【解説】ＥＳＤ推進の手引改訂版

（解説 2018-07-09付）

　日本ユネスコ国内委員会は、『ＥＳＤ（持続可能な開発のための教育）推進の手引（改訂版）』を作成した。指導主事や管理職の教員などを主な対象に、ＥＳＤの具体的な実践方法などを伝える研修や学校全体の取組を進める際のポイントをまとめている。

　ＥＳＤは、環境、貧困、人権など、現代社会の課題を自らの問題としてとらえ、身近なところから取り組むことで、課題解決につながる新たな価値観や行動を生み出し、持続可能な社会づくりの担い手を育む教育。

　手引きは二十八年に作成した初版について、持続可能な開発目標（ＳＤＧｓ）、新学習指導要領などを踏まえ、一部内容を改訂した。

　各学校におけるＥＳＤの取組に対する指導助言上のポイントでは、地球環境問題の解決に向け「３Ｒ（リデュース・リユース・リサイクル）」に関する授業を例に、ＥＳＤの実践上重要なポイントを記載。学習の目的や内容に加えて方法の大切さを挙げ、「常に振り返りを行い、ＥＳＤが単なる体験活動や地域住民の協力を得た活動だけで終わっていないかどうかを十分に確認しながら実践することが求められる」としている。

　取組の推進に当たり、ステップ①校長の学校経営方針とＥＳＤの目標②学習計画（および指導案）の作成と実践③学校運営（ホールスクールアプローチの展開）④地域や大学・企業との連携⑤発信と振り返り―の五段階を示し、全国の学校での実践事例を紹介。

　①では、各学校、地域の実情に応じたテーマやＥＳＤを通じて養われる能力・態度の設定、児童生徒の主体的・協働的な学びの実践などをポイントとして示した。②では、教科等横断的に実施し、あらゆる学びを通じた知識や技能などを統合することが重要とし、教員間の調整、連携の必要性と実践例を挙げている。

(解説 2018-07-09付)