高い五五・二九ポイントとなった。

◆小学女子4種目全国平均上回る

 一方、小学校女子では、「握力」「長座体前屈」「反復横跳び」「立ち幅跳び」の四種目で全国平均を上回ったものの、体力合計点は全国平均よりも〇・二五ポイント低い五五・四七ポイントとなった。

 中学校男子は、「握力」「ハンドボール投げ」の二種目で全国平均を上回った。

 中学校女子では「握力」の一種目で全国平均を上回った。体力合計点では、男子は全国平均よりも一・一五ポイント低い四〇・九六ポイント、女子は三・三四ポイント低い四六・六三ポイントとなった。

 質問紙調査では、小・中学校ともに「運動やスポーツをすることが好き」と答えた割合が全国平均よりも高く、「家の人から運動やスポーツを積極的に行うことを薦められる」と回答した児童生徒の割合は、中学校男子以外、いずれも全国平均よりも高かった。

 一方で、小・中学校ともに「運動部(部活動)やスポーツクラブに所属している」と回答した割合は、全国平均よりも低い結果となった。

 学校質問紙調査では、小・中学校ともに、ほとんどの学校で体力・運動能力の向上にかかる目標を設定し、具体的な取組を行っている学校が多い傾向にあった。

 今回の結果を受け、市教委では「各学校が体力・運動能力等や運動習慣などの向上向けて、“一校一実践”に継続して取り組む」「市体力・運動能力調査を小学一~三年生でも全種目実施する」「市PTA連合会とノーテレビデーなどの取組を行うなど、家庭や地域社会と連携した取組の一層の充実を図る」などを各学校に働きかけ、教育活動の充実を図る。

 また、検討段階ではあるが、市教委職員や市立学校教諭からなる「体力向上プロジェクトチーム」を立ち上げ、体力・運動能力調査の望ましい進め方や、体育の授業改善の協議、研修会などを通して、健康に資する取組を充実させていく考えだ。

(市町村 2018-06-01付)

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