【解説】今後の高等教育の将来像

（解説 2018-07-05付）

　中央教育審議会の大学分科会将来構想部会は、今後の高等教育の将来像の提示に向けた中間まとめを作成した。ことし生まれた子どもが大学の学部段階を卒業する二〇四〇年における高等教育の将来像を示すもの。超スマート社会「Ｓｏｃｉｅｔｙ５・０」の到来に向け、数理・データサイエンスなどの基盤的リテラシー、論理性、コミュニケーション能力など普遍的能力、哲学、感性を育む教育の重要性などを示した。

　高等教育の新たな役割として、あらゆる世代のため、教育・研究の知識の共通基盤となること、日本の高等教育の国際展開、地方創世や地域を支える人材の育成などを挙げている。

　また、ＡＩ時代、グローバル時代など社会の変化に対応できる人材育成のため、高等教育が「個々人の強みを最大限に活かすことを可能とする教育」に転換する必要性を指摘。

　人工知能などの先端技術があらゆる産業、社会生活に取り入られ、社会の在り方が大きく変わる超スマート社会「Ｓｏｃｉｅｔｙ５・０」の到来を前に、数理・データサイエンスなどの基盤的リテラシーを文理共通で身に付ける必要性を提示。

　加えて、論理性、コミュニケーション能力など、普遍的な能力などの教育、哲学や感性を育む教育の重要性を挙げた。

　また、大学進学者数の減少が見込まれることを踏まえ、地域の国公私立大学が地方自治体、産業界とともに、将来像の議論や連携、交流の企画を行う仮称・地域連携プラットフォームの構築、そのための具体的な仕組を検討する必要性を挙げており、国立大学における一法人複数大学制度の導入、国公私立の枠を越えた仮称・大学等連携推進法人制度の創設を掲げている。

　ことし秋に文部科学大臣に答申する予定。

(解説 2018-07-05付)