帯広市30年度教育行政執行方針 ALT増員や研修充実など
(市町村 2018-06-28付)

 【帯広発】帯広市教委は二十六日、三十年度教育行政執行方針を公表した。「地域特性を踏まえて、小中一貫教育への対応に向けた取組や学校施設の整備など、学校教育を推進していく上で必要な環境整備を進める」との考えを表明。新学習指導要領の移行期間であることを踏まえ、外国語指導講師(ALT)を増員するほか、プログラミング教育など新たな指導内容に関する教員への研修の充実を図っていく方針を示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼基本的な考え

 市の教育大綱でもある帯広市教育基本計画の基本理念として定めた「ふるさとの風土に学び 人がきらめき 人がつながるおびひろの教育」を実現するため、それぞれの施策を進める。

 学校教育分野においては、小・中学校の適正規模の確保等に関する取組を推進していく。さらに、地域特性を踏まえて、小中一貫教育への対応に向けた取組や学校施設の整備など、学校教育を推進していく上で必要な環境整備を進める。

 生涯学習分野においては、市民の誰もが学びたいときに学ぶことができる環境づくりに向けた、多様な生涯学習機会の提供のほか、市民主体の文化活動、スポーツ合宿・大会の誘致活動、重要文化財の保全や活用などを促進するとともに、学習活動の基盤となる社会教育施設の計画的な整備などを進めていく。

 二年後から始まる次期市教育基本計画の策定作業や市文化振興指針の点検に着手していく。

▼主な取組

▽次代を担う人づくり

 小学校においては、今後施行される学習指導要領への円滑な移行を図るため、中学年では外国語活動を、高学年では教科としての外国語の導入を先行実施するとともに、ALTを増員するほか、プログラミング教育など新たな指導内容に関する教員への研修の充実を図る。

 いじめについては、市いじめ防止等に関する基本的な方針にのっとって、各学校と教育委員会が連携をより密にし、未然防止や早期解決に努める。

 また、「特別の教科 道徳」として位置付けられた道徳科では、「考え、議論する道徳」を進め、豊かな心の育成に努めていく。

 学校給食については、引き続き安定的な運営に努めるとともに、地元産食材を活用するなど帯広ならではの給食を提供する。

 帯広南商業高校については、引き続き十勝管内唯一の商業科として特色ある教育活動を進めるとともに、十勝・帯広に貢献できる人材を育成する。

 生涯学習においては、高等教育機関や企業等と連携した市民大学講座の開催など、市民の社会参画を促す魅力ある学習機会を提供するほか、小中学生のための札響コンサートの実施や市民が主体となった市民バレエの支援など、市民が良質な文化にふれる機会や発表の場を提供する。

 また、健やかな体づくりを進めるため、フードバレーとかちマラソン大会の開催支援などによって、スポーツ活動への参加機会の充実を図っていく。

▽ともに学びきずなを育む地域づくり

 八千代A遺跡出土品については、国の重要文化財に指定されることを受け、帯広百年記念館の常設展示室の一部改修や特別企画展を実施する。

 また、北海道命名百五十年に合わせた、道立帯広美術館と連携した松浦武四郎展の開催や第八回中城ふみ子賞の実施など、地域の特色ある歴史や文化の理解を深める学習機会の提供、情報発信を進める。

 スポーツについては、先の平昌オリンピックで活躍した十勝・帯広ゆかりの選手を紹介する展示ブースを明治北海道十勝オーバルに拡充するほか、ワールドカップスピードスケート競技会の帯広開催を支援するなど、国内外の人々が十勝・帯広を訪れる機会を創出していく。

▽基本目標を実現するための基盤づくり

 市における小中一貫教育の対応に関する基本的な考え方を取りまとめるほか、小・中学校適正規模の確保等に関する取組として、大空中学校地域における実施計画を策定する。

 また、コミュニティ・スクールの導入に向けた取組を進めるほか、学校施設の老朽化対策として仮称・学校施設長寿命化計画の策定やトイレの洋式化を進めるなど、学校施設の整備を行う。

 さらに、学習環境の充実に向けて、大型提示装置などの整備や小学校の児童用机・いすの更新を進めていく。

 このほか、就学援助費のうち、新小学校一年生に対する新入学学用品費を就学前に前倒しして支給し、保護者の経済的負担の軽減を図るほか、教職員の働き方改革を推進する。

 社会教育施設については、施設の長寿命化や施設総量の適正化に取り組む個別施設計画の策定を進めるほか、帯広市民文化ホール大ホールや、帯広の森野球場内野グラウンドの改修を行う。

 また、おびひろ動物園の新たな魅力づくりの検討を始めるほか、社会教育施設が連携した事業を引き続き実施し、各施設の特色を生かした学習機会を提供するとともに、施設の利用促進を図っていく。

(市町村 2018-06-28付)

その他の記事( 市町村)

働き方改革アクション・プラン 部活動休養日を完全実施 池田町教委が独自に策定

 【帯広発】池田町教委は、学校における働き方改革「池田町アクション・プラン」をまとめた。道教委の北海道アクション・プランを受けて、町独自に行動計画をまとめたもの。部活動休養日の年間七十三日完...

(2018-07-03)  全て読む

教育振興基本計画改定版の骨子案・後期プラン―札幌市教委 学ぶ力育成など重要項目9点

前期プラン後期プラン骨子案表  札幌市教委は、教育振興基本計画改定版の骨子案をまとめた。学校教育および生涯学習全般を対象範囲とした教育に関する施策を総合的に示すもの。新たに示した後期の札幌市教育アクションプラン(=後期プ...

(2018-07-02)  全て読む

9校の控壁に問題点 学校施設ブロック塀調査―札幌市教委

 札幌市教委は、六月十九~二十六日に実施した学校施設におけるコンクリートブロック塀の緊急調査・点検の結果をまとめた。  大阪府北部で発生した地震によって、小学校のブロック塀が倒壊し児童が死...

(2018-07-02)  全て読む

若者の社会的自立促進事業―札幌市子ども未来局 高校中退者などをサポート 7月中に支援開始へ

 札幌市子ども未来局は、本年度新たに実施する若者の社会的自立促進事業を、七月中に開始する予定だ。高校中退者などを対象に、高校卒業程度の学力習得を目指す学習支援・相談を無料で実施するもの。中央...

(2018-06-29)  全て読む

障がい者スポーツの普及促進へ 9月から区体育館で専用利用開放―札幌市 ニーズ把握へ調査も

 札幌市が設置する障がい者スポーツ普及促進協議会は、九月から八区の体育館で障がい者スポーツ専用の利用開放を行うことを決めた。障がい者スポーツの裾野拡大や利用促進を図るとともに、障がい者の体育...

(2018-06-28)  全て読む

新規事業・自殺予防等の実践研究―札幌市教委 研究会設置し指導法追究 委員長に西岡北中・須藤校長

 札幌市教委は、本年度から新規に実施する札幌市研究開発事業「自殺予防等、生命を尊重する心の育成」に関する実践研究について、札幌市立西岡北中学校の須藤勝也校長を委員長とする実践研究会を設置した...

(2018-06-27)  全て読む

大空町30年度教育行政執行方針 高校魅力化プロジェクト始動 国際交流事業創設に向け調査

大空町教委渡邊國夫  【網走発】大空町教委の渡邊國夫教育長は、十九日に開かれた第二回町議会定例会で三十年度教育行政執行方針を説明した。国際感覚や外国語力を身に付けさせるため、児童生徒のための国際交流事業の創設に...

(2018-06-26)  全て読む

クラウド型勤務管理システム導入 勤務時間把握を最優先に 働き方改革の一環で士幌町教委

 【帯広発】士幌町教委は本年度、町立小・中・高校でクラウド型勤務管理システムを導入した。士幌町では、総合教育会議で学校における働き方改革について「本年度は勤務時間の把握が最優先事項」との方針...

(2018-06-26)  全て読む

道徳教育実践研究の推進校―札幌市教委 小・中合わせ10校指定 授業、評価の在り方を追究

 札幌市教委は、本年度の札幌市研究開発事業「道徳教育に係る実践研究」の研究推進校に円山小学校など小・中学校合わせて十校を指定した。豊かな心の育成に向けて実施するもの。本年度はすべての研究推進...

(2018-06-25)  全て読む

留萌市30年度教育行政執行方針 学校事務補助員の配置拡充 CS通じ開かれた学校づくり

留萌市武田浩一  【留萌発】留萌市教委の武田浩一教育長は、六月上旬の第二回市議会定例会で本年度の教育行政執行方針を説明した。すべての小・中学校へのコミュニティ・スクールの導入を通じて学校・家庭・地域の連携・...

(2018-06-25)  全て読む