【解説】生活保護世帯出身学生等の実態調査
(解説 2018-07-03付)

 厚生労働省は、二十九年度「生活保護世帯出身の大学生等の生活実態の調査・研究」の結果をまとめた。大学などに在籍している学生のうち、生活保護世帯と同居している人を対象に調査。受験勉強の進め方について「学校の教材を使用して一人で受験勉強する」割合が最も高く、「塾や予備校、通信教育を利用して受験勉強する」割合が最も低いことが分かった。

 調査は、生活保護世帯の子どもの大学などへの進学を含めた自立支援を検討する上で、必要な基礎資料を得ることがねらい。

 生活保護世帯出身で調査基準日(二十九年四月一日)時点に大学・短期大学・専修学校、各種学校に在籍している学生のうち、生活保護世帯と同居している人を対象に調査。大学から一千百二十九人、短大百六十二人、専修学校六百十人、各種学校百二十四人の計二千二十五人が回答した。

 進学時の状況のうち「大学等への進学を具体的に考え始めた時期」をみると、五九・七%が高校二年生までに進学を考え始めていることが分かった。

 「主な進路相談者」では「親」が六五・三%と最も高く、次いで「学校の先生」が四二・一%となっている。

 受験勉強の進め方では「学校の教材を使用して一人で受験勉強する」が六〇・二%と最も高く、次いで「学校の教材以外に、参考書などを購入して受験勉強する」の二七・〇%。一方で「塾や予備校、通信教育を利用して受験勉強する」は一〇・九%と最も低い結果となった。

 「受験勉強をしているころのアルバイトの有無」では、「していなかった」と回答したのが四七・六%と約半数を占めた。また「高校等に通っているころのアルバイト収入の使い道」をみると、四八・三%が通学のために使用していることが分かった。

(解説 2018-07-03付)

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