【解説】子の人権ＳＯＳミニレター

（解説 2018-06-15付）

　全国の法務局・地方法務局、都道府県人権擁護委員連合会では、小・中学校の児童生徒に『子どもの人権ＳＯＳミニレター』を配布している。

　学校でのいじめや体罰、家庭内での暴行・虐待など、身近な人にも相談できない子どもの悩みを把握し、子どもの様々な人権問題を解決するため、十八年度から開始したもの。

　送信用封筒と便せんが一体となって料金受取人手続きを施しており、子どもが相談内容を書き込んで投かんできる。なお、札幌法務局管内では、秋ごろの配布を予定している。

　法務局職員、人権擁護委員が相談に対応。事案によっては学校、児童相談所など関係機関と連携して被害者の速やかな保護に努め、人権侵害の疑いのある相談については、人権侵犯事件として調査する。

　二十九年度のＳＯＳミニレターの受領数は、前年度比一千百十七件減の一万二千九百七十五件。ここ数年では、二十五年度から徐々に減少傾向にある。

　ミニレターを端緒として受理した人権相談の件数は、八百四十件減の一万六千五件となっている。

　相談内容の内訳は、いじめが五千八百五十九件、虐待が五百二十二件、体罰が八十二件、その他九千五百四十二件だった。ここ数年でいずれも減少している。

　体罰に関する相談は、小学四年生が十五件と最も多く、小学一年生と中学二年生が十一件、小学五・六年生が十件、中学一・三年生が七件、小学二・三年生が五件となっている。

　虐待の相談は、小学五年生が七十八件、中学三年生が七十四件、小学六年生が七十一件など。いじめに関しては、小学三年生の一千百三十八件が最多で、小学四年生一千六十四件、小学二年生九百六十三件など。学年が進むにつれて減少している。

(解説 2018-06-15付)