【解説】30年度版自殺対策白書(解説 2018-06-25付)
厚生労働省は、三十年度版の自殺対策白書をまとめた。昨年一年間に自殺した人の数は、前年比五百七十六人減の二万一千三百二十一人。十五歳から三十四歳の若年層での死因の一位は「自殺」となり、若い世代の自殺の死亡率が事故を上回ったのは、先進七ヵ国の中で日本のみであることが分かった。
自殺対策白書は、自殺対策基本法第一〇条の規定に基づき、自殺の概要および自殺対策の実施状況について、政府が毎年、国会に提出する年次報告書。
「自殺の現状」「自殺対策の基本的な枠組みと若者の自殺対策の取組」「二十九年度の自殺対策の実施状況」の三章立てで構成されている。
全国の自殺者数は、平成十年以降、十四年連続で三万人を超える状態が続いていたが、二十四年に十五年ぶりに三万人を下回り、二十九年は前年に比べ五百七十六人減少し、二万一千三百二十一人となった。
年齢階級別の自殺者数の推移をみると「五十歳代は十五年を境に減少傾向にあり、近年は六十歳代から二十歳代までの各年齢階級においても減少傾向にある」と指摘。自殺死亡率の推移では「四十歳代以上で低下傾向にあり、ここ数年は二十歳代、三十歳代も低下傾向にある」と分析している。
また、十五~三十九歳までの五歳ごとのすべての年齢区分で自殺が死因一位を占め、特に十五~三十四歳の若い世代で先進七ヵ国と比較可能な統計で比較すると、他国は事故が一位なのに対して日本だけは自殺が一位。その死亡率も他国と比べて高くなっている。
男女別・年齢階級別の自殺者数の割合では、四十歳代男性が一二・六%と最も高く、次いで、五十歳代男性、六十歳代男性となり、四十~六十歳の男性で全体の三分の一を占めていることが分かった。
(解説 2018-06-25付)
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